はじめに
名もなきキャリアコンサルタントこと敬天愛人です。
今回は前回の「【22回ケース⑤パート4】どのように受容され共感してほしいですか」の続編になります、どうぞご覧ください。
CL 28
そうすると自分も結構手一杯になりそうだなとか・・まだ正社員になってないので分からないし・・そういうところはちょっと大変そうだなとか、夫をサポートできるのかなという不安は感じますけど。
CC 28
その辺が不安を感じてらっしゃるところなんですね。あと変わっていくところでお金の管理というところでしたけどそういったことはいかがですか。
KA「受容・共感」
CC28「不安を感じてらっしゃるところ」という表層的な言語表現で伝え返すだけでなく、相談者の内的理解を共に感じる意識を持って伝え返し技法を使ってみてはいかがでしょうか。
簡単に言うともっと親身になって話を聞くことです。
例えば「正社員になってみないと分からないところもあるし旦那さんのサポートを考えるとシフト変更などはご不安を感じますよね」などと、受容・共感を意図した伝え返しが出来れば、相談者との関係構築を深めることや相談者の本音の部分に迫る糸口になりますし、問題の核心にたどり着くためのきっかけにもなります。
そのような流れができると相談者が自発的に自分自身の抱えている問題と向き合い、いわゆる相談者視点の問題が把握できますし、相談者視点の問題が把握できた後にはキャリアコンサルタントとして捉えた問題を相談者と共有し、問題解決へ向かって問題の共有や目標の合意が形成できるようになります。
また、その課題点を解決するための目標を設定することで、相談者の主体的な意思決定で進めていけるように維持決定支援プロセスなどで方向性や計画を立ててアクションプランに落とし込んでいくというシステマティックアプローチの意識を持つようにしましょう。
CL 29
お金の管理ですか・・・責任が増すというのがありますけど、レジ締めとかああいう感じの仕事なので仕事的にはそんなに抵抗はないですけどね。
CC 29
そうなんですね。
CL 30
責任が増すのかなとか管理だから・・そういう責任については感じますけどね。
CC 30
その責任もひっくるめて社員になるということは、今までのパートのお仕事よりはやりがいも増えていくのかなというところなんですかね。
CL 31
そうですね・・・、やりがいか・・・。社員になって求められる仕事なので、パートで長くやってきましたからね・・・スキルアップできることとか社員になれる話というのは良い話なんじゃないかなと思ってますけどね。歳も歳なので。
CC 31
あ~、年齢を重ねるごとにスキルアップしたいなという思いはご自身はお持ちだったということですかね。
CL 32
まぁ最近ですかね・・仕事に慣れてきて年齢も今49歳なんですけど、社員になると給料も上がるでしょうし、せっかく働き始めたのでスキルアップしていけるんであれば・・自分の興味ある仕事でやっていけるならいいのかなと思いましたけど。
CC 32
お仕事には慣れてきてスキルアップもできて慣れた仕事でやりがい持ってやれればなというところだったんですかね。
CL 33
そうですね。
CC 33
はい、今まで太田さんのお話を伺ってきましたけど、ご主人をサポートしたいという先ほどの話もあったかと思うんですけど、そちらに関してはご主人とお話は何かされていますか。
CL 34
サポートの方ですね、夫の方からは蕎麦屋を始めたいとこの歳で言われると・・まず大丈夫かな~と思ってしまいまして。
CC 34
大丈夫かなと。
CL 35
だってね、夫は普通の会社員なんで、ちょっと驚いたっていうのが一番ですかね。具体的にサポートしてって言われてもちょっとピンと来ないと言うか・・・
CC 35
そういう話が今までにあったわけでもなくて急にお蕎麦屋さんをやりたいという話だったんですか。
KA「受容・共感」
面談後期でも不安や悩みを訴えた場合は受容・共感をしましょう。
例えば「普通の会社員だった夫がいきなり蕎麦屋をやりたいと言ってきたらそれは驚かれますよね」と受容しましょう。
評価区分の解説でも行いましたが、技能検定HPの関係構築力の区分とその内容に「相談者に対する受容的・共感的な態度及び誠実な態度を維持しつつ・・・」と記載がある通り、常にラポール形成を意識して受容・共感とセットでアプローチしましょう。
それと・・・ここまでのロールプレイを見る限り、「現在」や「過去」の状況確認が多く、感情への応答いわゆる「感情」や「思い」に焦点を当てたり、感情の背景にある内的世界を深掘りして明確化するようなアプローチが少ないことも・・改善していくと良いと思います。
感情に焦点を当て過ぎるのも良くないですが、その逆も良くないと思います。
※一般的なカウンセリングでは1時間に2~3回ほど、感情に焦点を当てて傾聴するのが一般的と言われています。
CL 36
そうなんですよ、なんかもともとそのように思ってたらしいんですけど・・本当にやりたいということで言ってまして。
CC 36
今回は何か本気なのかなという感じを受けられたということですかね。
CL37
うん、なんかね・・夫は蕎麦を打つわけじゃないですか、お店の・・店舗の運営とかってなると人件費とかがパートさんだと掛かってしまうので、そういう意味ではレジや接客とかそういったところは手伝ってほしいという感じだったんですよね。
CC37
接客とかレジをひっくるめてということですね。
CL 38
店舗運営全般を手伝ってほしいという感じなんですよね。
CC 38
家族経営というような感じでということなんですかね。
CL 39
そうですね、そういうイメージで進めているんだと思うんですけど。
CC 39
それに関して太田さんはこんなふうに思っているよとご主人に伝えられたりはしました?
CL 40
いや、社員にならないかと打診されたことも話しましたし、仕事で蕎麦屋を始めるという見通しについてもどう考えているのっていうことは聞きましたね、いきなり言われたので。
CC 40
そうしたらどうでした?
CL 41
ちょっと見立てが甘いというか、資金面とかそういったところはちょっと不安ですよね。・・なんかしっかり考えてなさそうな感じでしたんで。
CC 41
そうだったんですね・・・将来に向けてのプランというか、どうやっていこうというところがもうちょっと明確でないと不安な部分があるということなんですかね。
CL 42
そうですよねもう50歳で退職金を使って もしお店を始めて負債なんか抱えたら目も当てられないじゃないですか。
CC 42
そうですよね。
CL 43
この先どうするのよっていう感じで路頭に迷ってしまうので・・・
CC43
ここまで太田さんのお話を伺って少し整理させて頂きたいと思うんですけど、太田さんとしては書店での正社員でのお話、そちらにも魅力は感じているし、お給料の面だったりスキルアップの面だったり、やってみたいなと思う気持ちがある一方で、ご主人のおそば屋さんをサポートしてほしいというところで、将来に関して不安材料があると感じているし、その辺がご主人とうまく話ができていないという感じなんでしょうか?
KA「意思決定支援」
今回は傾聴、特に序盤の受容・共感を意識してロールプレイ練習をしてますので、ここではそれほど詳しく触れませんが、ここまでのアプローチにおいて相談者の願望や今後どうしていきたいという話、未来であるキャリアプランや計画についての話など・・・相談者の意思や前向きな姿勢を引き出せていないと思います。
また、「路頭に迷ってしまう」のではないかという相談者に対して、キャリアコンサルタントはどのように励ましてサポートしていく基本姿勢が必要なのでしょうか。
今一度、相談者の立場に立ってどのように励ましてくれれば前向きになれるのか、どのような方向性を一緒に考えてくれたら・・路頭に迷わず計画的なキャリアプランを遂行していけるのか改めて考えてみると、支援者としての心構えや対応について内省を深めることができると思います。
CL 44
そうですねそういったところかなと思いますね・・・・
ここで15分経過、傾聴の練習は終了しました。
おわりに
次回は、「このように22回ケース⑤で受容と共感スキルアップ練習をしています」へ続きます。
本日もお忙しいところ、お読みいただきありがとうございましたm(_ _)m
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