はじめに
名もなきキャリアコンサルタントこと敬天愛人です。
今回は前回の記事の受容と共感のやり方と相づちの打ち方/19回2級ロープレ5ver.4前編の続編になります、どうぞご覧ください。
CL11
さきほど言った見積書もそうですけど、あとは顧客リストの管理ですとか、受発注があれば伝票の処理とか売掛・買掛の処理を専用のソフトでやったりはしてましたね(うんうん)基本的にはPC使ってましたね。
CC11
事務処理とかも見積書とか伝票とかPCも使ってられた。
CL12
ああ、そうですね普通には使えると思います(うんうん)
CC12
普通にはとおっしゃいましたけど、どうなんでしょうかパソコンを使ったお仕事っていうのもご自身やってみたいというか?
CL13
そうですね、パソコンを使うのは好きですね。
入力も好きですし、スキル面では関数や表を作ったりとか(うんうん)そういったものも出来ると気持ちがいいというか、分析とかも好きですね。
楽しいと思います。
CC13
パソコン面でも色々、関数とかを使って、かなりスキル的に凄いじゃないですか。
CL14
まあ徐々にですけどね、出来るようになったという(うん)そんな凄い関数は使えないですけどね。
CC14
そういう面でも営業のサポートとして役に立たれてということなんでしょうね。
CL15
自分のスキルアップに繋がっているというか、自分のやりたいことなのかなと思ってましたので、楽しかったなと思いますね。
CC15
そうなんですね、楽しいとまで思えるということで(そうですね、やりがいもあったんで)あ~そうですか。
営業の方のサポートとして自分のスキルアップにも努力されてきたんですよね~。
10分経過
CL16
そんなに嫌だとかそういうのもなく、自然と頑張ってやっているうちに付いたというか(う~ん)そんな感じですね。
CC16
なんか営業の方から感謝されたとか、役に立つことと仰ったので、そういったエピソードとかっていうのは何かありますか。
CL17
そうですね、何か大きいっていうのは無いんですけど(う~ん)まあソツなくというかミスなくやってくれるということで、しっかりやってくれているという評価は頂いてましたね(うんうんうん)上司の方もそういったところは頑張っているなというか、一定の評価は頂いてたと思うんですけど。
CC17
あ~、そうなんですね。
ヨシダさんの頑張りが周りの方の評価とか役に立つということに繋がってたということなんですね。
CL18
そうですね、やっぱりサポートなんで私がミスしてしまうと元も子もないというか(うんうん)
CC18
事務処理的なこともパソコンを使って結構上達してこなしてられたんですけど、人のサポートという面でのお気持ち面ではどうでしたか?
CL19
ん~、やっぱり役に立っているというか、サポートする仕事っていうのは私自身がこう世話焼きじゃないですけど(うんうん)そういったところもあるので・・・目配りというか、する方なんで、そういう意味でも合ってたんですかね?
CC19
そうなんですね~、世話焼きとおっしゃいましたけど、そういうようなお心遣いをね(はい(笑))そういう面でも周りの方とか会社とかに貢献されて頑張ってこられたんですよね。
CL20
そうですね。
CC20
そういう風な思いで今回、再就職をもう一度ああいうやりがいのある仕事で、というようなお気持ちなんでしょうかね。
抽象的な表現では具体性が乏しく深掘りが展開出来ません
KA
全体的に気になっているのですが、「ああいう」「そういう」という抽象的で省略しているような表現が少し気になりますね。
CLは「ああいう」「そういう」ことが自分でもよく分からないから相談に来ていると思うんです。
ヨシダさんは何をしてきてどんな能力を育んできたのか、どんな強みを持ち、どのような仕事にやりがいを感じているのかを深掘りしているのであれば、尚更、具体的な言語表現を展開して、直接言ってあげて気付きを促す必要性を感じます。
その気付きがCLの主体性や自己変容を導くはずです。
検定でのCL役は何も知らない状態、分からない状態で来談しているくらいの心構えの方が、知っているだろうとか、それくらい分かるだろうという我々の思い込みを捨てられるので良いのかもしれません。
それと、感情への応答で気持ちを聞くことは大切なのですが、再就職でやりがいのある仕事に就くために、キャリコンとして職業適性やマッチング的な要素の問題把握をすること、具体的にどのようにやりがいのある仕事を探していくのかを専門家としての方向性を踏まえてCLと一緒に考えていってほしいです。
CL21
やりがいのある仕事を出来ればなと思っているんですけど。
以前、仕事と育児が両立っていうのが上手く行かなかったので、そういった面でそういう仕事に就けるのかなとか、そういう仕事をまたやりたいんですけどまた不本意で辞めたくないなとか。そこが心配。
CC21
ああ、そうなんですね、それが心配。
不本意ながらも辞められたっていうことなんですけれども、不本意ながらっていうお気持ちはもう少し詳しくお伺いできますか?
CL22
やっぱり辞めたくなかったのに辞めざるを得なくなっちゃったというか。
CC22
辞めたくなかった。
CL23
う~ん、やりがいもあったし楽しかったので。
CC23
う~ん、楽しかったしやりがいもあったしということで、そこでどうして辞めなくてはいけなくなったんでしょうか。
受容・共感が弱いのでラポール形成出来ていない
KA
不本意で辞めたくなかったのに辞めざるを得なくなっちゃったと、辛い感情を吐露しているのですが・・・寄り添えてますかね?
それと、CL21で「仕事と育児が両立っていうのが上手く行かなかったので、そういった面でそういう仕事に就けるのかなとか」と相談者が言っているのですが、CC23の「どうして辞めなくてはいけなくなったんでしょうか」は言語追跡的にも問題があるのではないでしょうか。
面談初期もラポール形成は大切ですが、中盤から後半も常に意識することです。
CL24
はぁ~どうしてなんですかね。
まあ仕事と育児がバランス取れなかったと思うんですよね。
CC24
育児の方はどんな状況だったんですか
CL25
育児の方は今小学生になりましたけど、途中までは保育園に一回預けて、預けるのに手間取ったというのもありますし、預けてからも体調不良で呼び出しも多かったりとか。朝とかもバタバタしちゃうし、自分自身としてもちょっと疲れちゃったなというか・・・そういうのがありましたかね。
CC25
そうですね、体調不良とか呼び出しとか、ご自身も疲れていたということなんですね。
「シュロスバーグ氏の4S点検」
KA
それだけ大変な状況ということなのですから、伝え返しするだけでなく、なんでこの相談者はこういった状況に陥ったのかを心配(受容・共感)して確認しなくてはいけませんよね。
CC視点では相談者が気付いていない問題、そういった転機や困難に見舞われた自己の原因や状況を点検する事で、乗り越えていくきっかけを作り、相談者と問題を共有して目標に向かって行きたいところだと思います。
そのための言葉、問いかけを活用しましょう。
CL26
疲れちゃいましたね(沈黙5秒)
CC26
それに対して辞めたくなかったけど辞めざるを得ないっていう風になっちゃったのは、どうだったからとか、今振り返ってどう思われますか?
CL27
ええ~、そうですね・・・。
その時はもう辞めるしかないかなと、自分もいっぱいいっぱいになっちゃったんで(うんうん)そういう気持ちでしたね。
CC27
ご自身もいっぱいいっぱいになっちゃったということなんですね。
それは辞めたくないお気持ちでどうしてたら、続けられたかなとか、今振り返ってみてどうですか?
質問がループした原因と「真の問題把握」
KA
CCとしての質問の意図、 CLからすると同じようなことを聞かれている印象を受けるはずです。
なぜこういう構成になってしまうかというと、まず、「仕事と育児のバランスが取れなかったから不本意ながら辞めた」と言っているので、それを振り返ってみてどう思うか聞いても、CLからすれば答えと質問の視点が同じなので答えも代わり映えしません。
ここでは、どうしてバランスが取れなかったのか、どうしていっぱいいっぱいになったのかがCLの視点からでは分からないことが問題なんです。
ですから不本意で辞めた理由や感情を聞くのではなく、バランスが取れなかった要因やいっぱいいっぱいになってしまった経緯を客観的なCC視点で確認するのです。
例えばCL25で育児と家事の状況についてヒントが出ていまして、「保育園に預けて」とか「バタバタする」などと言っています。
ということは、家事と育児が始まった転機において、CLの勤務状況の変化や心理的な作用がどのように仕事に影響したのか、そもそも、それが根本原因で辞めざるを得なくなったのか自己と状況を確認しないと、相談者が抱えている問題が分かりません。
時間的になのか、精神的になのか、誰のサポートも無かったのか、相談者がいっぱいいっぱいになってしまった背景にこれらがあるのではないかと推察して、双方で確認しながら、真の問題を把握することがCC視点の問題把握に必要だと思います。
CL視点では気付かない問題点に気付きを促すのがCCの仕事ですから、CLと同じ視点で観ても答えは出てこないということです。
おわりに
次回は、19回キャリコン2級技能士検定実技面接ロープレケース5 ver.4後編へ続きます。
本日もお忙しいところ、
お読みいただきありがとうございましたm(_ _)m
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