【面接試験官から観た受検者傾向】合格に向けた評価区分の解釈と方策実行プロセス ※図解あり
名もなきキャリアコンサルタントこと1級キャリアコンサルティング技能士の福島(敬天愛仁)です。
皆さん、第30回2級検定の合格発表はいかがでしたか?
私の方は現在、今回指導させて頂いた12名中5名様から連絡を受けまして、ありがたいことに3名の方が合格しておりました!
合格おめでとうございます👏パチパチ
私も最高に嬉しいです٩( ''ω'' )وヤッター
惜しくも不合格だった2名様のうち1名の方も具体展開力のみ5点未達ということで、ギリギリラインまでは貢献出来たかなと・・とはいえ、いつも合格率100%を目標に指導しているので本当に残念でなりません。
60%か~・・まだまだ指導力不足ですね。
その時の経験や実力、私が教えられる時間に限りもありますから合格率100%は難しいのですが、引き続き頑張っていきます!
今後ともキャリア・ライフの試験対策講座をよろしくお願いいたしますm(_ _)m
というわけで、私自身のリフレクションも兼ねてですね!今回も第27回キャリアコンサルティング技能検定から始まった「面接試験官から観た受検者の傾向」の資料について1級キャリコン技能士の視点から分析を行い、第31回の合格へ向けてヒントを掴んで頂くための記事と動画を作成しました。
なお、前回動画で分析した点と類似した内容(受検者の傾向)も見受けられたので、実技面接試験で注意するべきことなどは前回動画も合わせて参考にして頂けると確実に合格へ近づくと思います⇩
さて、この資料に記載された文章に、「能力向上を図る学習等の参考に」と、ある一方、「個人の課題を表すものではなく、試験の合否判定結果とは一切関係ない」と、記載されていることから、じゃあどうすればいいのさ!?と、思う方もいらっしゃると思います。
そのような受験生の皆さんの葛藤を受け止められるように、お気持ちを汲んだ記事を作成して貢献したいと思いますので今後の試験対策の参考にしていただければ幸いです。
それでは、お手元に2023年度前期の面接試験官から観た受検者の傾向をご用意して深い学びに繋げて頂けると・・ありがたいです。
面接試験全体(ロールプレイと口頭試問)について(総評)
まず総評についてですが、前回の真摯に向き合う姿勢は向上しているとの評価から発展して、相談者を尊重する姿勢や支援への強い思いを面接試験官は感じていたようです。
これは素晴らしい基本的態度。
その一方で、これは2級技能検定の難易度が高いところですが、問題を解決するための目標や方策の共有が不十分で前回と同じく抽象的かつ型から抜け出せていないケースがあったようです。
でも、これは悪い事ではなく、まずは型を習得してから、臨機応変に相談者支援ができるスキルに昇華していくプロセスですので前向きに捉えてほしいと思います。
最初は目の前の相談者ときちんと向き合えていても、試験の20分間の中で安定感を失ったり、自分に焦点を当ててしまったりするものですので、一歩一歩着実に改善していきましょう!
ありとあらゆることは基本が大事です。
2級キャリアコンサルティング技能士にも守・破・離という概念が役立ちます、発展途上だから不合格なのです。
リーダーシップの本質を守破離の語源(序破急)とモデリング心理学で学ぶ! - キャリコン試験対策講座▶1級技能士の個別レッスン
皆さんは間違ってませんし、これからも研鑽を継続すれば大丈夫!
必ず上手くいきます。
皆さんそれぞれが持つキャリアコンサルタントとしての長所を生かしたクライエントファーストで・・素晴らしい面談力を向けた歩みを信じています。
いつ何時も「相談者の利益が第一義」を忘れないで下さい。
基本的態度
第28回は、自己一致した状態で誠実な姿勢や態度が出来ていると好評価でしたが、言語・非言語、自己一致の点で自然に面談を展開出来る方が増えてきたようです。
その一方で、相談者を「褒めすぎ」という指摘も出ています。
これは承認やコンプリメントに対する理解度を上げて活用方法を習得すれば、すぐに改善可能です。
個別レッスンで必ず伝えることですが、褒めること自体が上から目線になりやすい・・承認は承って認めること、褒め言葉や讃辞は事柄に対して主観による「評価」が入りやすいため、フラットな関係性を維持しにくくなります。
我々キャリアコンサルタントは職業専門家として相談を受ける立場で「先生」の役割を果たすわけですが、だからこそ自分の立ち位置を謙虚に捉えて、対等なキャリアコンサルティング関係を築いてほしいです。
そもそも人間は承認欲求を持っているので一定の効果はあると思いますが、度が過ぎるとご機嫌取りのようになってしまうため不適切になることも。
初対面の人に褒められた場面を想像して下さい。
最初は嬉しいかもしれませんが・・いきなり会って何が分かる?本当に分かっているのか?など、徐々に懐疑的な印象を持つため不誠実に見えてくるのはないでしょうか?
試験では過度に演技的な印象を与えてしまうこともあるでしょう。
また、ロープレ練習でよくアドバイスするのですが、思考の拡大を図るための「他に何かありますか」は良いと思いますが、深堀できない時に困って問いかける➡丸投げ的な質問の「他に何かありますか」は、相談者も応答に困ることが多いです。
困った時はシステマティックアプローチで前の話に戻り、再度確認して問題把握を深めるとか、「今日の面談時間はあと5分位なので、○○の話と○○の話以外にも相談したいことはありますか?」などと、相談者へ配慮した話し方、面談の効果や意義を実感して頂けるような言語化を心がけると改善に繋がっていくと思います。
この辺りは実践に近いロールプレイ練習を重ねて、基本の型を習得した上で守破離の「破」まで行かないと及第点は難しいかもしれません・・熟練レベルですから。
自らのロールモデルや理想とするキャリアコンサルタントのロールプレイや事例を、とにかく見て真似することも大事です。
※「守」レベルは【国家資格キャリアコンサルタント=ベースライン】で卒業しましょう!
私のロープレや合格者の直前ロープレもYouTubeにたくさんありますので、宜しければ参考にして下さい⇩
これらの動画や有料動画を試験直前まで聴き、イメージトレーニングして合格した方もいらっしゃいます。
関係構築力
第28回の受検者傾向では言語・非言語の受容、伝え返し、共感的理解も一定できているという評価でしたが、第30回の傾向は相談者を尊重した関りに磨きがかかって、声のトーンやミラーリングなど非言語の部分でも関わり行動が出来ているとのこと。
面談中に関係構築から気づきを促すシーンも見受けられたそうで、素晴らしいアプローチだと思います!
さて、課題点を読み解くと関係性の維持と共感的理解のスキル不足が見受けられたようです。
その他にもケース記録に登場するキーマンの話に焦点を当ててしまうことで、相談者に対する気持ちの応答が不十分だったとのこと。
個別レッスンで、リレーションは何分で築けたと思いますか?と、口頭試問やフィードバックで問いかけることがありますが、同時に、最後までリレーションを維持できたか?という点も大切なのです。
自己評価と他者評価は往々にしてズレるものですから、普段のロールプレイ練習が終わったら相談者役に確認してみると新たな発見があるかもしれません。
そもそもリレーションって何?
簡単に言うと相談者が目の前のキャリアコンサルタントに何でも相談できる、本音で相談できると感じたかどうかです。
ビデオやZoomで録画した後、キャリアコンサルタントの自分を観て、自分だったら本音を言えるかなと・・本気で再評価してみて下さい。
会社で言えないことや家族に相談しづらいことを、あなたには話せる・・と、相談者に信頼されているのであれば関係構築力は及第点だと思います。
最後に、受容的な態度であるものの、共感力に欠けているという記述がありました。
皆さんは、受容と共感の違いをきちんと認識し、使いこなせているでしょうか?
再度、キャリアコンサルティング理論と実際を読み返して、ロジャースの肯定的な配慮(関心)と共感的理解について復習しておくと関係構築力向上に繋がるはずです。
今から承認と共感力のことを整理して説明しますが、まず承認は褒めたり叱ったりすることではありません。
承認というのは人間関係の土台であり、キャリアコンサルティングの共感的理解の概念に近く信頼関係を構築する基礎とも言えます。
例えば「褒める・叱る」ということは、普段のシチュエーションで起こるものではなくて、社内表彰の制度や仕事の成果が上がった時に褒める、または仕事でのミスやお客様へやってはいけないことをした場合に叱る、こういう場合に使うコミュニケーションツールや仕組みの一つなのです。
いわゆる「褒めたり叱る」というのは特別なシチュエーションで使うものです。
さらに簡単に言えば、褒めることや叱るツールを有効に活用するためには、日常のコミュニケーションである承認や共感的な理解が土台になくては機能しません。
承認を分かりやすく言うと・・自分が相手を見てくれているという感覚とも言えます。
相手を認めるためには相手のことをきちんと見てないと認めるところが分かりませんよね。
共感的理解という概念で説明するならば、相手の立場や置かれた状況を少しでも分かろうとする姿勢や寄り添う気持ちが相手にも伝わっている状態のことを言います。
「このキャリアコンサルタントは私のことを見てくれている、理解しようとしてくれている」
これが承認されている、共感されているという感覚です。
問題把握力
問題の掘り下げや応答が少し良くなった第28回と比較すると、第30回では相談者の主訴の理解と背景にある問題、見立ての質が向上したような評価を得ています。
これは受検者みなさんの努力の結果だと思います。
相談者が安心している場面も見受けられ、面談の進め方もスムーズになってきたことで、相談者のお気持ちの背景を傾聴・共有する姿勢が展開できたようです。
うんうん、とても素晴らしい!!
このような評価を頂けるのは試験対策講座を営む者として素直に嬉しいことです。
さて、課題点ですが木を見て森を見ず、一つの問題にこだわり過ぎた場面があったとのこと。
これも何とか相談者のことを理解しようとするあまり、一つの問題に固執した結果、空回りしているのだと思います。
問題共有後の明確化などに展開を集中している時は起こりやすい現象かなと。
しつこいようですが普段の面談が終わったら客観的な視点で、自分のアプローチを振り返ると良いのではないでしょうか。
また、論述試験の採点官から観た受検者の傾向にもありましたが・・・
自己理解不足、仕事理解不足、コミュニケーション不足、キャリアプラン不足に根拠が弱い場合や、相談者にとって重要性・緊要度が高くない表面的な見立ては真の問題把握とは言い切れません。
焦らず慎重に・・相談者視点の問題とキャリアコンサルタント視点で捉えた問題について、対話を通し確認・共有・統合することができれば、自然とリレーションや問題把握も深まりますので一緒に考える姿勢を大切に頑張ってみて下さい。
これは難しいところですよね~!!
根本的に合格への想いを内包しているため、試験ではどうしても自分に焦点を当てて焦ってしまう・・(; ・`д・´)
一般論で問題を見立てて理解が深まらないこともあるでしょう。
そう、問題の要約、明確化スキルも大切になってきます。
皆さんもキャリアコンサルタントになる前は、自己理解や仕事理解などの言葉を意識的に使ったことはほとんどないのではありませんか。
相談者が勝手に分かってくれると思っているなら・・それは甘えです。
プロとしては失格ぐらいの気持ちで相談者に寄り添って下さい。
クライエントファーストを貫くためにも、できれば相談者にも分かる言語で・・問題を要約・共有・明確化し、相談者の問題解決に繋がる要素や、より良いキャリア形成のために、どのような意思決定が必要なのかを摺り合わせるプロセスが重要です。
具体的展開力
第28回では・・最後まで相談者との関係性を意識して面談を進められる方が増えてきたという評価でしたが、第30回では時間配分が出来てきたことで目標設定に関われるケースが増えてきたとの評価です。
良いですね!!
では、その一方で課題点はどうだったか?
う~ん、やっぱり相談者のターゲットを表現した問題解決で合意形成することや、方向性を確認する際の意思決定支援スキル不足が見られたようですね。
自信がなさそうに目標設定したら相談者の目には・・どのように見えるのかを考える必要があると思います。
目標設定に至らないということは、
- キャリアコンサルタント視点の問題把握が浅いことが原因
- 見立てが不足しているということは相談者視点の問題把握が浅いことが原因
- 本心から来る本音である主訴を把握出来ていないということは関係構築が不十分であることが原因
- リレーションが深まらないということは傾聴スキルが低いことが原因
相談者自身がターゲットとして目標を認識・設定するのが主体的な意思決定支援ですから、想定した目標をただ提案していると思われないように側面から支援して下さい。
前回の動画でもお伝えしましたが、シナリオ通りに進めるのではなく相談者とのリレーション(関係性)が最優先であることを自覚し、「アレ、おかしいな合意を得られてないぞ」と違和感を感じたら・・
きちんとアプローチを戻りながら点検することで急に展開を進めることも無くなると思いますし、終了間際でも、どんな難しいケースでも、慌てず対応できるように研鑽を頑張ってほしいと思います。
難しいスキルだからこそ乗り越えた後に得られる力が大きくなりますから。
最後に・・一般論の域を出ない方策や抵抗を招く場面も散見していたそうです。
まずは面談内で、キャリアコンサルタントとして方策の実行支援が出来ているか、相談者から抵抗された場合の対処が出来ているか振り返ってみて下さい。
口頭試問でフォローするという指導は、どこの試験対策講座でも言っていると思いますので、少しでも面談内で展開できる実践力を磨きましょう٩( ''ω'' )و
理解しているかどうかと実践できるかどうかは違います。
プレッシャーの中で同じパフォーマンスを実践できるか、苦手な領域の相談者でもパフォーマンスを維持できるか、様々なケースで自分の力を客観的に評価してリフレクションを重ねてスキルアップして行きましょう!
とにかく、この辺りのスキル不足は方策決定のプロセス習得で改善されるのではと思いましたので下に図表でまとめて解説をします。
方策決定のプロセス ※図解あり
人間が目標を達成するために必要なこと(欲求)は何か、相談者が目標を達成するために求めていること(欲求)は何か、キャリアコンサルティングは主体的な意思決定を支援するのですから相談者が自ら目標を達成しようとする力(欲求)を引き出すことが重要です。
下の図であれば「方策」という言葉を「目標」に置き換えるとイメージしやすいと思います。
参考文献:キャリアコンサルティング理論と実際/木村周著
目標は行動計画(アクションプラン)を伴いますので、具体的に行動計画をチェックしていけば必然的に物事は成功に近づいていくのです。
具体的かつ期日を決めた「達成目標」は、成功を加速させる原動力であり、真実なのであります!!!
・・皆さんは目標設定をどのように認識していますか?
2級技能士の実技面接試験の本番ででここまでやれ!と、言っているわけでなく、根本的なプロセスや相談支援スキルの概念を理解しておくことはもちろん、面談初期に目標を設定する意義や大切さ、行動計画の重みを踏まえた面談スキルを習得してほしいと思います。
※参考文献は全てキャリアコンサルティング理論と実際/木村周著
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対人支援をするなら、相談者にチャンスや成功を掴んでほしいと思うはずで、キャリアコンサルティングで貢献して喜んでほしいですよね。
何分経ったから目標設定をするとか目標の合意形成時に「うん」と頷いたとか・・そういう次元の支援をしているのではないことを理解して下さい。
できれば自然に合格水準に到達するレベルで、相談者役や試験官にすら・・学びや気づきを促すようなそんな素晴らしいロールプレイを展開出来ると素敵だと思います。
まとめ
さて、【面接試験官から観た受検者傾向】合格に向けた評価区分の解釈と方策実行プロセス ※図解ありはいかがでしたか。
皆さんのモチベーションアップはもちろんですが、試験対策や自己研鑽に役立てて頂きたいと考えまして・・私が個別レッスンで使用している資料も大サービスです(笑)
大してお役に立たなかったら・・・すいません;つД`)
こんな私の個別レッスンで学びたい方、
コチラから!
私のようなスキルをテキストで習得したい方はコチラから!
お待ちしております!
毎回、準備万端で滞りなく検定を運営しているキャリアコンサルティング協議会にも
改めて敬意と感謝を述べたいです。
これだけの人数を採点する試験官の皆様、相談者役の皆様のご苦労も多いと思いますので心からありがとうございましたと、御礼申し上げます。
私も微力ながら技能士として、キャリアコンサルタントとして、協議会の活動を応援しております!お互いに切磋琢磨しながら成長と発展できれば幸いです。
本日もお忙しいところ、お読みいただきありがとうございました。
※ブログ記事につきましては全て私の知見やノウハウに基づいた分析で、
技能検定と直接的な関係はなく、必ずしも合格を保証するものではありません。
今後も試験対策講座で全力サポートしていきますのでご理解・ご了承ください。
2級キャリアコンサルティング技能検定対策講座
試験対策が必要な方は私のサイトに掲載されている過去記事を、
宜しければ使ってみてください。
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2級キャリアコンサルティング技能検定の教科書
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