はじめに
急に秋めいて来ましたが、皆様は如何お過ごしでしょうか、
天候不順や体調不良等にお気を付けください。
名もなきキャリアコンサルティング技能士こと敬天愛人です。
先日、キャリアコンサルティング技能検定1級ロールプレイで
使用可能なケース記録を作成した記事で皆様へ情報提供をしました。
1級キャリアコンサルティング技能検定対策講座 カテゴリーの記事一覧 - キャリア・ライフ「キャリアコンサルティング技能検定2級 試験対策講座」
そして、
第7回検定論述試験、必須問題の解答例も初めて記事にしました・・・
1級キャリアコンサルティング技能検定 論述解答例 カテゴリーの記事一覧 - キャリア・ライフ「キャリアコンサルティング技能検定2級 試験対策講座」
ついに!!
1級検定におけるロールプレイ練習の逐語録を、
記事にしていきたいと思います!!
あ、私自身のです(笑)
いや~、ロールプレイ30分+口頭試問10分という
長丁場の逐語録というのもありますが、
今回は私が2級に合格してから間もない頃に練習した逐語録になります。
そう、
恥ずかしいくらい、下手くそでございます(; ・`д・´)!!
今もそれほど大したスキルでは無いのですが、
自分で逐語録を作っていても突っ込みどころが満載で満載で(ToT)
でも逆に改善点が分かるということは、
今の自分は少なからず進歩しているのかもしれません。
しっかり逐語録を起こして自分へのフィードバックを行い、
1級検定に向けて自分自身の課題点を振り返りスキルアップしながら、
ここをご覧の皆様に役立つような情報提供をしていきたいと考えております。
多少、御見苦しい点もあるかもしれませんが、ご了承くださいm(_ _)m
1級キャリアコンサルティング技能検定体験記 カテゴリーの記事一覧 - キャリア・ライフ「キャリアコンサルティング技能検定2級 試験対策講座」
1級検定は試験対策講座など少なく、情報も多くないですし、
1級ロープレの逐語録はネット上でも拝見したことがありませんので
少しは皆様の参考になるのではないかなと思います。
特に今回の逐語録は1級の練習を初めてから一番初期のロープレです。
全体像のイメージがなんとなくつくかな~くらいで
ご覧いただければ幸いです。
CL役は鈴木さん、CC役は私(敬天愛人)でお送りします。
試験を受けない方でも相談を受けた時や
コミュニケーションなどに役立つスキルですから参考にして下さい。
では、行ってみましょ~う!!
相談事例
◆ケース1
事例相談者:キャリアコンサルタント(相談歴 2 年)
相談者 :Aさん、男性(47 歳)
【相談者が相談したこと】
品質管理部門に従事しているが、ここ数年、
仕事の領域が広がらなくなり、物足りなさを感じていた。
そんな矢先、上司から技術指導という立場で 海外赴任の打診があった。
1 ヶ月以内に返答をしなければならないが、
家庭の事情もあり受けた方がいいのか、
断った方がいいのか悩んで相談にきた。
【キャリアコンサルタントが相談したいこと】
Aさんの家庭状況とAさんが望んでいるやりが
いとは何かを丁寧に傾聴し、両立できるように関わったが、
よい助言が見つからなかった。
後日、Aさんから海外赴任を断ったと連絡があった。
相談者が納得できるような支援方法について指導を受けたい。
事例相談者(以下CLと表記)
事例指導者(以下CCと表記)
確認ポイント(以下KPと表記)
CL1
こんにちは。
CC 1
キャリアコンサルタントの敬天愛人と申します。
CL 2
鈴木と申しますよろしくお願いします。
CC 2
今日の面談の方なんですけども守秘義務の観点からですね、
お話が外に漏れることはありませんのでご安心してお話ください。
私の方なんですけども民間の派遣会社の方で仕事をしてまして、
学生なんかもガイダンスでお話を受ける機会もあるんですけども
実際にはキャリアコンサルティングの実践ですとか
あとはコンサルタントに対して事例指導の役割も担いながら
キャリアコンサルティングの教育と普及をする活動もやっておりますので
色々な分野で行っておりますので、
ご安心してお話しいただければと思います。
鈴木さん、今日のご相談の方をお伺いしてもよろしいですか。
「初期面談技法と自己紹介は手短に」
KP
まず、来談初期の関わり方として場面設定ですが、
良いところは、守秘義務の説明と・・・それくらいですかね(笑)
改善点は、最初に来談の労いが無い、これは全体を通して言えることですが、
質問するのがやっとで自分のカウンセリングに余裕が無いため、
椅子の位置の確認や相手への配慮も出来ていません。
また、守秘義務の説明だけでなく、緊急性のある場合には
例外もあり得るという説明も付け加えた方が指導者に相応しいでしょう。
自己紹介も自分で普及活動をしているというよりは、
「勉強会を主催している」とか「講演活動をしている」とか、
そういう言い回しの方が適切で良いかもしれませんね。
CL 3
はい、実はこういう風な形でケースを作ってきましたのでこれを基に。
CC 3
ケース記録を作っていただきありがとうございます。
じゃあちょっと読ませていただきながらですね、
実際に言葉で言って頂いた方が分かりやすい面もありますので
お話の方を聞かせていただければと思いますのでよろしくお願いします。
「ケース記録はお大事に」
KP
せっかくケース記録を作ってくれたのに・・・
労いや気遣いの言葉ありません( ;∀;)
これはいけません!指導者ならケース記録を作ることの大切さ、
意義などを諭しながら、これからも自己研鑽することの大切さを
きちんと説くくらいの余裕が欲しいですよね。
というわけで、事例相談者の気持ちを理解する為にも
下記の記事でケース記録を作成したのでした。
皆さんもケース記録を見たら、労いましょう。
CL 4
まず相談者は Aさんは男性で47歳です。
現在ですね、医薬品メーカーに大学を卒業されてから今年で23年目。
品質管理の部門一筋ということなんで、
仕事にはすごくやりがいを感じていることだが
最近仕事の領域が広がらないとかうまくいっていないのかなと
そんな感じのことをおっしゃっていました。
CC4
領域が広がらないと。(あいづち)
CL 5
これまでは先輩に言われた仕事を一個一個覚えながらですね、
職人みたいな形で自分の仕事には満足しているということを
おっしゃっていたんですけども、毎日の仕事がルーティン化していて
あまり仕事の幅が広がらないとかですね。
あとちょっと気になった点は会社の方針、いわゆる若返りと言いますか
今47歳なのでまだ役職定年までは少しあるんですけども、
職場の人の入れ替えですとかそういうところでちょっと
引っかかるところがあるなあとという感じはしました。
そんなことがあってモチベーションが上がっていないんだなと。
今そんな状況で海外でのお仕事技術士ご指導という打診があったそうなんです。
海外はドイツとおっしゃっていました。
やはりヨーロッパの先端なので会社の中では
ドイツ工場に行けることは名誉なことだと。
キャリアとしては工場ではあまり広がっていないし、
自分としてはいっていいのかなというのがあったみたいなんですよね。
やはりを語学が得意じゃないなと、
加えてご家族の方がにも問題がありそうなんですよね。
と言いますのが両親と奥さんとその二人と同居してるらしいんですけども、
47歳ということなのでご両親もすでに70後半を迎えていて、
そんなに介護が必要ということでもないんですけども 、
お父様がおこりっぽいですとか機嫌が悪かったりですとか
そういうのはおっしゃってました。
あとお子さんは大学生と高校生ということなので、
ちょうど高校生って難しい時期じゃないですか、
そんな中父親の存在がなくなって家族をほったらかして
単身赴任というのは無理なのかなというのはおっしゃっていましたね。
そんなことを聞きながら私としてはですね、
今の職場での状況を考えると今回、海外ドイツでのキャリアは
プラスになるのではないかとそっちを勇気づけて
前向きにドイツに行くという選択をするためにどんなアドバイスがいいのか、
そんな風に進めてみたんですね。
ですが一週間後に再度来談の約束をしたんですけども、
この面接が終わって三日後にですね、
やっぱり海外に行くのをやめますという電話が入って
自分自身としてももっと良いアドバイスが出来なかったのかな~と、
そんなところを今日は悩んで相談に来た次第です。
~約6分経過~
CC 5
簡単に要約させていただきますと、
A さん47歳ということで薬品のメーカーに勤めていて、
それなりに満足して仕事を続けてきたんですけども
技術を習得してルーティン化しているんですね仕事も、
モチベーションが上がらない。
しかも若返りで入れ替わってきているということで、
そういった転機もありつつ職域も広がらないこともあって
物足りなさを感じていると。
そんな時に海外赴任ドイツの工場ですか、
ドイツ工場に打診があったんですかね。
名誉なことということで喜ばしいことなんだけども、
ちょっと語学が得意でないのとご家族に問題があるということで
ちょっと悩んでいらっしゃるんですね。
チャンスと思っているということなんですけども、
お子さんがまだ大学生と高校生ということで
自分がいなくなることへの不安ということと、
後はご両親ですね70代後半でいらっしゃるので怒りっぽいですとか
機嫌が悪いということで、奥様にも負担がかかるイメージなんですかね。
そういった事情を顧みないで赴任していいのかどうか、
というところでご相談を受けたんですね。
鈴木さんとしてはキャリアのプラスになると、
海外赴任の方をプラスに捉えて勧めたと言うかアドバイスをして
勇気づけたということなんですけども次のご相談に来なかったということで
そういう連絡が来たということなんですね。
ではそのようなご相談ということでよろしいですかね。
「事例相談者は何のために来談したのか、事例指導とは何か」
KP
まず、主訴の要約自体は悪くないのですが、
簡単に要約という言葉も適切ではないし要約も長すぎます。
まず、事例相談者は大変な面談だったので悩んできているわけだから、
普段の面談と比べて難しかったわけでしょう。
そこに寄り添うべきで、事例指導なのだから、
相談に来たAさん情報に焦点を当てるのではなく、
事例相談者の鈴木さんがどういう面談をしたのか、
そちらをもっともっとフォーカスする必要を感じますね。
CL 6
はい、そうなんです。
CC6
鈴木さんとしては
ご連絡がこなかったということに関してどう思われますか。
CL 7
連絡が海外赴任がやめますという連絡が来たんです。
CC 7
あ、連絡が来た事に関してすいませんどう思いますか。
「言語追跡と謝罪」
KP
はい、言語追跡が出来ていませんね。
きちんと正確に伝え返したり、要約しないとラポールも崩れます。
それと、間違ったら「失礼しました」ときちんと謝罪すべきですね。
CL 8
はい、本当は来ていただいた時に語学などを
こういう短期間で学校がありますよとか、
ドイツ語ではなくても英語は得意とお聞きしていたので
英語でも十分大丈夫ですよとそんな事を
色々アドバイスしようと思って準備をしていたんですよ。
CC 8
語学に関してのアドバイスですよね。
「指導者のラポール形成」
KP
ここも淡泊な繰り返し技法ですね~、
「鈴木さんはAさんの為を思って準備されていたのに、
お断りのご連絡があったと・・・落ち込まれたりとか大丈夫ですか?」
とか、指導者はこういう優しい配慮が出来ないとですよね~( ;∀;)
冒頭から突っ込みどころ多すぎて嫌になってきました(悲笑)
CL 9
そこは今のキャリアを考えると
語学なんかはそんなにたいしたことないですよ、
半年もすれば普通に喋れるようになりますよというような
アドバイスをしようと思ったんですけども。
CC 9
あの~鈴木さんとしては次のご相談がお断りされたことに関して、
どうして断られてしまったとお考えですかね。
「事例相談者の対応に問題が無いかを確認する質問を」
KP
まあ、2級の延長線上で感情への応答から深掘りに入るのは、
分からなくはない!!しかし、これはAさんの問題解決ではないのだから
ここでしたアドバイスが適切なのかどうか、
キャリアコンサルタントとしての対応としてどうなのかを聞く、
そういう意図的な質問の方が効果的なはずです。
そもそも面談経過からすると、ドイツに行く前提で話を進めていますが、
キャリアへのプラスになるというのはAさんが望んだことなのか、
CL視点の問題把握が出来ているのか事例相談者の対応に
気付きを促すアプローチをしないといけませんよね。
~約10分経過~
CL 10
それが自分でうまくはやったつもりなんですけども、
もう一度くらいは相談してもらってその結果彼が
やめますならまだ納得できるんですけども、
それもないままいきなり海外の事を断りましたという
電話がきたということは自分自身でも
カウンセリングがうまくいかなかったのかなと捉えてるんですけどね。
CC10
以前にもそういったご経験と言うかうまくいかなかった、
連絡が来て断られてしまったりですとかそういったご経験というのは。
CL 11
それは正直、過去にも何度か経験はあります。
CC 11
非常に鈴木さんはご丁寧に傾聴されて
A さんの気持ちも聞いてますし、
チャンスを活かして前向きなアドバイスをされているんですけども。
その中で以前もあったということなんですけども、
カウンセリングが次に繋がらなかったということがあったということで、
その辺はご自身としてはどういう分析をされてるんでしょうか。
CL 12
そうですね、その人のためになるにはどうしようという、
こんなことを言ってあげればいいんじゃないかとか、
この人の将来のためにはこうすべきだとかそういう風な形で
こちらの思い出はあるんですけども一般的にこういう風にした方が
いいんじゃないですかねと、
そういうアドバイスは心がけようにしているんですけども。
CC 12
一般的なアドバイスを心がけているということなんですね。
「一般的なアドバイスとは?」
KP
ここは普段キャリアコンサルティンを聞く上で大切なポイントです。
事例相談者がの一般的なアドバイスとは何か、
しっかり深掘りした方が良いですね。
相談者を思う気持ちは承認しましょう。
CL 13
お金を払っていただいて気持ちを聞いてもらって返すと言っても
逆の立場だとしたらこんなに大金を払ってそうですか~はいはいと
聞いてもらっても・・・そんな気持ちがありましたね。
逆の立場だったらこうだろうって、
過剰サービスかもしれませんけどそう考えています。
CC 13
そうすると鈴木さんとしては具体的なアドバイスを
なかなかできていないということは思われるわけですか。
CL 14
普段は逆にいますと具体的に極力わかりやすく言うように
アドバイスをしています。
今回も海外に行こうかどうか迷っている、
海外に行くことによって今の現状を打開出来て、
マンネリ化してるとおっしゃっていたし、
本人も海外のことをチャンスと思っているんだったら、
これは行けるようにその方策を考えませんかと
こんな風な提案をしてるんですよね。
CC 14
今回は具体的にされていたわけですよね。
CL 15
そうですね本人も海外に行くことは悪いことじゃないと思っていたし、
分かっているわけですから行ける方を一緒に考えませんかと提案したんですね。
CC 15
なるほど、そういうことなんですね。
そうしますとその具体的なアドバイスをされたことが、
今回 A さんの方が目標設定と同意が
うまくできなかったのかもしれないんですけども、
例えば A さんとの目標への共有ですとか合意はできたんですか。
CL 16
いや、そこはどうでしょうね・・・
ご本人も言った方がいいよねとは言ってたので、
こちらとしても行くんですねという感じで進めてしまいました。
CC 16
なるほどご本人として A さんはどうしたいんですかと、
そこからお聞きして信頼関係ができた上で
目標設定までは行ってなかったということなんですか。
CL 17
信頼関係ができていたかどうかはちょっとわからないんですけども、
ただご本人も今回の話、海外の話というのは
名誉なことでいいという発言はありましたから、
迷わずに行けばいいんじゃないですかという風に
私は受け取ったんですけども。
CC 17
なるほど、ご本人としては前向きに捉えていて、
行きたいという声はあったということなんですか。
CL 18
ご本人が23年間医薬品の製造工程で、
その今までの経験がですね、海外に自分が行って教えることで
会社にも役に立つし自分の今のマンネリ化した環境も変わって、
そこまでおっしゃっているので、
だったら迷うことはないじゃないですかと。
一方で家族の問題があったので、
じゃあ家族の同意とか家族に説明して
家族の協力を得ていけるんじゃないですかと
そんなふうに組み立てた訳なんですよね。
CC 18
なるほど、今言われた一方で家族の問題があったということで、
A さんの方がそこでアクションを起こせなかったというのもあるんですかね。
~約15分経過~
CL 19
本当は次の面談に来ていただいたら、
そういうのもじっくり聞こうかなと思っていたんですけども、
今回、三日後の電話で断りましたと言われて切られてしまったので、
自分の中でええ~なんで、みたいな形なんですけどね。
でもそういうことが起きたということが
先ほどおっしゃっていたクライアントととの信頼関係が
十分構築できたかどうかという風に言われたら
今となってはどうだったかなーという感じはありますね。
CC 19
そうですね、今回どうして切られてしまったかということが
ご相談だったんですけども、今鈴木さんとしては何が解決したら
一番いい展開になるんですかね。
「信頼関係が出来たかどうか?」
KP
相談者との信頼関係が出来ているかどうか分からないということは・・・
何がどう出来ていないのかが分からないのかもしれません。
皆さんは分かりますか?
システマティックアプローチで振り返り、
気付きを促して事例相談者の気付いていない問題点を明らかにしましょう。
CL 20
今回は行くという方法でアドバイスをして、
結局行かないという風に決断されたんですけども、
客観的に見れば行った方がいいというのは誰の目にも明らかじゃないですか。
でもそれが実際は違ったという、
どこに行かないという選択肢になった理由があったのか、私が悪かったのか、
私がやったことによって行かないという選択肢になったのか、
これがクライアントさんにとってよかったのか悪かったのか
はっきりしないので、明確になれば自分の気持ちも落ち着くんですけども。
CC 20
そうですね、う~ん・・・。(ここで詰まって1分程悩む)
では Aさんの方が仕事の領域が広がらなかったということで、
物足りなさを感じていたということで、
その辺に関しては鈴木さんは確認されたりはされたんですかね。
CL 21
自分自身も五十代で近いところがあって、
同じように若返りとか定年とか自分自身もすごく気持ちがわかったんですよ。
なのでそんなところで、不安な気持ち、自分の後輩が
自分の上司に来るかもしれない、
そういうところでギクシャクするのであれば、
思い切って海外に行って、一から、ましてや日本のメーカーから
向こうの現地工場に行きますから、立場上は技術指導ですから、
当然上に立てますよね。
そうなるとまた違うマネジメントですとか
できるんじゃないかと思うんですよね。
この方は今のお仕事を満足してるとおっしゃってるんですけども、
自分で自ら動いているという感じを受けなかったんですよ。
言われたことをきちんとやるという意味では
ミスなくこなされていたかもしれないんですけども、
自分からもっとやろうというタイプには見えなかったんですよね。
そんなのを感じたので海外に行かれた方がどうですかと
そんなふうに持って行っちゃったのかもしれませんね。
CC 21
そうなると物足りなさを感じていた面が、鈴木さん自身も共感されて。
「事例相談者(キャリコン)の価値観で?」
KP
そんなふうに持って行っちゃったのかもしれませんね。
相談者に自らの価値観を押し付けてしまった、
事例相談者が自らのキャリアコンサルティングについて
気付きが出てきましたね。
ここは、もっと事例指導者らしいアプローチをしてほしいところ。
~約20分経過~
CL22
共感しすぎたというか。
CC 22
そういう思いもちょっとあるということなんですね。
CL23
もう少しそこを丁寧に聞いて状況を確認して、
気持ち的には海外の方がいいとおっしゃってますけども、
今から思えば、行きたくもなかったけども行った方が楽に見えたと、
隣の芝生が青いじゃないですけども
そんなふうに感じていられたのかもとは、
今、お話をしていて感じました。
CC 23
そういう意味では A さんの職業理解と言うか
自己理解の面をもう少し指摘してあげて、
職場での自分の立ち位置と言うかそういう面を
確認してはおけばよかったということですか。
CL 24
その後、家族の話を聞いていて、
家族の話をする時に遠慮してるような。
子供が男の子二人でやんちゃであるとか、
あまり話を振っても乗ってこられなかったんですよね。
CC 24
その辺のご家族への相談ですとか同僚ですとか、
そういったようなお話はされたんですか。
CL 25
いや~、そこもちょっと確認はできていなかったんですよね。
CC 25
そうするとご家族の方の理解ですとか、
お子さんの詳しい状況ですとか、
ご両親が怒りっぽいということだったんですけども、
それに対して何でそうなのかということを
ご確認された方が気づきを得られたかなとは思うんですけども。
CL 26
そうですね、70後半ですから認知症とかで家族に対して
感情というよりも病気的なんだったのかもしれませんね。
CC 26
そうですね、そういったところもツッコミづらいところと言うか
実際にそういう経験がある方ですと
共感してきてしまうところもあるかと思いますので。
共感に関してお聞きしていると、強くしてしまうですとか、
そういったところもあるのかなという風に受け取ったんですけども、
その辺については鈴木さんご自身はどのようにお考えですかね。
CL 27
カウンセラーの基本は共感という風に言われているので、
そのクライアントの人がどんな気持ちなのか
深く知ろうという癖があるのかもしれません。
CC 27
その辺は普段のカウンセリングでもありますか。
「カウンセラーの基本は共感」
KP
カウンセラーの基本の共感、共感とは何か?
共感は何のためにするのか、こういうことを聞くこと、
そして、知っていて分かりやすく伝える事が出来ないとですね。
CL 28
そうですね、どちらかと言うと感情が知りたいがために
その客観的な事実、今回ですとドイツ工場のどんな位置付け何ですかとか、
今の職場よりもそっちの方が明るい未来があるんですよねとか、
そんな風に自分の思いで質問していたかもしれませんね。
CC 28
そうするとその思いが
A さんにとってどうだったかっていうのはどうですか。
CL 29
A さん自ら選択してもらったのは事実なんですけども、
自分が選択に良い影響を与えて、その影響というのが
ドイツに行くということであればいいなと
思い込んでいたのかもしれませんね。
CC 29
そうすると今回ご相談いただいた中で、
鈴木さんの方が少し悩んでいるということで
次回の相談ができなかったことに関してですね。
鈴木さん自身が思いの強さですとか、
共感しすぎてしまうとかそういったところを
改善していくと言うか目標として考えて行く形でいかがですかね。
CL30
そうですね、はい。
CC 30
そうしましたら具体的にどう展開していくかというのを
一緒に考えて行きたいんですけども、
その想いの強さですとか共感の面が強すぎるというお考えなんですけども、
その辺に関してはどんな風に改善すると言うか
スキルアップが必要かと思われますかね。
~約25分経過~
CL31
正直、自分自身、共感力は皆さん高めきゃいけないと言われている中、
自分は共感すること自体が悪いとは感じないんですよ。
ただ共感はするんだけども自分の感情や思いをぶつけるんではなくて、
共感はするんですけども冷静にちゃんとクライアントと向き合える、
熱い気持ちはあるんですけども冷めた客観的な面接を見る力、
その力をつけたいなと思うんですよね。
CC 31
ご自身を客観的に見る力というか、
客観力と言うかそういうところですね。
そういった客観力を身につける物って何か思当たりますか。
「共感的理解とは?」
KP
2級の試験対策でも共感することは、教科書的に言うと
ロジャーズ氏の共感的理解を引き合いに出して説明するのですが、
共感とはお互いの独自性を認識してから共に感じることです。
相手の話を聞いて、ああした方がいいとかこうしたらというCCの感情は、
CLと同一化してしまっているかのような主観的な物事の見方です。
相手の思いをあるがままに理解し、
受け止めることが出来ていないCC視点の欠如の可能性がありますね。
また、価値判断してアドバイスしているのであれば、
価値判断することなく中立的であることという、
ロジャーズ氏の無条件の肯定的関心(配慮)からも逸れている気がします。
こういった理論を事例相談者がどのように認識し、
カウンセリングスキルとして解釈しているのか、
ケース相談を基に解明しながら、適切なアドバイスを送ることが
1級検定では求められますし、スーパービジョンのスキルに繋がると思います。
CL 32
場数でしょうかね、人のロールプレイを見せてもらうとか。
よく勉強会でも人のは分かるけど
自分のはなかなか見えないとおっしゃるので、
そういうところにできるだけ参加するとか。
CC 32
例えばスーパービジョンですとか、
事例検討のグループワークですとか。
CL 33
カウンセラーを目指している人の勉強会を主催して、
400人ぐらいの人と繋がってるので
できるだけそういう人と情報交換するとかはできるかもしれません。
CC 33
そうすると確かに客観性も身につきますので、
スキルアップに繋がると思いますので
今後もですね、続けていただければと思うんですけども。
他にはどうですか気になるところとかありますか。
CL 34
まだ経験が2年しかないんですけども、
これが5年経てば少しは違うようになるのかなとか、
経験をいくら積んでも技術というのはなかなかつかないのか、
じゃあ実際に技術を身につけるのは
どうやったらいいのかちょっとどうしようかと感じますね。
CC 34
技術的にこういった技術というのはありますか、
こういった技術を身につけたいとか。
CL 35
やっぱりカウンセラーの基本的な態度ですかね。
自己一致とか皆さんとかよく言いますけど
1番これができないというふうにおっしゃってますので、
自己一致しすぎるとさっき言ったように
自分よがりなカウンセリングなっちゃうとか
ジレンマがすごくあるなと思っているんです。
CC 35
そうすると自己一致が強すぎると言うか、
ならないためにどうすればいいかってのを考えてます?
「カウンセラーの自己一致は難しい?」
KP
ロジャーズ氏が提唱する「自己一致」ですが、
クライエントに対して純粋でありのままであることを言いますよね。
その一方で、例えば痩せているクライエントが、
「悩み過ぎて食事を食べ過ぎて、太って困ります」
と、相談に来たとしたら、純粋に貴方は、
「いやいや、めっちゃ痩せてるしガリガリやん」
とは、言いませんよね、というか言ってはいけません(笑)
ですから、素直な表現をしようとしてクライエントを傷つけるのは、
カウンセリング関係を良好に保つためにもNGだと思うのです。
そう、自分の感情や内面の葛藤を思いつくまま、
浮かぶままに言葉にしたり、 態度に表す、
それは自己一致しているということではなく、
単に衝動的に、思うがままに振る舞っているのではないでしょうか。
では、どうするか。
「いやいや、めっちゃ痩せてるしガリガリやん」
という風にそのまま自分の中で認識すること、
自分が相手のことを「本当は痩せているだろう」と
認識したり、思ってしまうこと自体をきちんと認めることです。
そして、「いやいや、めっちゃ痩せてるしガリガリやん」と思う事を、
表面に出すか出さないか、 相手に伝えるか伝えないかは、
その時々の状況判断に委ねますが、相手への配慮から、
ここはあえてハッキリ伝えずにおこうか、とか、
あるいは、伝えるにしても、その伝え方を工夫することも出来ます。
重要なのは相手がどうこうではなく、自分の心に起きている気持ち、
心の揺らぎを客観的に認識する事だと思います。
「いやいや、めっちゃ痩せてるしガリガリやん」という
ブレない嘘のない気持ちを。
否定的・肯定的であろうと、正邪の判断基準であろうと、
その葛藤をまずは一度、ありのまま受容する事が大切だと
ロジャーズ氏は言っている気がします。
「まずは起きたことを起きたまま、俯瞰的に眺めてみましょう」
このくらいの余裕がカウンセラーには欲しいですね!と、
気持ち良くアドバイス出来ると格好良いかもしれません。
これなら、貴方が感じていることや考えていること、
そしてその言動や態度が一貫性を保ち、矛盾が少なると思いますし、
自己一致が高まれば共感的理解も高まりますよ!
※分かりやすい表現をするため、痩せているという表現を多用しましたが、
気分を害された方にはお詫び申し上げますm(_ _)m
CL 36
そこはいま自分自身でもわからない、
それが知りたくて色々な所に聞いているそんな感じですかね。
CC 36
他の先輩のカウンセラーの方や同僚の方ですとか、
そういった方のご意見とか客観的に見てもらったりとかもあるんですか。
CL 37
それは結構指導をしてもらったりしますね。
CC37
その中で参考になった意見ですとか。
CL 38
参考になったのもありますし、
どうかなあというのもありますし。
CC 38
なるほど、その中で参考になった意見というのはどんなものがありますか。
CL 39
やっぱり自分が思っていることを私ならこういうふうに聞いてみるよとか。
目の前でロープレをやってその直後に私ならこんな聞き方をするとか、
実際に見せてもらうというか、これがあるとすごく腑に落ちますよね。
こんな聞き方があるんだとか、
同じような面談をしていてもこういう質問、私ならこうやるよとか、
そういうところを指摘してもらえるようなそんな先生に付きたいですね。
CC 39
そういう先生は具体的にいらっしゃるんですか。
CL 40
ええ、何人か。
CC 40
そうしましたら今回のカウンセリングの件も含めてスキルアップですとか、
今後のカウンセラーとしての基本的な技術を身につける為に、
続けて指導を受けられるような形が良いと思うんですけども。
後はどうですか何かありますか。
CL 41
そうですね、スーパービジョンを皆さん受けているんですけども。
皆さんスーパービジョンを受けて成長されていると思うんですけども、
実際にスーパー ビジョンをされている立場として
ここをもっとこうすればいいなぁみたいなのはありますか。
CC 41
そうですね、今、鈴木さんの話を聞いていて
共感をしすぎてしまう点ですとか、
自己一致ができなくて思いが強くなってしまうということなので、
客観性や冷静さを持って、自分の思いというよりは相談者の
主体的な考えを引き出すようなアプローチが良いかと思いますので、
客観性を持った意見をということで・・・
ピピピピピ・・・。
ここで時間切れとなりました。
ここから、口頭試問です。
試験官(以下SIKと表記)
キャリアコンサルタント(以下CCと表記)
SIK1
今回のロールプレイでうまくできたところと
いかなかったところはどこですか
CC1
はい、うまくいったところは相談者の感情ですとか
思いに焦点を当てて傾聴をできましたので
関係構築の方ができたと思います。
ただ一方でうまくいかなかったところというのが、
実際に CL 視点でのCCの気づきと言うか・・・
CLに対しての CC 視点のアドバイスと言うか具体的な指摘ですとか、
CL が気づいていないCC視点での深掘りと言うか
アドバイスができなかったところがうまくいかなかったと思います。
SIK 2
事例相談者が訴えた問題は何ですか、指導者の視点で捉えた問題は何ですか。
CC 2
事例相談者の訴えた問題点というのは、傾聴の方ですね。
CLに対しての傾聴はしっかりできたということなんですけども、
ご自身の思いですとか、自己一致がちょっとできていないということで
思い込みが少しあったので、それを主導的に進めてしまって
CL 視点での適切なアドバイスができていなかったということで
ちょっと客観性がなかったということもおっしゃっていましたので、
そういったところを問題に感じていたのかなと思います。
CC 視点でアドバイスをした時にですね、
客観性にご自身がかけていて客観性の所でアドバイスが
できていなかったというところと、
後は海外赴任をチャンスと捉えたというところで
ご自身の立場と共感しすぎてしまったのかもしれないんですが、
そちらに転籍した方がいいんじゃないかという思いが
強すぎたというところで最後の次回の相談まで
行けなかったというのが問題だったと思います。
SIK3
解決するための目標設定をどこに置きましたか。
CC 3
え~、 CL 視点というよりは CCの最後の視点の方に
なってしまったんですけども、客観的な視点、
やはり自己一致ができないというところは、
後は共感しすぎて思いが強過ぎてしまったということでしたので、
そこを解消するために今後のカウンセリングに
どう役立ててどうしていけばいいのかというところを
目標にして共有しようとしました。
SIK4
はい、目標設定をどのように共有しましたか。
CC 4
はい、思い込みですとか自己一致というキーワードが出ましたので、
その価値観に基づいて CL に対して押し付けるじゃないですけど、
自己一致して発言できるようにですとか、
共感しすぎないようにと言うことをするために
どういうスキルアップが必要かと言うことを目標にして共有しました。
SIK5
どのような指導方法を立てましたか。
CC 5
はい、そうですね・・・
問題に対してスーパービジョンを受けるということですとか、
そう言った指導者の方の集まりですとか、
講座の方にもお知り合いがいるということでしたので
そこでスーパービジョンを受けながら
スキルアップをしていくということでアドバイスをしました。
SIK6
実施できなかった指導方策は何ですか。
CC 6
そうですね、はい、実際に自己一致できなかったですとか、
その共感し過ぎて思いを押し付けてしまったというところで、
それに対してどう解消していくかという具体的な指導方策というのは
できなかったかなと思います。
SIK7
それでは今回のロールプレイを通して自分の何に気がつきましたか。
CC 7
そうですね、 C L に対してCCのアドバイスですね、
後は CC が CLに対しての気づきを促す、
例えば今回で言えば自分の会社の中で物足りなさを感じていたですとか、
こういった部署の入れ替え、社内の人間関係ですとか
実際の仕事へのモチベーションの面の確認をCCがしていなかった時に
私自身が気づいていなくて、指摘ができなかったところですとか
家族の相談の話を CL 視点で言っていたんですが、
CC としてそういったところへの気づきを促すところに対して
私がアドバイスをしなければいけないので、そういった点ですね。
それとキャリア理論で言えば自己一致ですとか、
そういったところの悩みに対してのアドバイスというのが
適切にキャリア理論を用いてできなかったので、
そういったところの知識に関しても不足していたかなと思います。
SIK8
自分に足りなかったスキルについて、今後どのように研鑽していきますか。
CC 8
はい、より深いキャリア理論への理解ですとか、
その具体的な事例に合わせて自由にキャリア理論を使用していけるような
スキルが必要になると思いますので、今まで以上に
スーパービジョンを受けたりですとか、
一級技能士会の講座を受けたりですとか、
普段の業務の中でもそういったキャリア理論をしっかり意識した
相談というか業務をしていくことで自己研鑽をしていきたいと思います。
SIK9
はい、ありがとうございました。
CC 9
ありがとうございました。
おわりに
さて、
第6回キャリコン1級検定
実技面接ロープレ逐語録ケース①&口頭試問ver1総集編のまとめです。
いや~長い!!
逐語録に起こすのが本当に大変でした。
これは私が練習で実施した実施したロールプレイ逐語録ですが、
皆さんから見て如何でしょうか?
2級取得後、数カ月後に実施したロールプレイ練習内容です。
逐語録を作りながら自分のグダグダぶりが恥ずかしすぎて、
情けな過ぎて笑えたのですが、本当に初めてのロープレという
リアリティーは伝わりそうなので記事にしました。
突っ込みどころ多すぎて、確認ポイントも少し大目に見てます(笑)
実はこの後、時間がなくてロールプレイを一度も、全く練習せずに
第7回キャリアコンサルティング技能検定1級を受検した結果がこちらです!
※結果通知書で評価点も見れますよ!
はい、見事に散ってますね~(; ・`д・´)
さっき記事を少し見直しましたが、きちんと振り返りも出来てますし、
うんうん、次こそ頑張ろうという気持ちがメキメキ湧いてきます。
去年は実技の練習と勉強が約9時間しか出来ていませんでしたから、
今年はかなりイイ線行くのではと思い込んで頑張りますよ~!!
1級検定の実技面接は3ケースありますので、どの相談者役が来ても
しっかりとキャリアコンサルティング&事例指導が出来るように
スキルやプロセスの最終確認をしながら練習して行きたいですね。
受講生の皆様に指導をさせて頂く機会をもらっているからこそ、
私の指導力も順調にレベルアップしていると実感しております。
2級検定が不合格で落ち込んでいる方もいらっしゃると思いますが、
しっかり落ち込んで鬱憤をため込んでから、
目一杯吐き出して未来を切り開く力に変えてしまいましょう!!
貴方が変われば世界は変わります。
本日もお忙しいところ、
お読みいただきありがとうございましたm(_ _)m
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