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君子は貞観政要のリーダー学で守成を学び孟子とマッチング理論で人を従える

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君子は貞観政要のリーダー学で守成を学び孟子とマッチング理論で人を従える

名もなきキャリアコンサルタントこと敬天愛人です。

 

前回は「躍龍」のお話をさせて頂きまして、

  1. 「窮(きわ)まれば変ず」
  2. 或いは躍りて淵に在り、咎なし
  3. 「機」「期」「気」
  4. 初志貫徹 

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この4つのポイントについて解説しました。  

 

今回は5段階目である、天を自在に翔けめぐり、

恵みの雨(慈雨)を降らすことのできる「飛龍」のお話です。 

 

空を翔け、雲を呼び、万物を育む存在となる

易経には、「飛龍は天に在り、大人を見るがよい」とあり、 

飛龍は空を翔け、雲を呼び、万物を育む雨を降らすと言われています。

 

龍の掛け軸や絵画を見ると大体、雲と共に描かれていますよね。

 

龍は水から生まれしもの、水を司ると言われることがあるから、

かなりの確立で雲がオマケでついてくるわけです。

 

飛龍となった貴方は、広く目が行き届く観察眼を持ち、

時を司り、社会の循環を促す働きをする君子の象徴となります。

 

潜龍の志を達成し、これまでのキャリアで培った個性や能力で、

君子、リーダーとして社会に貢献するときがいよいよ来ました。

 

この段階から、時は成長期から熟成期に変わっていきます。

 

貞観政要に学ぶ「守成」

皆さんの会社組織、企業で言えば「守成」の時代です。

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私が守成の時、すなわち熟成期の在り方として参考にしているのが、

唐王朝の二代目にまつわる話をまとめた貞観政要です。

 

 

 

主人公の名を李世民

 

太宗(たいそう)と呼ばれた、唐朝の第2代皇帝です。

 

高祖李淵の次男で、李淵と共に唐朝の創建者とされ、

隋末の混乱期に李淵と共に太原で挙兵し、

長安を都と定めて唐を建国しました。

 

太宗は主に軍を率いて各地を転戦して群雄を平定、

626年にクーデターの玄武門の変にて皇太子の李建成を打倒して皇帝に即位、

群雄勢力を平定して天下を統一しました。

 

広い人材登用で官制を整えるなど諸制度を整えて唐朝の基盤を確立し、

貞観の治と呼ばれる太平の世を築いた名君です。

 

騎兵戦術を使った武力において卓越し、

文治にも力を入れるなど文武の徳を備え、

中国史上有数の名君の一人と称えられています。

 

易経と同じく帝王学の原典と呼ばれる書でもあります。

 

日本でも、江戸幕府300年の礎を築いた

徳川家康公が愛読者として知られています。

 

貞観政要では守成の難しさを太宗とのやり取りで明らかにしており、

リーダーとしてどうあるべきか、また広く人材を登用した

太宗だから語れる君子論を学ぶことが出来ます。

 

リーダーや君子になるということ

天に在る飛龍は、地上に雨を降らせて万物を生成し、

還元する循環をもたらします。

 

人間社会って、様々な組織や集団、地位や立場、役割がありますよね、

皆さんにも、私にも、妻にも、子供にも・・・

それぞれが持ち場で役割を果たし、社会の営みが行われています。

 

飛龍のもたらす雨は、そういうありとあらゆる者の個々の力、

性質、持ち味、特性を養い、生かすことが出来る力のことを言います。

 

私は会社員時代の目標管理シート(職能領域)に、

こんな事を掲げたことがありました。

 

全てのビジネスにおいて高い価値が支払われるスキル

全てのビジネスにおいて高い価値が支払われるスキルを体得する

項目

「人の感情を動かし、行動を起こしてもらう能力」

具体的内容

みんなが働きやすく、解決策を見つける楽しさや、

仕事を面白く思ってもらえるような環境と雰囲気を作ること。

大義や大きなビジョンを掲げ、自ら困難に立ち向かい、

調子の良い時も悪い時もチームに尽くし、成功するまであきらめないこと。

 

原文のままですが、この時は採用担当リーダーと

人事でもリーダー的な立場になっていたので、

最強のリーダーってなんだろう・・・と、自分なりに考えていたら

こういう目標が良いかなという結論になりました。

 

今、見ると少し抽象的な気もしますが、実務はしっかりこなしていたし、

私よりも頭が良く能力の高い人間もたくさん居ましたから、

細かいことは別に私が書かなくていいかなと(笑)

 

これは確か吉田松陰先生の留魂録に影響を受けて書いた記憶があります。

どんな職種、分野、組織であれ、リーダーの本来の役目は、

あらゆる人や物事のそれぞれの特性や個性を生かし、

育てることだと当時から私も思っていました。

 

ですから、飛龍になったリーダーは、

その時々に従って自在に六つの龍の力を用いて、

社会を循環させる力が試されることにもなります。 

 

こういった時の体験の積み重ねを

自由自在に使いこなせるのが飛龍の力と言えるでしょう。

 

そのために、各段階で「時」をどれだけ意識できたかが

大切になるというわけです。

 

「マッチング理論」と「孟子」で雲を従える

飛龍の章には「大人を見るに利ろし」という

見龍と同じ言葉が出てきます。

 

この解釈は二つありまして、

  1. 飛龍を大人として皆がこれを仰ぎ見るという意味
  2. 人の意見を聞きなさいということ

たとえば、飛龍になると意志に共鳴する人が集まってきます。

 

こういう人材が採用したいと思えば、

それに応じた人が集まり出すような不思議なことが起こります。

 

企業で言えば、伝統のある超大手企業や、

楽天など世界的に成長を続ける企業です。

 

皆さんご存知のGoogle、マイクロソフトなどは

採用手法から普通ではありませんよね。

 

能力のある多くの力が集まると、世の中を大きく変えるような力を

発揮するわけですから、思った以上の成果が上がります。

 

このように龍とそれに従う雲という関係が組織を形成し、

大きな働きを成すのです。

 

どんなものごとでも、成り立つためには、人が求めあう、

応じあうというマッチングが必要です。

 

マッチングと言うとキャリア理論では、

ウィリアムソンの特性因子論があります。

 

人の「特性」「因子」(=仕事内容や要件)に注目し、

個人の持つ(仕事に関連する)スキル・能力(=特性)と、

それぞれの仕事が必要とするスキル・能力(=因子)を

マッチングさせることが、

よい職業選択や職業適応をもたらすという考え方です。

 

適材適所とでも言いますか、人の良いところを引出す力ですね。

 

飛龍は雲と共にいなければならないので、

雲というみんなの存在がなければ、

飛龍としての役割を果たすことはできません。

 

一人では誰の力も引出すことが出来ないのです。

 

孟子は、天の時、地の利、人の和と説きましたが、

天のもたらす運も地勢の有利さも人心の一致和合には及びません。 

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そうです、なによりも「人の和」が大切なのです。

 

飛龍の時は、天地人の相乗効果で、

更に大きな働きをもたらすことになります。  

 

「好事魔多し」

飛龍の時はいわゆる絶頂期なので、

ノリにノッている、ついてついてツキまくる時なんです。

 

社会的に認められ、お金も儲かる、人も集まってくる。

 

「好事魔多し」

 

こういう時は、何もかもがうまくいきそうな気分になり、

どんな謙虚な人でも独裁的になってきます。

 

権力は賢者を愚者にします

 

中国の古典に、愚者の典型的な王として殷の紂王(帝辛 - Wikipedia

というのがおりますが、※「酒池肉林」という言葉の原点になった方です

元々はとても賢くスポーツ万能、若い時はかなり優秀な王だったそうです。

 

ところが妲己という女性に溺れ、権力を振りかざすようになるのですが、

頭脳明晰であるがため、これが悪に転ぶと非常に厄介でもあります。

 

敵対した王の子供を殺して人肉スープを作った後、

捕らえた王に食わせた残虐非道な最低な王だと言われています。

※紂王はこの後、その王文王 (周) - Wikipediaの次子である武王に討たれます

(私の好きな呂尚(太公望)と周公旦は武王の側近です)

 

これは昔の話で行き過ぎた話ですが、 

例えば大企業のリーダーが起こす不祥事は、なぜ起きるのか?と

思うような愚かなことばかりですよね。

 

それには根拠があるということです。

 

飛龍の話には続きがあり、このように自己管理を怠ると、

最後の六段階目の龍、亢龍という降り龍に必ずなります。

 

飛龍は多少の障害など好転していく力を備えていますから、

羨望や崇められることが日常になって過信していくのです。

 

その最も顕著に表れる兆しが、

耳に痛いことを受け入れられなくなることです。

 

ですから見龍と同じ「大人を見るに利ろし」

人の意見に耳を傾けなさいと言っています。

 

見龍の場合は、自分を見出してくれた

師たる人物に見習えということでしたね。

 

では飛龍のような最高権力者や最高位の人にとっての大人とは、

どのような人だとおもいますか?

 

実は、飛龍の時の「大人」とは、

部下や取引先、友人、知人、家族・・・自分以外のすべての人なのです。

 

周りの人、全てのものから見習うべきことがあると教えているのです。

 

「部下の意見はちゃんと聞いているよ」という人は、

自分の都合のいい話しか受け入れていないのではないでしょうか。

 

嫌いな部下の意見をすぐに採用していますか?

 

イエスマンばかりを承認すると、些細なミスに気が付く、

ちょっとうるさいような能力ある人材を遠ざけることに繋がり、

彼らはたちまち離れていきます。

 

志も達成と同時に急速にしぼみます。

 

そして今の地位と力、金銭を失いたくないと思うのです。

 

常に自分が一番の権力者であることが、

まるでリーダーの責任であるかのように勘違いします。

 

これからの時代、変化に対応するためには、常に情報を集めて、

自分よりも現場の状況が分かる部下の意見に耳を傾け、

変化の兆しを察し得なければいけません。

 

飛龍の時を保つことは守成です。

貞観政要でも「守成は創業よりも難し」と言っています。

 

創業した時は緊張感もあり、

高い志と周到な準備をして臨んでいるからです。

 

飛龍の時は何気ない一言も、辛辣な諫言も、時の的を射ていますので、

そのシグナルを受け入れる姿勢と環境作りを心掛けるといいでしょう。

 

キャリアコンサルタントとして訪問した企業の話

とある企業の話ですが、その会社は三代目の代に移行しつつあり、

今まで以上に「守成」が必要な時を迎えています。

 

一方で、その企業は理念や顧客満足度を棚に上げ、

理念に共鳴する管理者層を優遇するとともに、

顧客サービスの悪い従業員を見捨てるという行為を

行っていることに気が付いていませんでした。

 

いや、見て見ぬふりか。

 

これは易経でいうリーダー論、

万物に恵みの雨を降らす飛龍がやることではありません。

 

経営理念は大切ですが、今、働いている人たち、

集まってくれた人たちの和が、その企業を存続させていくのです。

 

その力が理念という旗印のもと繁栄していくのが組織でもあります。

 

現に、定着支援を行わない採用力の弱まったその企業は社員が疲弊して、

顧客サービスの量的確保が出来ずに売上が減っていました。

 

私はこの企業の問題点を上げ、

採用活動でキャリアコンサルティングのスキルを使うこと、

人材の定着のために組織開発援助を中心とした解決策を提案しました。

 

しかし、警戒したのか、

苦言を呈した私を遠ざけるかのようになってしまいます。

 

私のような部外者、第三者に言われたくなかったのかもしれませんが、

その客観的な視点こそ、大人に学ぶ飛龍には欠かせないのです。

 

私はその企業のことが好きで、

働いている社員もみんないい人なので大好きです。

 

彼らの将来を共に真剣に考えて、一緒に発展するため、

力を役立ててほしかったのですが、諫言が受け入れられず

本当に無念な思いでいっぱいになりました。

 

飛龍で在り続けるには、こういう兆しを察して、

守成という時を乗り越えていかなければならないのだなと、

実感した出来事です。

 

孔子の言葉から「諫言の時」を学ぶ

「君子は信ぜられて後に諫む。

 未だ信ぜられざれば、則ち以って己をそしるとなす」

 

君子は十分に君主の信頼を得てから、初めて諫言をする。

 

信頼もされていないのに諫言すれば、

粗探しばかりする奴だと誤解されてしまうという意味です。

 

「まだまだ、信頼が足りなかったのかもしれないな・・・」と、

こういった前提の上に立って諫言する必要性を改めて学んだ

貴重な経験の一つでした。

 

活躍の時、飛龍を保つために

飛龍は雲を従えるという話をしましたが、 

では、取り巻く雲が厚くなるとどうなると思いますか?

 

そうです。

 

厚い雲に覆われれば、外の世界が見えにくくなり、

また自分を客観的に見ることが難しくなります。

 

やはり、

 

「大人を見るに利ろし」

 

全ての物から学ぶことが、唯一の対処法です。

 

伝説になりつつある名経営者の松下幸之助氏は、

積極的に新入社員の意見にすら耳を傾けながら、

分からないことも素直に聞いたそうです。

 

そして、自分が既に思いついていた新事業と、

同じような意見が部下から出ると、自分が考えていたなどと言わず、

その部下の意見を手放しで喜んでみせて、

事業を任せたという逸話が秘書の方から出ています。

 

これこそ時を保つことのできる真のリーダー

 

飛龍だと思います。

 

変化を重んじる易経は、動かぬ安定などあり得ないと、

固執や固定観念を戒めています。

 

たとえ、トップになっても、お山の大将ではなく、

つねに時を導くリーダーであると自覚することが大切です。

 

時の変化には一定不変の法則があります。

 

春には春の、夏には夏のように、

リーダー自身が時に応じて変化することが時を保つのです。

 

 おわりに

君子は貞観政要のリーダー学で守成を学び

孟子とマッチング理論で人を従えるのまとめです。

  1. 空を翔け、雲を呼び、万物を育む存在となる
  2. リーダーや君子になるということ
  3. 「好事魔多し」
  4. 活躍の時、飛龍を保つために

リーダーになった貴方が、その力をどのように維持していくのか、

その力をどのように生かすと凄い成果が出るのか、飛龍が教えてくれます。

 

物事が順調な時ほど自分を省みて、

自分以外のすべての人・モノ・コトを手本とし戒める。

 

耳に痛い言葉を言ってくれる人や苦手な人を大切にして、

人に奉仕したり、ボランティア活動や寄付などで社会に貢献する。

 

陽が極まれば陰に転ずるわけですから、

無理やりにでも陰を作るわけですね。

 

アメリカの超お金持ちは財団を組織して、寄付や慈善活動をやりますが、

あれは飛龍となった君子やリーダーが陰を作り出しているのだと思います。

 

次回は最終回、6段階目である龍、亢龍です。

 

空高く昇りつめて雲の上を突き抜けてしまった「亢龍」

従う雲が及ばないほどの高みに達すると、リーダーの地位と役目を終え、

あとは地に落ちていくだけの降り龍となります。

 

ちょっと切ない話ですが、人は必ず地にかえるのです。 

 

本日もお忙しいところ、

お読みいただきありがとうございましたm(_ _)m

 

リーダー論と易経に関する過去記事です、良かったら読んでみて下さい。 

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