キャリコン試験対策講座▶独立8年😊1級技能士の個別レッスン

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はじめに

名もなきキャリアコンサルタントこと敬天愛人です。

 

現在開講中の、

第19回キャリアコンサルティング技能検定2級試験対策講座。

www.careerlife.jp

 

この講座の中で、ロールプレイを実践して逐語録を作成しています。 

www.careerlife.jp

やはりキャリコン2級のポイントは実技試験ですから、

皆さんロールプレイを徹底的に練習されると思います。

 

でも、皆さんは自分のロールプレイを録音して聞いたり、

試験対策講座の先生に指導を受けたりはしていても、

文章に起こして添削されたことまではあまりないのではありませんか?

 

案外、同じことをグルグルと何回も言っていたり、

マイクロ技法などの細かいカウンセリングスキルのチェック

システマティックアプローチのカウンセリングプロセス

きちんと踏んでいるかのチェックは、その場の相談支援や指導の会話だけで

確認しきれていないのではないかと思っています。

 

そんな皆様に、実際のリアルなロールプレイをご覧頂いて、

試験やコミュニケーションに役立ててもらいたいです。

 

※ロープレ内容につきましては、試験と全く同条件の表示はできませんので、

基本情報等は変更しておりますが、キャリアコンサルティングスキルの

確認という視点であれば、それほど違和感はないかと思います。

 

 

CL役は中田さん、

CC役は・・・仮名の鈴木さん、

添削は私でお送りします。 

 

試験を受けない方でも相談を受けた時などに役立つスキルです。

 

では、行ってみましょ~う!! 

 

相談事例

◆ケース4 中田さん 51歳

相談者(以下CLと表記)

キャリアコンサルタント(以下CCと表記)

確認ポイント(以下KAと表記)

 

 

CL1 

こんにちは。 

CC1

キャリアカウンセラーの鈴木と申します。

どうぞよろしくお願いします。 

 

CL2 

中田です、よろしくお願いします。  

CC2

まず最初にお話ししておきますけども、

私たちキャリアカウンセラーには守秘義務がありますので、

今日のご相談内容というのは外に漏れたりすることはありませんので

どうぞご安心してお気軽にお話しください。

それから時間は20分になっておりますので、

こちらの時計で30分くらいまでお話伺います。

椅子とかの位置は宜しいでしょうか?

私はちょっと中田さんの方に向かせて頂きますので

こういった姿勢で進めさせて頂きます。  

 

ラポール形成(心の架け橋)は「冒頭」から

KA

守秘義務と時間の設定は必ず伝えましょう。

「私たち」という表現よりも

「我々キャリアコンサルタント」の方がより適切です。

なぜなら守秘義務は国家資格キャリアコンサルタントの

倫理要綱にあるからです。 

時計の向きの変更についての了承も得ることを忘れずに。

表情や声のトーン・質などは物腰が柔らかく

「基本的態度」としても良かったと思います。

 

【リレーション(関係構築)の基本「非言語的スキル」】
  1. 視線
  2. 表情
  3. ジェスチャー
  4. 声の質・量
  5. 席のとり方
  6. 言葉遣い
  7. 服装・身だしなみ

以上の7点をチェック!

 

【リレーション(関係構築)の基本「言語的スキル」】
  1. 受容
  2. 繰り返し
  3. 明確化(感情・意味の意識化)
  4. 支持
  5. 質問(閉ざされた質問・開かれた質問)

以上の5点をチェック!

 

 

CL3 

はい、分かりました。  

CC3  

中田さん今日はどういったご相談でしょうか。

 

 

CL4 

実は私、今、事務の仕事を長く続けているんですけれども、

今度の春から事務部門が本社の方に統合されることになりまして、

本来であればそのまま本社の方に異動となるんですけれども

年齢的に両親もだいぶ年を取ってきまして

このままこちらへ残っていくべきか、本社の方に異動するべきか

今後の将来設計といいますか、そういったところも含めて相談に来ました。 

CC4

はい、分かりました。

会社の方の方針として、事務部門が本社の方へ統合されるという、

それに伴って中田さんご自身の身の振舞い方を

どうしたらいいかというご相談で宜しいですね。 

 

KA

このCC役の方の口癖なんですが、「身の振舞い方」という表現で、

CLの言葉の繰り返しや反射を行わずCCの解釈で要約してしまうんですね。

 

これは、マイクロ技法の「いいかえ」とは違います。

 

論述試験でもそうですが、悩み抜いて相談に来るわけですから、

普通は最初に表面的な大事な言葉を言ってくると思うのです。

 

その発言を「身の振舞い方」とまとめてしまうのは、

問題の矮小化、これはNGな問題の先読み傾向と言えますね。

 

よって、冒頭の主訴は出来る限り正確に、感情の反射も含めて

伝え返すことを推奨していますし、更に3つのメリットがあります。

3つのメリット
  1. CLにそのまま伝え返すことにより、自分はどうして相談に来たのかという自己理解と、聴いてもらえるという安心感を深めてもらうため。
  2. CCが言葉に出すことにより、CLの主訴を共感的に理解していることを言語と非言語でも伝えてラポール形成、自分自身も覚えておくため。
  3. 口頭試問で相談者の問題点は?と聞かれる可能性が高いので、少しでも質問にスムーズに答えられるように口に出して覚えて慣れておくため。

この3つのメリットを使っていない上記CC4の伝え返しですと、

「このCCは自分の話をちゃんと聞いてくれているのだろうか」と、

思われるでしょうし、不信感を持たれる可能性もあります。

なんか都合よく聞かれている印象を持たれる方もいるのではないでしょうか。

それと、伝え返し≠オウム返しですよ。

 

 

CL5 

はい。 

 

CC5

そうしますと、今どのようなお仕事されているんですか。

もう少し詳しくお聞かせください。 

 

「塊をほぐす質問チャンクダウン」

KA

 

例えばCL4をよく見て下さい。

問題がごちゃ混ぜです、こんな時は「具体的には?」と塊をほぐす、

「チャンクダウン」という質問の仕方をしてCLの出方を伺うと良いでしょう。

いくつかある問題から、まず話そうとするものを整理させ考えさせるのです。

しかもCL4には感情を表す、「思い」の表現がありません。

感情に焦点を当てた応答をするには、ヒントが少ないので、

感情を表現させる、思いを導く質問が大切ですよ。

 

友達が色々と悩んで頭の中がこんがらがっていたら、

「もっと具体的に!」で、

塊をほぐすコミュニケーション・・・効果的です。 

 

 

CL6 

事務と言ってもですね、例えば新入社員ですとか

中途採用で入ってきた社員の研修を担当する部門に属していまして、

新人研修をメインに行う事務職をやっております。 

CC6 

新人の研修の事務職をやられているということですね。

研修部門をまとめられているということで宜しいですか。

 

「聴いてないよ~!!」 

KA

 

要約の仕方は先ほど指摘しましたが、

CC6では「まとめられているんですね」と、

聴いてもいないことを言ってしまいました。

伝え返しは正確に行わないとラポール形成や関係構築が出来ません。

先読みもここまで来ると思いこみと言えるでしょう。

非常に危険です。 

 

CL7

いいえ、まだ上司はおりますので私は中間です。 

CC7 

そうですか、分かりました。

そうすると、本社に統合されるということ、

このお話というのはいつ内示というか、出たんですか。

 

KA

間違ったことを言ったら、素直に失礼しましたと謝罪した方が宜しいですね。

反省も見えませんし、横柄な態度に取られることもあります。 

 

CL8 

そうですね、まあ実は一月ほど前に上司から

年内いっぱいに結論を出してほしいということで

内々でお話しを聞きました。 

CC8 

そうすると、2か月くらい先に決めてもらえればいいということですか。

分かりました、時間軸のことは確認しておきませんと、

どれだけ急がないとというのもありますから。

本社の方へ統合されるということで研修のお仕事も

そちらの方へ移ってしまうということなんでしょうか。

 

KA

質問内容が仕事内容や事実確認に偏っており、

質問も思考を広げる質問ではなく閉ざされた質問になってきています。

例えば、CC8では年内いっぱいに結論を出さなければいけないことを、

CLがどのように捉えて、どうしなければいけないのかを

考えさせる質問をした方が、本質にたどり着きやすくなります。

時間軸の確認はいいのですが、ラポールや関係構築が出来ていない段階で

急がせるような問いかけの仕方は尚早かなと思います。

シュロスバーグ氏の4S点検のサポート(物理的支援)に当たりますね。

 

CL9 

そうなんです。 

CC9 

ご両親の様子というのは今どんなような様子・・・

介護が必要となるような様子なのでしょうか。

 

CL10 

まだ、なんとか介護が特別必要ということではなく、

年を取ってきたなと感じるところなんですけれども。

多分数年以内にはどちらか介護が必要になってくるんじゃないかなと。

もうじき80ですし・・・。 

CC10 

たしか中田さんは年齢を伺ってるんですけれども50歳。

  

CL11 

はい。 

CC11 

ご両親お二人とも今は特に問題ないけれども

80という年齢を考えたらこれからご心配ということですね。

中田さん、介護のお話ですけれども中田さん以外に

介護について対応される方は他にいらっしゃるんですか? 

 

CL12  

私は一人っ子なので、私しかおりません。 

CC12  

そうすると一人で 、

お身体に何かあれば中田さんが面倒を看ることもあるかもしれませんね。

 

CL13 

そうですね。  

CC13 

そうすると中田さんが今回の話を聞いて本社に統合され研修部門も

引き継がれるということで、私には両親とのことも考えて

行かなくてはならないということで。

本社に行くことについてどんな風に考えてらっしゃるんですか。 

 

CL14 

そうですね、本社に行ってしまうと本当にお盆と正月くらいしか

帰って来れないであろうと思いますので・・・

なかなか敷居が高いと申しますか決断に踏み切れないというか。 

CC14 

そうですね。

本社にもし移らなければという選択肢もあるんですか。

 

「要約」と「伝え返し」でCLの思いを傾聴する 

KA

例えば「年に2回くらいしか帰ってこれないと思われるのですね」のように

そのままCLに要約(いいかえ)して伝え返すことで「聴く」姿勢で、

CLをもその姿勢に導き励ますことになります。

また、帰って来れないことについて、CLはどう思っているのか聞きましょう。

言葉の選び方や声トーン、表情を伺いながら、

本当は転勤したいのか?両親に会いたいのか?を見立てます。

ここまで、ちょっと状況を聞きすぎて、

CLはどうしたいのかという感情部分に迫ることが出来ていませんね。

CLはどうしたらよいか分からないから、相談に来ています。 

 

CL15 

そうですね・・・まあ一応製造部門の方で仕事の方を

確保してもらえるかもしれませんが、

全く経験がないので私としてもそれは考えていないですね。 

CC15 

考えていない、そうすると残った場合に

製造部門のお仕事は考えていないということなんですね。

 

とにかく深堀

KA

なぜ考えていないのか、製造経験がないからなのか、残りたくないのか、

それとも違う理由があるのか、CLの思いの根本に迫る深堀をしましょう。 

 

CL16  

そうですね、今の状況にやりがいを感じているので

出来れば今の仕事を続けたいなと思っています。 

CC16 

そうでしたか。

そうすると、本社へ行きたいという気持ちはあるけれども、

ご両親これからどうしたらいいだろうか、

それが問題点と考えて宜しいですか。

 

KA

会話がひと段落したら、「ここまで少しまとめ(要約)させて頂きますね」と、

CLや試験官に分かるように発言をして整理・アピールするともっと良いですね。

システマティックアプローチは、

構成的なカウンセリングステップを踏むのですから、

今、このカウンセリングはどの評価区分なのか?

例えば、「問題評価する為の作業」なのか?

「コミットメントへ向かうための作業」なのか?

そういったメリハリが出てくると実技面接をコントロールし、

「演じきれている」と具体的展開力も評価されると思います。

 

CL17 

はい。 

CC17 

それ以外に何か問題を抱えてらっしゃることってありますか。 

 

CL18 

そうですね、やはり本社が大阪なんで

全く今の仕事と環境が変わって友人とも離れてしまうので

寂しさや不安に思う要素はあります。 

CC18 

今はこちら東京ですから大阪というのは新幹線でも、先ほど伺った、

お盆と正月くらいしか帰って来れないというのもあるかもしれませんね。

ちなみに今、一緒に働いている同僚の方というのは、

やはり皆さん大阪の方に移られるのかな。

 

先読みすぎ・深読み・思い込みはNG

KA

CLの現在の勤務地は聞いていないはずですが、東京と仮定して話を進めています。

CLは話を合わせていますが、これでは信頼関係が築けないどころか、

むしろマイナスになってしまいます。

皆さんが移られるかどうかより、寂しさや不安をどう認知しているかという

CLの感情に焦点を当てた質問やアプローチをして頂かないといけません。 

 

CL19 

私と同じ研修部門にいる中では上司は当然、

単身赴任で行くんですけれども、

中にはこれを機会に寿退社する後輩もいます。 

CC19 

一緒に移って頂けるのであればちょっと心強さもあるかもしれませんよね。

 

KA

心強さがあるかどうかはCLが判断することです。

そういった状況をどのようにCLが認知しているのか確認します。 

 

CL20 

そうですね、ただはっきりとした決断が出来ているメンバーは何人かで、

迷っている人もいます

CC20 

そうですね、東京から大阪ですからね。

俗にいう水が違うというやつで、

戸惑うところもあるかもしれませんね。

そうですか、そうすると大阪の本社の方で統合されることによって

今の仕事は続けられるけども、高齢のご両親、ご兄弟もいらっしゃらない、

今後どうして行ったらいいかということ。

その辺を心配されているということなんですね。

 

 

CL21 

はい。 

CC21 

ちなみに繰り返すようで申し訳ないのですけれども、

中田さんご自身のライププランというか

結婚とかそういったことというのは何かお持ちになられているのですか。

 

KA

「ライフプランについてどう思いますか」のように、

開かれた質問の方がいいかもしれませんね。 

「結婚」というキーワードにCLが反応して答えが狭まったり、

本心が聞けない可能性があります。

 

CL22 

一度結婚に失敗してますので、 もうあとはこのまま一人で

両親の面倒を看ながら、地元で暮らしていこうかなくらいのことしか

考えていなかったので・・・まったく遠方に引っ越すなんて

考えたこともなかったんですよね。

 

メリットデメリットの使い方

KA

「地元で暮らしていこう」「引っ越すなんて」

肯定的な概念と否定的な概念について葛藤している、困惑している話が出ました。

ここは深堀りしてもいいのですが、地元に留まるメリットデメリットと

引っ越すメリットデメリットを考えさせる問いかけで、

本人に状況を整理させれば、より冷静にCLが問題の評価をする

きっかけにつながったかもしれません。

 

 

CC22 

なるほど、なぜそのお話を聞いたかというと

お付き合いされている方がいらっしゃって、

その方との関係やご両親の介護の話もそうですが

確認させて頂いたんですね。 

それではですね、どうでしょうか・・・

あの~仮にですけれども中田さんご自身は大阪の方に行かれて

仕事は続けたいけれども、それでもご両親の介護、

それからご両親の面倒を看るというのはどんな方法があるのかなということで

考えて行くっていうことで考えてみたいと思うんですけどいかがですか。 

 

CL23 

そうですね・・・う~ん・・・。 

CC23 

そうか・・・そうか、う~ん(苦笑) 

 

行き詰ってしまったら

KA

このCC役の方は問題評価してコミットメントをするため

目標合意形成へのアプローチを行ったのですが、

CLに拒否されたと感じた為、ここで思考がストップしてしまいました。

厳しいことを言うようですが、

目標の合意やコミットメントが得られないということは、

関係構築力不足、問題の深堀りが出来ておらず、

CLに寄り添えていない可能性があるということです。

そして、システマティックアプローチで言う、

構成的なカウンセリングステップ、

キャリアコンサルティングを演じ切ることが出来ずに

素の状態に戻ってしまいました。

 

フォローしながら、CC役の方に中断中お話を伺いましたが、

自分では目標設定が早すぎたとおっしゃっていました。

本当にそれがCC自身の問題点でしょうか?これを客観的に自分で評価し、

口頭試問で改善点まで答えられなくてはなりませんね。

 

再開後

CL24 

・・・。 

CC24 

中田さん自身はご両親の介護を対応しようとしていることに関して

どのように考えてらっしゃるんですか。

 

CL25 

正直今まで具体的に行動はしていなかったのですが、

やはり社会的な公的なサービスなどに任せる方向で考えていました。

介護のために仕事を削るというよりは、

お金で解決するということを考えていました。

 

CC25 

今、厚生労働省の指針でもあるように色々な介護のサービスを

充実させなくてはいけないというのがありますので、

そういったものを利用してできるだけ家族の方の介護、

負担を軽減するということが進められていますので、

そういったものをご利用されるというのはとっても素晴らしいことです。

そういう風にして頂ければ大阪の方への異動というのは

難しくないかもしれませんよね。 

 

CL26

はい。 

CC26

具体的に何かこんなものを利用してみたいなどあるのでしょうか。 

 

CL27

介護ですか。取り急ぎ今っていうわけでないですが、

デイサービス的なイメージですよね。

あとは訪問して頂けるようなサービスからですね。

運転免許証を返納したくらいで特に何か寝たきりというわけでもないので。 

CC27

運転免許証は返納されたんですね。

そうすると、特には介護を急を要するというお話しでは無かったですけれども、

ご両親はどういった様子なんですか。

通院されているということはあるんですか。 

 

CL28

高齢ですから適度に腰痛だったり

高血圧だったりで定期的には通院してますけどね。 

CC28

認定とか取られているとか。

 

 

CL29

いえいえ、そこまでは。 

CC29

お元気で何よりですね。

そうすると、大阪へ赴任をして今と同じような事務の仕事を継続していく、

研修を主体とした仕事をしていくと、これは間違いないと。 

 

CL30

うーん、それもちょっと不安があるんですけどね。 

CC30

それはやりたいと考えてらっしゃる。

 

「間違いない」

KA

何がCC29「間違いない」、何をCC30「やりたい」のでしょうか、

話が飛んで応答の一貫性が損なわれ始めました。

 

CL31

仕事はやりたいんですけどね・・・

知り合いが誰もいないというのが心細いんです。 

 

 

ピピピピピ・・・。

 

ここで時間切れとなりました。

 

ここから、口頭試問です。

 

口頭試問

ここから口頭試問のロールプレイです。

 

 

試験官(以下SIKと表記)

キャリアコンサルタント(以下CCと表記)

確認ポイント(以下KA)

 

SIK1 

この相談者の相談したい問題点とは何でしたか。 

CC1 

はい、中田さんは今、勤められている会社で、

2カ月後に迫る大阪への統合がありまして

今後の身の振り方について相談にいらっしゃっています。

 

KA

ここは主訴ですね、論述試験でいうと(1)に該当します。

私は冒頭でCLが言う主訴(初期設定)を要約して、

CLに必ず伝え返して下さいと教えます。

CLが何の相談に来たのか自己理解できるように要約して伝え返す意味と、

自分が覚えておいて最後の口頭試問できちんと言えるようにする意味があります。

※答え方はキャリコン義塾テキストⅠのp.2と16、Ⅱのp.6を参照

 

 

SIK2

では、キャリアコンサルタントとして考える相談者の問題点は何ですか。 

CC2

・・・・・・・・・・だめですね。

 

KA

ここは我々CCの見立て、問題把握力、論述試験(2)に該当します。

どうしてCLは相談に来たのか、何を一番不安に感じていて、

何を一番やりたいのか、いわゆる4S点検(リソース)

整理出来ない状態にあり、行動を起こせないことが問題です。

※答え方はキャリコン義塾テキストⅠのp.3と16、Ⅱのp.6を参照

 

 

SIK3

では、今のロールプレイで良かったところ、

悪かったところを言ってください。 

CC3

いや、良かったところはないです。

 

 

SIK4

悪かったところはどうですか。 

CC4

全て悪かったですね。

 

  

SIK5

では、相談者とのリレーション(関係構築)はうまくできたと思いますか。 

CC5

最初のころ10分くらいまでは出来ましたけれども、

ちょっと先走ってしまって、目標設定を先走ってしまって。

その時にCLさんの表情から感じ取ったんですけれども、

この相談の進め方に対して肯定的ではなかったので、

私はダメだと察してその後進められなかったですね。

 

KA

私が思うのは、例えばCL役が不機嫌なまま、暗い顔のままでも、

自分がダメだと察しても、キャリアコンサルティングがしっかり出来ていれば

試験官は評価してくれるし、合格できるということです。

ロジャーズの共感的理解では、自分と相手は違うという認識のもと、

CLとCCの独自性や違いを認識していなくてはなりません。

CLの相談者役としての立場や状況、価値観や境遇に

引きずられて自己を見失ってはダメということです。

相手の気持ちを先読みして察して、自分が落ち込んでしまっては、

誰がクライエントを支援するのでしょうか。

 

 

SIK6

悪かったところについて今後どんな勉強や改善をしていきたいと思いますか。

 CC6

悪かった点の改善点ですけど、思い浮かびません。

 

 

KA

口頭試問では、自分を客観的に評価できるかどうかが試されます。

もう少し簡潔に分かりやすい応答を心がけて要約して伝えないと、

良い印象を与えることができないと思います。

※キャリコン義塾テキストⅠのp.17を参照

 

SIK7

次回の相談機会があれば、改めてどんな支援を行いたいと思いますか。 

CC7

申し訳ない、駄目です。 

 

SIK8

今日はどうもありがとうございました。

CC8

はい、ありがとうございました。

 

 

まとめ

さて、実際のロールプレイを基に、

キャリアカウンセリングのスキルをご紹介しました。

 

この内容が実際の試験でしたら、

実技面接の平均点が40点以下かもしれませんね。

 

今回、私以外のCLを呼んで相談者役をやってもらい、

オブザーバーとして改善点を見させて頂きましたが、

驚くほどできませんでした。

 

 

感情ではなく状況や環境に焦点を当てすぎているため

問題の核心を掴むためのリレーション(関係構築)が不十分に感じます。

 

マイクロカウンセリングの「かかわり技法」で共通して言われている

「心の枠組みにそった傾聴」が出来ていないと言えるかもしれません。

 

 

見えないものを見るスキル

それと、大切なことがもう一点・・・、

このCLがどうしたいのか意思決定が非常に曖昧だと思いませんか?

 

これはなぜかというとCLの一番の気持ち、やりたいこと、

いわゆる「真意」に辿り着けていないからです。

 

また、意思決定支援は「現実的な問題」が解決される必要があります。

 

人は生まれながらに「制約」や「限界」を「思いこむ」ことで、

環境や阻害要因のせいにするのです、意識・無意識に関わらず・・・。

 

今回のCLには「本社へ転勤」「両親の介護」「将来の生活設計」

という環境要因や本人の理想を邪魔する阻害要因というものが存在します。

 

それを取り除いてあげなければCLが本当は何をしたいのか、

どうしたいのか・・・それを把握することは出来ないと考えます。

 

例えば、

「本社へ転勤しなくていいとしたら、貴方は何をしたいですか?」

「介護の心配がないとしたら、貴方が一番したいことは何ですか」と。

言語的に聴いて確認して自分の口で主体的に言わせてあげることです。

 

本人が悩んでいる「阻害要因」、「環境要因」という

見ているものを見えないように取り除くことで、

本人にすら見えないものが見えてきます。

 

多くの人はこのような目の前の環境要因に捕らわれ

本当にやりたいことの意思決定が出来ていないのですから。

 

今回のロールプレイでは正直、これが出来ていません。

これが、CLがどうしたいのかが見えない曖昧さだと私は感じます。

 

これではCLは元気になってくれませんし、モヤモヤしたままです。

 

正直、これらも含めて逐語録でないと見過ごす可能性も高いですね。

 

だから試験では録音しているのでしょう。

一見、良さそうなキャリアコンサルティングでも

実践的な理論や体系は出来ているのか見極める必要がある・・・と。

 

キャリアコンサルティング・カウンセリング方法は無限にあるので、

正しいか正しくないかではありませんが、

少なくとも私はこういった点に注意しながら、

カウンセリングステップを進めて合格しました。

 

今回はちょっと細かい専門的な話が多くなりましたが、

試験やコミュニケーションに必要なノウハウと

アドバイスを簡単にご説明しました。

 

たぶんキャリアコンサルティングを知らない方も、ああ~なるほど、

確かにそうかも!と感じた方もいるかもしれません。

 

そういう皆さん、センスあります( ゚Д゚)!!

 

マネージメントされている方々も一つでもスキルを覚えておくと、

部下の相談、人事面談や目標管理シート作成等で役立つと思います。

本当にやりたいことが出来れば仕事の成果やモチベーションは上がり、

長期的なキャリアパスが描けますから、段階的な目標も設定しやすいです。

 

相手の真意を引き出して心をスッキリさせることが出来れば、

非指示的に導くという高度なコミュニケーションが可能となります。

 

「そんなの難しいよ!」

「うちの会社ではそんなの無理!」

これも思い込みや環境要因の一つかもしれません、気を付けましょう。

 

こういうスキルを身に着けたい人事・採用担当者

管理者の方からの応募や研修依頼もお待ちしています。

 

あ、単純に、

聞き上手になりたい方には役立つので、

良いかもしれませんね!

 

それにしても文章に起こして逐語録としてまとめると面白いですね。

どこがどのように出来ていないのか、

物凄く分かりやすくて私自身も勉強になりました。

 

こういう知識やスキルを世の中に役立てるチャンスが欲しいものです。

よーし!まずはそういった未来に向けて頑張ります!!

 

こういったきめ細かい指導を受けてみたい方は下記の応募フォームへ!

お問い合わせお待ちしております!

もちろん、自分が本当はどうしたいのか分からない方、客観的に知りたい方、

キャリアプランの相談もこちらまで!

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お忙しいところ、お読みいただきありがとうございました。

 

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合わせてお読み頂けると大変嬉しいです。  

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