キャリコン試験対策講座▶独立8年😊1級技能士の個別レッスン

キャリア理論を実践して1級&2級に合格したメソッドを基に、個別レッスンやテキスト販売で延べ600名様以上の合格力を養成してきた85万PV越えブログ!

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関係構築から問題把握へのカウンセリングステップ/キャリコン2級面接対策

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はじめに

名もなきキャリアコンサルタントこと敬天愛人です。

 

現在開講中の

第19回キャリアコンサルティング技能検定2級試験対策講座。

www.careerlife.jp

この講座の中で、

前回、第18回実技試験ケース4のロールプレイを実施し、

逐語録からカウンセリング技法などの確認を行っているのですが、

www.careerlife.jp

 

www.careerlife.jp

さて、キャリコン2級を受験される方は、

こういったロールプレイを徹底的に練習されると思います。

 

でも、皆さんは自分のロールプレイを録音して聞いたり、

試験対策講座の先生に指導を受けたりはしていても、

文章に起こして添削されたことはあまりないのではありませんか?

 

案外、同じことを何回も言っていたり、

マイクロ技法などの細かいカウンセリングスキルのチェック

システマティックアプローチのカウンセリングプロセス

きちんと踏んでいるかなどは、その場の相談支援や指導の会話だけで

確認しきれていないのではないかと思っています。

 

そんな皆様に、今回も仮想ではなく現実、

キャリア理論と実際のリアルなロールプレイをご覧頂いて、

試験やコミュニケーションに役立ててもらえたら幸いです。

 

添削をしながらロールプレイが見れる指導編となっております。

 

※ロープレ内容につきましては、試験と全く同条件の表示はできませんので、

基本情報等は変更しておりますが、キャリアコンサルティングスキルの

確認という視点であれば、それほど違和感はないかと思います。

 

 

CL役は中西さん、

CC役は・・・鈴木さん(仮名)

指導・添削は私でお送りします。

  

 

試験を受けない方でも相談を受けた時や

コミュニケーションなどに役立つスキルですから参考にして下さい。

 

では、行ってみましょ~う!!

 

 

相談事例

◆ケース5 中西さん 36歳

相談者(以下CLと表記)

キャリアコンサルタント鈴木さん(以下CCと表記)

確認ポイント(以下KAと表記) 

 

CL1 

こんにちは。 

CC1

本日担当させて頂くキャリアコンサルタントの鈴木と申します。 

 

CL2 

中西と申します、よろしくお願いします。  

CC2

本日ご相談のお時間は20分となっております。

短いんですけれども一生懸命聞かせて頂いて、

考えていきたいと思います。

また、我々キャリアコンサルタントには守秘義務がありますので

外へ漏れることはございませんので安心してお話しください。

それでは、ご相談始めて行きたいと思います。 

今日はどうされましたか。 

 

「基本的態度」

KA 

時計の向きや席の向きの変更についての了承

CLに得ることを忘れずに実施しましょう。 

技能士会に入会していると分かりますが、

相談者役は有資格者です、細かいところまで見られてますよ。

そういった積み重ねが面接会場の雰囲気や関係構築を良好にします。

 

 

CL3 

高校卒業後に今の製造会社に勤めて10年以上経ちます、

ここのところ、会社の業績が悪化してまして、

退職する人も出てきているんですね。

ただ、自分としてはお世話になった会社なので、

何とか最後まで自分は頑張ろうかなと思っていたんです。

ただ、最近友人の会社を手伝ってほしいと誘われまして、

転職の方も考えて、どうしたらいいのか分からなくなり、

迷っていて相談に来ました。 

CC3 

そうなんですね。

今日中西さんは、高校から卒業して10年以上製造会社で勤め上げていて、

 業績が悪化して退職者も増えてきているということもあって、

友人からも会社を手伝ってほしいとお誘いがあって

どうしたらいいのかという主旨のご相談で宜しいですか。

 

ラポール形成「褒め方と共感的理解」

KA

高校卒業後、10年以上仕事を頑張ってきたことを労ったり、

褒めるような言葉を最初に入れると、ラポール形成しやすく

相手も承認される事によって気分よく話すことが出来るはずです。 

「10年以上、長く頑張ってこられたのですね」とか、

「業績が悪化していて退職者が出ている中、頑張ってきたわけですね」

という風にCLの背景要因に寄り添いながら共感的理解を交えて、

対等な雰囲気で褒めるわけです。

 

共感的理解とは

ロジャーズ氏の来談者中心療法にある概念ですが、
大切なことなので簡単に説明します。
我々CCはCLと違う人間である(貴方と私の独自性)ことを認識し、
相手の思いをあるがままに理解して受けとめます。
相手の立場を想像し、異なる状況や価値観・境遇における
相手の気持ちを理解出来るように取り組むこと。
上記を「共に感じる」ことであるとロジャーズ氏は言っています。
15冊以上あるロジャーズ氏の書籍や論文を読むのはちょっと・・・
という方はこのような感じで理解されるといいかもしれません。
 
また、価値判断することなく中立できであることを
無条件の肯定的関心(配慮)である、
とロジャーズ氏は位置づけていますね。 

 

グッドポイント「主訴の要約」

KA

最初の主訴の要約はポイントを押さえて正確に出来ていますね。

 

CL4 

はい、そうです。 

CC4

そうしましたら、もう少し今の中西さんのお気持ちなど具体的にお話頂けますか。

 

チャンクダウン

「具体的に」で思考をほぐす良い質問ですね。

CLは悩み抜いてリソースを整理出来ていませんから、

初めは悩みという大きな塊をほぐすような質問、

開かれた質問がCLにとって大切ですし、

我々CCが問題把握するためにも有効ですね。

 

CL5 

はい、ここ数年業績が悪化したというのはですね、

やはり競合の会社が多くて、売上なんかも伸び悩んでいるというのがあります。

3か月くらい前ですかね、販売促進のためのインターネットサービスも

立ち上げたんですが、任されましてやらせて頂いたんですけど、

同じような業者さんがたくさんいて、なかなか売り上げに繋がらない、

やったからといって業績が上がらない、

それによって貢献が出来なかったので、

そういう意味では業績に貢献できなかったというのは思います。 

 CC5

まあ業績が悪化しているように中西さんとしては、

業績がなかなか上げられなかったという思いがあるようなんですけれども、

もう少しその思いを教えて頂けませんか。

 

グッドポイント「繰り返し」

KA

ここも感情に焦点を当てた良い応答が出来ていますで。

短い要約をして、オウム返しではなく、伝え返すことが出来ています。

 

CL6 

そうですね、こちらの会社に10年以上お世話になっていますので、

長い間良くしてもらって、上司なんかも・・・部長なんですけど、

凄く良くしてくれて。

今回のインターネットサービス事業を

任せてくれたのは部長なんですよね。

それも有難かったですし、同僚なんかも仲良く仕事やってきた仲間なんで、

それだけに業績が悪化したから退職した人がいると聞くと、

もっと頑張ればいいのにという思いは自分としてありますよね。 

CC6 

10年以上頑張ってやってこられたというのは、

とても凄いことだと思うので、それに対して中西さんは

何かできるのでは何が出来るのかなという思いあって、

今回インターネットサービスを任されたっていうことで、

頑張ってやってこられた中で辞める方もいるとおっしゃってましたけど、

そういう方を見て中西さんはどう思われましたか。  

 

CL7

先ほども言った通り業績が悪化して退職する方を見ていると、

自分としては高校卒業してすぐに入ったんですけど、

経緯としては就職難の時代でなかなか仕事も決まらなくて、

最初は進学を希望してたんですけど、当時、母の体調が悪くて、

進学を諦めなければいけない状況になりまして。

でも就職もなかなか決まらなくてどうしようかなと思っている時に

母の知人の紹介で今の会社に入れたんですよね。

だからそういう恩も自分としては感じていて。

仕事の方は最初の数年は覚えるのに苦労しましたけど、

一生懸命、会社のために仕事をやってきて・・・

みんなもそうだと思うんですよ。

なのに業績が悪化したからといって辞めていくってのは

自分としてはどうかな~て思うところがあります。

今回、友人の仕事の誘いについて悩んでいる面もあるので、

全然分からないというわけではないんですけどね。

ただ、お世話に、良くしてもらった会社を裏切るというか、

そういう気持ちにもならないですし、そういう思いは強いですかね。

 

CC7 

そうすると中西さんは今の会社でこれからも長く働いていきたいと、

今までは考えてらっしゃったんですね。

 

「感情の反映」

KA

恩を感じている点、会社を裏切るような気持ちになれない強い思いは

感情が強く出ているところなので、端的でいいので丁寧に、

相手に伝わるような感情の反映をしてあげると、

CCの表情や言語を聞いたCLの自己理解が深まりますし、

共感的理解やかかわり技法(関係構築力)の評価が高くなると思います。

  

CL8 

はい、今回友人の話をもらうまでは、

何とか最後までやりたいなって思ってました。

CC8 

そうですよね。

10年以上もやってこられて努力してここまで来られたのでしょうし、

ましてお母様のお知り合いでなかなか決まらなかった就職の中、

拾ってもらえたという感謝の気持ちや恩をもらったという

お気持ちがあったからこそ、中西さんの頑張りがあったからこそ、

ここまでやってこられたんだなとお感じするんですけど。 

 

グッドポイント「はげまし」

KA

ここでは基本的かかわり技法の「はげまし」をしながら

親身なかかわりが出来ていると思います。

 

CL9 

はい、そう思いますね。 

CC9 

逆にお友達から仕事を手伝ってくれないかと

言われた時のお気持ちはどうでしたか。

 

2つの肯定的な葛藤 

KA

今の仕事を肯定的に捉えているCLの発言に対しての応答であり、

「友人からの誘い」もCLは肯定的な捉え方をしている推測ができますので、

「逆に」ではなく、「一方で」と言った方がCLは葛藤を比較しやすいですし、

話の流れも切れずに、関連がある様に聞こえると思います。

気持ちに関する質問自体は深堀する質問でOKです。

 

CL10 

友人も長い付き合いでして、もう立ち上げて4年くらい経つ会社なんですけれども、

実はその友人の会社は就労支援事業でして、

ああいう職種はPCやネット媒体などが弱いそうなんですよ。

そういうシステム関連の管理者みたいなのを

やってほしいということなんですよ。

彼が最初に立ち上げた時に手伝ったりもしたんですよね。

知っている友人ですし、やっている仕事も私の出来る仕事でもあるし、

中核をになってほしいということなんで、ありがたい話だなと。

私の技術を評価してくれているようにも思うし。

もちろん友人なんで出来れば力になってあげたいと思います。 

CC10 

そうすると、今までお話を伺っていると、

会社の方も10年以上働いてお世話になっているし

業績が悪くなったからといって、自分がここで辞めるよりも

頑張って行きたいというお気持ちがあった中で、

お友達から中西さんがその立ち上げを手伝ってきたところを含めて、

来ないかと言われたことが丁度重なったようなんですけれども、

ご本人としては会社を続けていくのか、

もしくはお友達の会社へ行くのかというので

悩まれているということで宜しいですか。

 

10分経過「まとまった要約」

KA

ここで約半分が経過しています。

まとまった要約をこのタイミングで入れてきたのは素晴らしいと思います。

そろそろ、CLもCCも少し整理しておきたいですよね。

ただ、この要約でシステマティックアプローチでいうところの

問題の評価、CCの「見立て」に繋げていく必要があります。

  

CL11 

はい、今までお世話になった会社で思いと、

友人の会社の方は期待というか・・・、

どうしても自分は情に厚い部分がありまして、

そういう意味で助けてあげたいという気持ちに

近いところがあるのかなと思いますね。

そこで悩んでしまっていると思うところはあります。 

CC11 

そうですね、両方お世話になっている方たちだから

中西さんがなんとかして差し上げたいというお気持ちを

お見受けするんですが。

 

「見立て」

KA

ここまで見て頂くと感じると思いますが、

このCLは真面目で情に厚いという内面(性格・価値観)があります。

だからこそ・・・、情に厚いからこそ、決めれない、

選択できずに悩んでいるという「見立て」が出来ます。

個人の背景が見えてきて関係構築10分を過ぎたこの辺りで、

会社に残るメリットデメリット、

友人の会社に転職するメリットデメリットを整理して比較させれば、

話の流れ的にもスムーズで、より具体的な目標評価(問題把握)に

繋がるステップを踏めたかもしれませんね。

最終的にはここで「見立て」と「問題把握」に迫れなかったので

目標設立が出来なくなってしまいます。 

 

CL12  

うーん、業績が悪化しているというのは収入的な面とか、

もう40歳になりますんで、今後も安定的な収入が得られるのか

心配な面もありますからね。

そういうところも不安は不安です。

高卒で入っているので、大卒との収入差も・・・

もしかしたら高卒の自分が切られるんじゃないかって、

そういう心配もあります。 

CC12 

そうですよね、確かに高校卒業と大卒では給料の面でも違うでしょうし、

就職活動をした場合に次の就職があるのかどうかという

将来的なことも含めて不安になられてますか。 

 

CL13 

そうなんですよ。まだまだ30年くらい働かなくてはいけないし、

収入が減っていくのは困りますし、大卒との収入差も

業績が悪化する前はそんなに気にならなかったんですけど、

悪化してくると先行きどうなるのか漠然と思ったりしますよね。 

CC13 

そうですよね、自分のこととなるとお給料の面とか

気になることだとは思うんですけど。

お給料以外に何か気になることとってありますか。

 

思考の拡大を図る質問

KA

「お給料以外に何か気になることありますか」良い質問ですね!

問題把握が出来てきたら、CLに他に何かないか考えさせることは、

残り時間を考えても目標設定する際に大切です。

面接の残り数分で「実は・・・」と言われたら方策が間に合いませんから、

時間があるうちに思考の拡大を図る質問で確認しましょう。

一方で、

「先行きどうなるか漠然としている→将来のことを考えられていない→明確なキャリアプランやキャリアデザインが乏しい」可能性がありますよ。

ここをCLの問題として「見立て」て、目標設定しても面白いですね。 

 

 

 

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