はじめに
名もなきキャリアコンサルタントこと敬天愛人です。
今回は前回の【キャリコン2級ロープレ逐語録】
第23回実技ケース④パート4後編の続編になります、
どうぞご覧ください。
ここから、口頭試問です。
口頭試問
試験官(以下SIKと表記)
キャリアコンサルタント(以下CCと表記)
SIK1
この相談者の相談したい問題点と
あなたの考える相談者の問題では何でしょうか
CC1
相談者は OB に紹介された再就職先で
上司と折り合いがなかなかつかない部分があって、
そこで悩んでいらっしゃると。
その悩みから転職も視野に入っていて
出来れば自分の経験も活かして働けるうちは働きたいと
考えているんだけどどうしたらいいかわからずに
困っていることが問題だと思います。
cc 視点からの問題点ですが、
上司と折り合いがつかないというところで
視野が狭くなっていてどうしたらいいか、
コミュニケーションの方が一辺倒になっていて
もう少し違う視野で見れるといいのかなという所ですが
そこでコミュニケーションの問題があると感じました。
もう一点がワークライフバランスを取りながら
この先の生き方を考えていきたいというところなんですが
まだ具体的にどうすればいいのかというようなビジョンと言うか
プランが曖昧だったのでその辺が問題点と感じました。
ワンポイントアドバイス➊
意思決定に向けてはジェラットの意思決定理論を使いながら未来への予測、
意思決定に繋がるような評価などが相談者との対話の中で意見交換できると
中長期的な視点から問題点を共有することができたと思います。
例えば、
「専務との折り合いが悪い中で条件面は悪くないと、就業継続については何歳まで考えられていますか」とか、
「65歳くらいまで例えば継続できますか、そういう未来は小林さんの中で考えられますか」とか、
そういった問いかけで未来への思いや状況について共有していくと
相談者の選択肢について意思決定がしやすくなるのではないでしょうか。
SIK2
キャリアコンサルタントの役割として
良かった点と改善点があれば言ってください
CC 2
役割として良かった点は、
相談者の方が1年半仕事に馴染めず悩んで来られたお気持ちに寄り添って
その上でどうしたらいいかということを一緒に考えるという点で
取り組めたのは良かったと思います。
改善するとしたらもう少し視点を変えて、
今の上司との事に悩んでいるんだけれども
待遇面は悪くないと思っていることから
この先の今の仕事を続けた上でどうなっているかということを
イメージしていただくと転職するのか続けるのかといった
方向性が見えるのかなと思いました。
SIK 3
この相談者はこうしたいんじゃないかなとか、
こういう方向に向かっていきたいんじゃないかなとか、
そのような相談者の意思についてはどのように感じましたか。
CC 3
一つ聞こうと思っていたのは経験を活かしてと言っていたので、
その経験はどのような経験でそれをどうしたいと思っているのかを
もう少し聞きたいと思っていました。
ワンポイントアドバイス➋
主体的な意思決定は相談支援ではとても大切なことなので、
相談者の意思が出たところを拾い上げてキャッチする、
意思を引き出すようなアプローチも意識するといいと思います。
例えば経験を活かすという相談者にとっては肯定的なイメージを拾うことで、
相談者は前向きな選択肢に向かって意思決定ができるようになるはずです。
相談者はどうなりたいのかという意思やイメージを大切に展開しましょう。
SIK 4
次回の相談機会があればどのような方策を実施したいと考えますか。
CC 4
現場の困っていることに関しては
上司との折り合いをつけるにはどういった方法が考えられるのかを
もう少し考えていただいた上で 、宿題にするとともに
キャリアビジョン、この先のことに関して
どの程度具体的にイメージされているのかまだわからなかったので
その手を分かる範囲で書き出していただくことから
意思決定をする上での材料を集めていくところを
支援していきたいと思いました。
SIK 5
この方のキャリアビジョンを支援するという意味では、
どんなキャリアビジョンが考えられますか。
CC 5
ワークライフバランスのところで言うとバランスを取りたいので、
今までお仕事一辺倒だったとおっしゃっていましたので
そういう仕事のやり方しか思い描けていないと思うんですが、
それではワークライフバランスが取れないので
そのやり方で本当にいいのかどうかを考えて頂くということだと考えます。
ワンポイントアドバイス➌
相談者ご自身のなりたい姿を
ワークライフバランスという視点で考えるのであれば、
具体的に仕事はどのくらいの割合にして
家庭とのバランスをどのくらい取っていきたいのか、
業務量ですとか仕事の質、実際に家族との時間を
どのくらい取りたいのかというところを確認しながら
ワークライフバランスをとって理想のキャリアビジョンを持って
生きがいを持って働いていただく、このように適切な助言をしていくと
相談者の職業生活設計に役立つのではないでしょうか。
キャリアビジョンという言葉だけではなく具体的にどうやるのか、
方策ではアクションプランを立案するために
ビジョンという描いたイメージを物理的に落とし込んでみると
相談者が次までに何をやればいいのかが
明確化されてわかりやすいですし、自分一人でも進めやすいと思います。
ロールプレイの中でアクションプランの立案が難しい場合は
口頭試問でキャリアビジョンをどのように実現するのか、
働き方や生き方について 実際の業務や休日の過ごし方、
このような点について具体的に対話を通して共有していくということを
直接、試験管に伝えると加点に繋がるのではないでしょうか。
キャリアコンサルティングプロセスとして
個々の相談者に対応していますよと、
次にはこういうことをやりますよと、
論理的な思考プロセスで試験官にアピールできるといいですね。
SIK6
クライアントとの関係構築、リレーションがうまくできましたか。
CC6
そうですね、関係性の構築は仕事以外の面で
こう思っているという部分をご家族のことを含めて語っていただいたので、
そういう意味ではある程度の関係構築はできたと思います。
SIK7
では、お疲れ様でした。
CC7
ありがとうございます。
ワンポイントアドバイス➍
関係構築に関しては試験官の方によって関係構築と
リレーションを分けて表現する場合があります。
リレーションとは何か・・パッと思いつくものは
私はコーヒーカップモデルだと思います。
ではコーヒーカップモデルのリレーションとは何かと言うと
言語的スキルと非言語的スキルを用いて
問題の核心を突いていくための関係構築をすることです。
であれば言語的スキルと非言語的スキルをどのように面談で用いて、
関係構築をしようとしたのか応えられるとさらに良いと思います。
例えば言語的スキルは面談初期と書いてあり、
非言語的スキルは面談中期と、
キャリアコンサルティング理論と実際の書籍に記載があります。
なぜ、面談中期に非言語的スキルが出てくるのかなと考えてみてください。
非言語的スキルは声のトーン(スピード)や質、
仕草や表情などの項目が含まれています。
双方が面談の中で対話を通して関係が構築されてきたからこそ
本音の部分が出てきた時に非言語的な表現に注意して、
相談者に焦点を当てているから、きちんと拾い上げることが出来ます。
一緒に目標や方策へ向かって行くところだからこそ、
誘導的なアプローチをするのではなく、
我々キャリアコンサルタントは相談者を観察して
真意を捉えることが大事だと思います。
自分が相談者の問題の核心に迫る時、
言語的スキルの中の問いかけが多くなれば
リレーションが崩れる可能性もありますし、
面談後期も関係構築を深めていく実践ができているでしょうか。
面談中期では相談者も頭の中を整理したり、
迷いの内容を自分の中で咀嚼して答えを探そうとしています。
そのような相談者の心の動きを非言語的スキルで双方共有しながら、
相談者の心が揺れ動く面談中期に配慮しながら
ロールプレイを進めましょう。
面談を通して関係性を維持しながら、
問題の核心をリレーションを使って捉えることができると
関係構築の加点も望めますし、合格へ更に一歩近づくと思います。
おわりに
次回は、【キャリコン2級ロープレ逐語録】
第23回実技ケース④パート4まとめ」へ続きます。
本日もお忙しいところ、
お読みいただきありがとうございましたm(_ _)m
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