【採点官から観た受検者傾向】キャリコン2級論述試験の加点に向けて学ぶべき要素
名もなきキャリアコンサルタントこと1級キャリアコンサルティング技能士の福島(敬天愛仁)です。
今回も第27回キャリアコンサルティング技能検定から始まった「〇〇から観た受検者の傾向」の資料について1級キャリコン技能士の視点から分析を行い、合格できない理由からヒントを得て頂ける記事を作りました。
この資料に記載された文章に、「能力向上を図る学習等の参考に」と、ある一方で「個人の課題を表すものではなく、試験の合否判定結果とは一切関係ない」と、記載されていることから、じゃあどうすればいいの!?と、悩む方も居ると思います。
そのような受験生の皆さんの葛藤を受け止められるように、お気持ちを汲んだ上で合格に繋がる記事を作り貢献したいと思いますので、今後の試験対策講座の参考にしていただければ幸いです。
それでは、お手元に2022年度後期の採点官から観た受検者の傾向をご用意してご覧頂けると深い学びに繋がるはずですので・・ありがたいです。
※今回の実技傾向では実技(論述)試験のみの公表で、「採点官」という表現になっています。
相談者がこの面談で相談したい問題は何かについて
まず問1について読み解いて行きましょう!
今回、受検者の皆さんが記述した解答は、主訴(相談者が訴えたい問題=協議会は主訴と表記しません)を捉えて、逐語録から気持ちを拾えているという上々の評価です。
一方、逐語録からの抜粋の仕方や文章のまとめ方に課題もあるようです。
例えば、ただ逐語録を表面的に記述するのではなく、「相談者は〇〇したいけど、〇〇が不安だから来談した」のように、感情の背景にある本音・本心などを来談者中心で深く理解する姿勢で記述できると、相談者のナラティブに寄り添った真の『問題』を理解できるようになるはずです。
ただ会話のやり取りを並べて、なんとなく文章にしているという方は特に気を付けて頂きたいと思います。
論述試験対策で指導していますが、逐語録の先にはひとりの人物がいます。
思いや感情を拾うだけでなく、相談者は何に困っているのか、一番悩んでいることは何か、何と何で葛藤し悩んでいるのか、どうすれば救われるのか、元気になれるのか、貢献できるのか、短い時間の中で意思決定を邪魔(阻害)している問題を共感的に理解しましょう。
キャリコンの試験対策講座で
— 福島雅史@1級キャリアコンサルティング技能士 (@careerlife_jp) 2022年4月24日
システマティックアプローチを
教わった皆さん、
システマティックアプローチは
その順番通りに面談を進める
という意味ではないですよ。
相談者の目標に対して
『体系的に接近する』
という意味です。
体系的に面談を展開出来るよう
研鑽しましょう😊
要素その➊ システマティックアプローチ ※図解あり
例えば、私はこんな感じでアプローチを常時展開しており、
面談の制限時間、相談者との相性・リレーションの深さ、
面接回数、組織介入度など考慮しながら、
必要に応じてグルグル~グルグル~回転させています。
※時には逆回転したり、戻ったり、臨機応変に、折衷的に、何事にも捉われないことです。
一つ一つの相談事に小さい円で素早く展開して対応も出来ますし、大きな円でゆっくりと面談全体を構成する展開もあります。
私はこれまでの鍛錬によって、
無意識化でも精度高くこの円をグルグル出来るので
面談を主導することもありませんし、
相談者のペースと理解度、リレーションに合わせて
システマティックに面談構成することが可能になっています。
キャリアコンサルタントとしてあなたが考える、相談者の問題は何かについて
続いて問2について読み解いて行きましょう!
今回、受検された皆さんのケースに向き合う姿勢は評価されていますが、表「層」的と取れるような見立てが多かったようです。
※「層」で、捉えよと言っているように聞こえます
表面的ではなく、本質的な見方や深層的な見方が出来ると良いね!ということです。
また、相談者の問題と見立てを区別して記述できなかった解答も多かったようですので、「あなたが考える」相談者の問題を明確に書きたいところです。
再度よく「問題文」を読んでから、記述した内容を「疑ってかかる」のがコツです。
相談者が相談したい問題内容を書いてませんか?
理論を活用して見立てる
見立ての根拠となる理論はキャリアガイダンス6分野、感情的アプローチ、社会的学習理論、論理療法、トランジション理論、何でも良いと思いますが・・少なからず相談ケースにおいて活用する理論の適切性を配慮しておくと加点に繋がると思います。
キャリアコンサルティング面談ですからね。
そこまで理解するのは厳しい~!という方には、心理的作用(感情・認知)とキャリア(職業)上(能力・パーソナリティ)の問題、双方を見立てる記述方法をおススメしています。
※キャリア上の問題はガイダンス6分野でOKですが、自己理解・仕事理解を付けて書けば良いという意味ではありません
キャリアコンサルティングは折衷的アプローチですので、見立て方の理論は自由で良いと思いますが、一貫性のある解答で採点官が〇を付けやすい視点を意識することが望ましいと思います。
※詳しくは解答例を参考にして下さい
キャリコン論述解答例まとめ カテゴリーの記事一覧 - キャリコン試験対策講座▶1級技能士の個別レッスン
また、「事例に即して」記述しましょうと個別レッスンで指導していますが、事例に即すということは・・この論述試験が一つの生きたケース記録のように、なるほど、ケースの特性をきちんと把握しているね・・確かにその問題に気づかないと職業生活設計(キャリアプラン)に不利益だよね・・などと、相談者の個性や問題の核心を掴み、採点官側が納得感を持って〇をつけたくなる内容でなくてはいけません。
ただ今、論述試験の添削動画を作成していますので、添削事例を用いて詳細な解説もご紹介できればと思います。
目標と具体的な方策について
最後に問3について読み解いて行きましょう!
どうやら相談者の意思決定については検討できているという評価を得られた解答が多かったようです。
一緒に検討出来ているだけとも言えますが・・・その一方で、目標と方策が合致(紐づく)していないとのことです。
今回は定年という節目の相談者支援ですから「定年を迎える相談者支援はこうやればよいだろう!」という型にはめたような狭い視点で、目標設定や方策の実行支援を記述すると定型文のようになりますので、どんな事例でも当てはまるような来談者中心ではない内容になってしまいます。
あくまで事例に即して、相談者のために役立つ目標や具体的な方策を、理論的根拠に基づいて記述できると評価点も上がるはずです。
そのためには相談者の意思(will)を大切に、根源的なターゲット(欲求)の表現を支援して目標とすべきものを一緒に把握し、スモールステップと中長期的な視点で時間軸においてもケースを俯瞰的に分析できるように実力を養成して頂ければ幸いです。
また、どんな素晴らしい方策だと思っても相談者が自ら実行したいと動機づける行動計画に至らなければ意味がありません。
「方策の実行」は、システマティックアプローチの中でも中核を担うプロセスで時間もかかる場合が多いので、重要な点は、方策の内容、実行方法、条件や環境要因もクライエントによって多様性があるということを理解して適切な方策の実行を支援することです。
正にキャリアコンサルティング技能士としての力量が問われるアプローチですので、方策の実行の支援を「決定」と「実行」視点で体系的アプローチを習得しましょう!
具体的には以下のプロセスを参考にして下さい⇩
※キャリア・ライフが実施する「社外キャリアコンサルタントがセルフ・キャリアドックで生産性向上と組織課題解決を実践するための養成講習」より抜粋
興味のある方はコチラからお問い合わせ下さい➡【総合窓口】お問い合わせフォーム
このように体系的なアプローチを論述試験でしっかり記述できるようになってこそ、実技面接試験の残り数分間において、適切な方策の実行支援が少しずつ実践できるようになっていきます٩( ''ω'' )و
論述試験も実技試験になっている本当の意味を理解して合格を掴み取りましょう😄
まとめ
さて、【採点官から観た受検者傾向】キャリコン2級論述試験の加点に向けて学ぶべき要素は、いかがでしたか。
実技面接試験でも問題把握力と具体的展開力が未達の方は多いと思いますので、まずは論述試験で基礎を固めてから実技面接試験に臨んで頂ければ幸いです。
皆さんのモチベーションアップはもちろんですが、試験対策や自己研鑽に役立てて頂きたいと考え、私が個別レッスンで使用している資料も大サービスしておきます(笑)
大してお役に立たなかったら・・すいません;つД`)
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お待ちしておりますm(_ _)m
それにしても、毎回、準備万端で滞りなく検定を運営しているキャリアコンサルティング協議会にも改めて敬意と感謝を述べたいです。
これだけの人数を採点する試験官の皆様、相談者役の皆様のご苦労も多いと思いますので心からありがとうございましたと、御礼申し上げます。
私も微力ながら技能士として、キャリアコンサルタントとして、協議会の活動を応援しておりますので・・お互いに切磋琢磨しながら成長と発展できれば幸いです。
本日もお忙しいところ、お読みいただきありがとうございました。
※ブログ記事につきましては全て私の知見やノウハウに基づいた分析で、技能検定と直接的な関係はなく、必ずしも合格を保証するものではありません。
今後も試験対策講座で全力サポートしていきますのでご理解・ご了承ください。
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試験対策が必要な方は私のサイトに掲載されている過去記事を、宜しければ使ってみてください。
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