真のリーダーに求められる究極段階は、後悔のない「TOKIO」生きること
名もなきキャリアコンサルタントこと敬天愛人です。
前回は「飛龍」のお話をさせて頂きまして、
- 空を翔け、雲を呼び、万物を育む存在となる
- リーダーや君子になるということ
- 「好事魔多し」
- 活躍の時、飛龍を保つために
貞観政要、孟子、マッチング理論を用いて、4つのポイントについて解説しました。
飛龍は5段階目に当たり、最後の亢龍は6段階目になります。
- 潜龍
- 見龍
- 君子、終日乾乾す
- 躍龍
- 飛龍
- 亢龍
6番目、いよいよ最終回、 「亢龍、悔いあり」です。
天を自在に翔けめぐり、慈雨を降らすことのできる飛龍の時を超え、リーダーとして様々な成果と実績を上げ続けた貴方の行き着く先、 空高く昇りつめ、雲の上を突き抜けてしまったのが、亢龍の段階です。
従う雲が及ばないほどの高みに達すると、龍はリーダーとしての地位と役目を失い、あとは地に落ちていくだけの降り龍になります。
亢龍、悔いあり
易経では降り龍の「亢龍は必ず悔いることがある」と教えてくれます。
大企業や政治家、芸能人やスポーツ選手等の様々な業界のリーダーが、亢龍になっていくニュースを聞くようになりました。
物が溢れ、欲望が金で買える資本主義経済は、志の喪失の時代と言っていいのかもしれません。
心の中にある根っこ
ちょっと嘘くさい話に聞こえるかもしれませんが、ここに来てくださる皆さんのことを私は好きで信じているので、心の憶測で本当に思っていることを少し言います。
私は利他の心で地球の未来を一番に考えて行動しているのですが、文明の進化の素晴らしさに感謝する一方で、これ以上の機械文明、自然破壊、科学文明の発展は、人間の進化の一つである精神文化の発展が追い付くまで少し待っていて欲しいなと思っています。
人間、もう少し、のんびり構えたらどうかと思うのですよ。
宇宙は膨張し続けているのは皆さんご存知かと思いますが、地球が存在する太陽系では、その中心である太陽にも寿命があります。
また、太陽自体も膨張しているという説もあり、50億年後に地球は、膨張した太陽に飲み込まれて、嫌でも滅亡してしまう説も存在します。
これを聞いた時、私は心の底からとても悲しくなりました。
だから、少なくとも50億年は地球が平和で、生命は共存共栄してほしいと希望を併せ持つのです。これは人が万物の霊長たる所以、宿命の一つではないかと思っています。
私は自分の子供はもちろん、孫や曾孫、そのず~と先まで、美しい地球を残すことの大切さ、命の尊さを伝えていきますし、そういう未来を担える人間を育てるため、自らの成長と貢献を自己実現とし、ブログという小さな表現の場を借りて、キャリアコンサルティングという国家資格を使って、資本主義を受け容れながら世の中が良くなるような言葉をコツコツと発信するようにしています。
資本主義社会で生きていくためには、最低限のお金や外的キャリア(肩書)も大切で生活もありますので、凡人のほんのオマケ程度の発信です(笑)
まあそれはそれでいいのですが、
「誰がこんな地球にしたんだ!」
何かの映画でこんなセリフありましたよね。
こういうことだけは子孫に言わせたくないと思います。
「地球に生まれて本当に良かった!」
ず~と、こう思えるような惑星であってほしいのです。
人類の英知を結集すれば、
太陽が無くなっても、
太陽系が無くなっても、
銀河系が無くなっても、
この宇宙が無くなっても、
きっと乗り越えられる・・・そんな希望の星、希望に溢れる心を感じて、みんなが同じ方向を向いてくれたら、戦争とか争いとか憎しみとか妬みとか無くなって楽しいかもしれませんよね。
例えば50億年も時間があるのですから、じっくりのんびり、地球の気候をコントロールして、運転できるような技術を考えて、やばい時は避難したり、他の銀河系や宇宙に逃げる手段を考えたらいいじゃないですか(笑)
地球の寿命が尽きるなら、伸ばす方法を地球と一緒になって考える(`・ω・´)ウン
みんな楽しく、幸せを感じる為には、前提として存在し続けないといけませんからね。
ちょっと何言ってるか分からないと思いますけど、「自分が成したいことは言葉の端々に入れること」と、吉田松陰先生も言っていますので少し言ってみました。
月やら火星やら何やら盛り上がっていますけど、今いるこの地球をより良くすることに少しだけ目を向けて世の中を少しずつ変えて行きましょうよ。
他の星に行くのはそれからでも遅くはないと思います。
例えば惑星間移動が出来るようになっても、地球と同様に資源を食い潰してしまうことを止められない今の人類では、根本的な解決にはならない気がするのですが、どう思いますでしょうか。
こんな身勝手な人間を、地球というゆりかごはいつも優しく、時には厳しく見守られているような気がしてなりません。
マズローの欲求5段階説も実は6段階
人類の英知の一つであるキャリア理論、マズローの欲求5段階説は有名な理論ですが、実は5段階を更に超えた6段階目の「自己超越」という段階があります。
「心と精神の時代」と言われる21世紀、これからの世の中に求められる人材は、6段階目の自己超越者だと思っています。
自己超越者 (Transcenders) の特徴
- 「在ること」 (Being) の世界について、よく知っている
- 「在ること」 (Being) のレベルにおいて生きている
- 統合された意識を持つ
- 落ち着いていて瞑想的な認知をする
- 深い洞察を得た経験が今までにある
- 他者の不幸に罪悪感を抱く
- 創造的である
- 謙虚である
- 聡明である
- 多視点的な思考ができる
- 外見は普通である (Very normal on the outside)
マズローによると、このレベルに達している人は人口の2%ほどで、子供はこの段階に達することは不可能と考えられていて、マズロー自身が超越者だと考えた12人を調査し、この研究を深めました。
さて、話を戻しまして、
ここまで龍の返還過程をお伝えしてきましたが、こういった志を失うと龍の返還はすべて逆の作用をします。
稲森和夫氏の人生方程式
前にも説明したことがありますが、大切なのでもう一度、ここでも稲盛和夫氏の人生方程式でおさらいしましょう。
人生・仕事の結果=考え方×熱意×能力という考え方です。
「能力」とは、知能や運動神経、あるいは健康などがこれにあたり、両親あるいは天から与えられたものです。
「能力」に「熱意」という要素が掛かってきます。
これも、やる気や覇気のまったくない、無気力で自堕落な人間から、人生や仕事に対して燃えるような情熱を抱き、懸命に努力を重ねる人間まで、やはり個人差があります。
これに「考え方」が掛かってきます。
掛け算ですので、マイナスの考え方を多く持ってると、「能力」があればあるほど、「熱意」が強ければ強いほど、大きなマイナスになってしまいます。
逆にプラスの「考え方」を持っていれば持っているほど、人生・仕事の結果は、さらに高いプラスの値となるのです。
「志」という熱意や考え方がマイナスになると、優秀な能力を持った人ほど、大事件や大事故を起こすことになりかねません。
そして、聞く耳を持たず、努力と省みることを忘れ、正邪の区別さえつかなくなります。
画像引用元:週刊少年ジャンプ/スラムダンク/井上雄彦
亢龍になってしまったら、時すでに遅し・・・矢沢君のようにもう取り返しがつかないことになってしまうのです。
点滅式の青信号
ものごとが順調に通じていく「吉」を青信号とすると、「凶」は赤信号です。
易経には、 「吉・凶・悔・吝」という言葉が出てきますが、難しい言葉で非常に難解な表現ですね。
易経で有名な竹村先生によると、これは人の心と行動の循環を表しているそうです。
「凶」は悪いことが起きるのではななく、ものごとが通じないこと。
「吉」はものごとが通じるということ。
「吝」はケチる、間違いを改めることを怠る、吝嗇の「吝」です。
「悔」後悔先に立たず、人は凶になってはじめて事の重大さに気付き後悔します。
自分は間違っていたと後悔して、どうすればいいのだろうと考え改めて「吉」へ向かいます。
でもみなさん、地位や名誉、権力、才能を持っている分、欲や執着心で分かっていても改められないのです。
青信号は黄色信号に変わってから赤になります。
飛龍が亢龍になるまえに、シグナルは何度も送られているはず・・・、その兆しに気付き改めることができるのが亢龍でもあります。
かの孔子も、 「過ちては則ち改むるに憚ることなかれ」問題はあやまちを改めないことが、あやまちであると言っていますから。
「後悔」が志を復活させる
亢龍の段階になってしまうと、飛龍には戻れません。
その理由を易経では、「高貴に見えるが、位は持たず、高いように見えても治める民を持たず、賢人が下位にいても、助ける術がない。このような状況で、何かを為そうと行動しても、必ず悔いることになる」と言っています。
地位はあっても名ばかり、従う人々はもうなく、賢人が諫言して助けようとしても助けられないというのです。
地に落ちていくのを見守るだけ。
どんなに素晴らしい働きぶりをするリーダーであっても、もてはやされ、羨望され続ければ、驕り高ぶり、感受性もマヒしてきます。
地位や権力、金銭への執着心が起こり、私利私欲に走るようになります。
皆さんの周りでもありませんか?
「なぜ、あの人がそんなこを」と誰もが驚くようなことをしてしまうのです。
パワハラ問題や某アイドルの強制わいせつ
最近もニュースでパワハラ問題や国民的アイドルの強制わいせつ事件がありました。
ああいった事件は、潜龍時代の志(人として、政治家としてアイドルとして何を志したのか)が小さくしぼんで、自分の考えが正しいんだと聞く耳を持たなくなり、客観的な見龍としての洞察力がすでになく、飛龍になった時に重要なすべての人を大人に見立て学ぶ謙虚さを忘れたから、あれほど早く亢龍として失墜してしまったと言えるかもしれません。
あの方達にはたくさんのシグナルが点滅していたと思うと、本来はとても優秀な能力を備えているだけに残念でなりません。
栄枯盛衰、自然の成り行きとして役目を終えたリーダーは必ず退くことになりますが、勇退と失墜では天と地ほどの差があります。
退くべき時は退く、後悔すべき時は後悔する。これが亢龍の時です。
動きて咎なきは悔に存す
「恐れ震えて、起きてしまったことに取り組む時は咎めはない」
隆盛を極めた龍が「凶」になると、転落の差が激しいだけに、地位にしがみつこうと吝嗇を重ねるとどうなると思いますか?
そうです、再起不能です。
今、叩かれているアイドルグループの一員も、しがみつこうとしてしまったから叩かれるのです。
「酒を今すぐ絶ち、今日限りで芸能界引退します」くらいの潔さがあれば、逆に皆から同情され、メンバーから必要とされ、ここまで大きな問題になることなく、あのステージにもっと早く返り咲くことが出来たのです。
一方で、潔く退く決断ができるリーダーはなかなかいません。
起きてしまった事件や事故は無くなりませんが、「悔」はいずれ「吉」へと向かい循環していきます。
もしも、起こしてしまったその出来事に心底震えて、腹を据えて事後処理を誠心誠意で行ったならば、退いた後に、また新たな出発が出来る「悔」に属するというわけです。
「腐っても鯛」といいますが、腐っても龍なのです。
後悔したならば、また淵に潜み隠れ、潜龍に戻ればいいじゃないですか。
華々しい飛龍が落ちていく時の返還は、とても悲劇的な乾為天の結末のように思えますが、その一方で、ほとんどのケースで飛龍は亢龍になるという事実を語ることで、時のめぐりを全うすることが出来ると易経は教えています。
6段階目の亢龍の時を知らなくては、飛龍の時を保てず、また新たに潜龍としての時の始まりを知ることは無いでしょう。
そう、「時(TOKIO)を」だけに。
love you only repeat - YouTube
もしも彼の近くに私のようなキャリアコンサルタントが一人でも居たら、もしかしたら助けられたかもしれない・・・本当に残念です。
被害に遭った女性の未来という「時」も失い・・・もっともっと残念ですね。
いったん退く「悔」の段階を踏まなければ、新たな志を立てる潜龍に戻ることはできません。
亢龍では、極まったものは必ず衰退するという自然の循環を説いているのです。
おわりに
真のリーダーに求められる究極の素質は後悔のない「TOKIO」生きることのまとめです。
- 亢龍、悔いあり
- 点滅式の青信号
- 「後悔」が志を復活させる
- 動きて咎なきは悔に存す
易経は最終から二番目に完成の時をおき、最終に未完成の時を配置しています。
真のリーダーに求められるのは、完璧さや素晴らしい完成ではなく、新たな変化と成長です。
どんな変化が起ころうと、力強く、次の新たな春へと繋いでいく精神を重んじています。
「亢龍悔いありとは、時とともに極まるなり」
スラムダンクの安西先生も矢沢君のことを後悔したからこそ、指導者として原点に立ち返り、指導者として桜木や流川と出会うことが出来ました。
そういえば、矢沢君の死が転機となり、白髪鬼(ホワイトヘアードデビル)から白髪仏(ホワイトヘアードブッダ)になった安西先生は、自己超越者の条件を見たしている気もしますね(笑)
彼もまた真のリーダーだから、皆に慕われるのでしょう。
本日もお忙しいところ、
お読みいただきありがとうございましたm(_ _)m
リーダー論と易経に関する過去記事です、良かったら読んでみて下さい。
【参考文献はこちら】