はじめに
名もなきキャリアコンサルタントこと敬天愛人です。
今回の記事はキャリアコンサルティング技能検定2級 試験対策講座の個別レッスンで実施しているロールプレイの逐語録になります。
個別レッスンでは、実技面接試験出題のロールプレイを実施し、逐語録を分析してキャリアコンサルティングスキルやカウンセリング技法などの確認を行っています。
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第23回検定に向けて、文字に起こされた逐語録を見て分析して勉強したい方もいらっしゃるでしょうし、私自身もこの受講生のロールプレイをしっかりと振り返ることで、個別レッスンの更なる質の向上はもちろん、指導者としての力を蓄えるチャンスとして役立てております。
さて、キャリコン2級を受験される方は、こういったロールプレイを徹底的に練習されると思います!
その一方で、自分のロールプレイを録音して聞くことや、試験対策講座の先生にその場で指導を受けたりはしていても、文章に起こして振り返った経験は少ないのではありませんか?
実際、逐語録に起こしてみると同じことを何回も言っていたり、ご自身の喋り方の癖や偏りがとても良く分かるものです。
また、マイクロ技法などの細かいカウンセリングスキルのチェックやシステマティックアプローチのプロセスをきちんと踏んでいるかなど、その場のロールプレイや短いフィードバックの指導だけでは、確認・改善が難しいのではないでしょうか。
そんな皆様に、キャリア理論と実際のリアルなロールプレイをご覧頂き、試験やコミュニケーションに役立ててもらえたら幸いです。
そして、そんな細かなスキルまでフォローして受講生の合格と成長に貢献していくのが弊社の試験対策講座です!
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※上記を実現可能にした試験対策講座、個別レッスンのお問い合わせはこちらからお願い致しますm(_ _)m
CL役はオオタさん、CC役はスズキさん(仮名)でお送りします。
試験を受けない方でも相談を受けた時やコミュニケーションなどに役立つスキルですから参考にして下さい。
では、行ってみましょ~う!!
相談事例
◆ケース5 オオタさん 49歳
相談者(以下CLと表記)
キャリアコンサルタント(以下CCと表記)
KA(確認ポイント)
CL1
太田です。
CC 1
こんにちは、キャリアコンサルタントの鈴木と申します。太田さんですね、今日はお越しいただきましてありがとうございます。
CL 2
よろしくお願いします。
CC 2
では本日のご相談内容をお聞かせ願いますか?
CL 3
私は今パートとして近所の書店で働いているんですが、仕事ぶりが認められて店長から社員にならないかと打診されたんです。 それでやりがいも感じてまして、受けたいと思っていたんですけど。
CC 3
太田さんは今書店に勤められていて仕事にやりがいも感じられているということで社員にならないかというお話をいただいたと。
CL 4
はい、同じ頃に夫が会社を辞めて蕎麦屋を始めたいので手伝ってほしいと言われたんです。 書店の仕事は続けて行きたいんですけども、妻として夫のサポートもしたいと思っておりまして・・どうしたらいいか迷っているんで相談したいんです。
CC4
そのタイミングでご主人からお蕎麦屋さんをやりたいというお話があって、書店の方の仕事もやりたいし主人のサポートもしたいということで迷われているということなんですかね。
CL 5
はい、迷ってますね。
CC5
そうなんですね、お仕事にすごくやりがいを感じてらっしゃったということなんですが、今の書店の仕事ってやりがいをどんなところに感じていました?
KA「受容・共感」
相談者が迷っている気持ちを受け止めて、不安や心配になっている気持ちに共感することが面談初期のアプローチでは大切です。
やりがいという自己イメージにおける肯定的な資質について相談者から引き出すことは良いことだと思いますが、まずはお互いの関係構築を深めることに意識をおいて傾聴を行うと、ラポール形成と信頼関係が深まり相談者の本音が出やすくなりますので、その上で開かれた質問などを行った方が順序として効果的ではないでしょうか。
また、「はい、迷ってますね」という、迷って不安な気持ちで来談した直後にやりがいを聞かれたら、皆さんはキャリアコンサルタントに対してどんな感情を抱きますか?
それと・・やりがいについて聞くという行為は誰の意思で発声したものでしょうか?
クライエントファーストについてもう一度考えてみる必要もありそうですね。
「まずはどこから伺いましょうか?」と、質問を置き換えれば相談者を尊重しながら選択権を委ねることになりますし、例えばここでは、
「お仕事にやりがいを感じつつも正社員への打診やご主人様のサポート方法などに迷って来談されたのですね。本日は太田さんの迷いやご不安な気持ちについて、一つ一つ整理しながら一緒に解決や方向性を検討するためのお手伝いをさせて頂きますので、何なりとお申し付けください。」
などで、相談者の不安な気持ちに寄り添い、キャリアコンサルタントというキャリア形成の支援者として励ますようなアプローチをしてみるとというのはいかがでしょうか。
この人なら話しても大丈夫、分かってくれるかもしれない!
そう思える人になれば相談者も話しやすいですよね。
「太田さんは書店の仕事の継続とご主人の蕎麦屋のサポートをどうするか迷われていらっしゃったのですね。今日は太田さんの不安なお気持ちを少しでも解消できるように、一つ一つお気持ちや状況を整理しながらサポートしていきたいと思いますので 、まずはいろいろなお悩みがあるとは思いますが率直なお気持ちをお聞かせ願えますか」
こんな感じでも良いと思います。
まずは太田さんのお気持ちを受け止め、支援者として励ましや寄り添う姿勢でこれから一緒に問題に向き合っていきますよ!と、サポートしていくので安心して相談してくださいね!と そういった意思表明を相談者に伝えて、今ここで抱えている相談者のお気持ちから聞くと少しずつ心を開いてくれるのではないでしょうか。
皆さんが思い悩み自分だけではどうにも解決できない問題にぶち当たった時、誰かに相談しなければならない状況で、相談をしている気持ちや立場に立って、どのように話を聞けばいいのか突き詰めて考えていくと・・支援者として相談者をサポートしていく姿勢が構築されていくと思います。
CL 6
そうですね、私は以前、出版企画編集部という所にいたんですよ。もう結構前ですけど。
CC 6
はい。
CL 7
そこは編集部だったものですから、インタビューや執筆とかをして記事を書いたり色々していたんですよ。
CC 7
はい。
CL 8
その頃から本とかは好きだったので、本を読むことも好きだったんですね。
CC 8
ええ、ええ、ええ。
CL 9
そうやって本を読むことが今の書店でも生かせているので、そういったところはやりがいを感じますかね、なんか繋がってるような気がしますし。
CC 9
以前の仕事と何か繋がってるように感じられるということなんですね。
CL 10
うん、そうですね。やってきたことを生かせているような気がします。
CC10
どういったところを生かせていると感じられますか。
CL 11
う~ん・・・、業務で言うのであれば売り場作りとか。本を読むのが好きなので、例えばお客さんに聞かれるじゃないですか、この本が買いたいんですけど・・どうですかねとか聞かれることがあるんですよ。
CC 11
うんうん。
KA「あいづち」
相槌などの聞く姿勢、マイクロ技法で言う関わり行動は概ねできています。「うんうん、はい」など相談者の話を遮ることなく使えてますので良いですね。声の調子やペーシングも悪くないです。
CL 12
面白そうなので興味があるんですけどという話もたまにあるので、そういう時は自分も新しい本を読んだりもしてるんでアドバイスというか話もできるので、何か頼られているような感じがして楽しいですよね。
CC 12
頼られているという風に感じられて凄く楽しく感じられるのですね。
KA「繰り返し(いいかえ)」
全体を通して見ると「凄く」とか「しっかり」という副詞を使うクセがあるようです。繰り返しやいいかえ技法を使う時にも口癖や自分の話し方の傾向は客観的に分析しておきましょう。
CL 13
そうですね。
CC 13
本を読むのが好きというお話でしたけれどもどういったジャンルが好きなんですか。
KA「キャリア上の問題に焦点を当てるために」
ラポールやアイスブレイクのような意味で趣味を聞くのは良いと思うのですが、それでもキャリアコンサルタントの一言には意味を持たせる必要がありますので、本のジャンルを聴くことがこの時点で適切かどうか面談の流れやアプローチとして内省する必要はあると思います。
例えば、「その他に楽しいとか頼られていると実感できるお仕事はありますか?」などと言えば、職務上の肯定的な要素や仕事に対する自己イメージを聞くことが出来ますので、キャリア上の問題把握へと繋がりやすい質問だと考えます。
CL 14
ま~、ジャンル的には結構幅広いですかね。小説みたいなのも読みますしビジネス本などももちろん読むので・・啓発書なんかも読みますかね。
CC14
結構色々なジャンルを読まれるんですね。
CL 15
はい、ジャンルを問わず図書館で借りたりしても読みますから。
CC 15
そうするとお客様から聞かれた時にも色々なコメントと言うか総評を伝えたりできるんですかね。
おわりに
次回は、「【22回ケース⑤パート4】どのように受容され共感してほしいですか」へ続きます。
本日もお忙しいところ、お読みいただきありがとうございましたm(_ _)m
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試験対策講座関連の過去記事はこちらです、合わせてお読み頂けると大変ありがたいです。