はじめに
名もなきキャリアコンサルタントこと敬天愛人です。
いよいよ今回の記事は第22回キャリアコンサルティング技能検定2級 試験対策講座の個別レッスンで実施したロールプレイ逐語録になります。
個別レッスンでは、実技面接試験出題の仮想ロールプレイを実施し、逐語録を分析してキャリアコンサルティングスキルやカウンセリング技法などの確認を行っています。
2級キャリコン試験対策ロープレ カテゴリーの記事一覧 - 勇気が出る!『キャリア・ライフ』の自己研鑽カレッジ
第22回検定に向けて、文字に起こされた逐語録を見て分析して勉強したい方もいらっしゃるでしょうし、私自身もこの受講生のロールプレイをしっかりと振り返ることで、個別レッスンの更なる質の向上はもちろん、指導者としての力を蓄えるチャンスとして役立てております。
さてさて、キャリコン2級を受験される方は、こういったロールプレイを徹底的に練習されると思います!
その一方で、自分のロールプレイを録音して聞くことや、試験対策講座の先生にその場で指導を受けたりはしていても、文章に起こして振り返った経験は少ないのではありませんか?
逐語録に起こすのがまず大変です(笑)
ただ、逐語録に起こしてみると同じことを何回も言っていたり、ご自身の喋り方の癖や偏りがとても良く分かるものです。
また、マイクロ技法などの細かいカウンセリングスキルのチェックやシステマティックアプローチのプロセスをきちんと踏んでいるかなど、その場のロールプレイや短いフィードバックの指導だけでは、確認・改善が難しいのではないでしょうか。
そんな皆様に、キャリア理論と実際のリアルなロールプレイをご覧頂き、試験やコミュニケーションに役立ててもらえたら幸いです。
※ロープレ内容につきましては、試験と全く同条件の表示はできませんので、基本情報等は変更している部分もありますが、キャリコンスキルの確認という視点ではそれほど違和感ないかと思います。
CL役はイタガキさん、CC役はスズキさん(仮名)でお送りします。
試験を受けない方でも相談を受けた時やコミュニケーションなどに役立つスキルですから参考にして下さい。
では、行ってみましょ~う!!
相談事例
◆ケース2 イタガキさん 35歳
相談者(以下CLと表記)
キャリアコンサルタント(以下CCと表記)
KA(確認ポイント)
CL1
板垣です。
CC 1
板垣さんこんにちは、キャリアコンサルタントの鈴木です。
どうぞよろしくお願いします。
CL 2
こちらこそよろしくお願いします。
CC 2
どうですか、板垣さん来ていただいて、お席の位置はお話ししやすいようになっていますか。
CL 3
はい、大丈夫だと思います。
CC 3
お話しする距離なんかはどうですか。
CL 4
そんなに近すぎないですし大丈夫だと思います。
CC4
先に3点ほどお話をさせて頂きたいんですけどもよろしいでしょうか。
CL 5
はい。
CC5
まず今日の時間なんですが20分ということがあらかじめ決められておりまして、そこで色々な話を伺いしたいと思っているんですが、そこでご相談が終わらないということでしたら必ず次回の場所と時間をお約束させて頂きますので、だから安心して次回があるということなのでお気持ちをお話しいただけたらと思います。
CL 6
そうですか、わかりました。
CC 6
それともう一つ、私ども守秘義務がございまして、今日板垣さんにここでお話しいただく内容というのは、法律で許可なく外部に漏れるような事は一切ないということが決まっておりますのでどうぞご安心してご自由にお話ししていただけたらと思います。
CL 7
はいわかりました。
CC 7
あとですね時計の位置なんですが板垣さんの貴重な20分、しっかり時間管理するという私の責務だと思っておりますので見やすい位置に動かしてよろしいですか。
CL 8
はい、それはお願いします。
CC 8
失礼します、それでは板垣さんのご相談内容をあらかじめ送って頂いたものを拝見しておるんですが、板垣さんの言葉で直接お話を伺いたいと思うんですが お願いします。
~約2分経過~
KA「場面設定」
ここまで約2分ですが、時間管理、いわゆるタイムマネジメントもキャリコンの重要な仕事の一つです。
面談初期の場面設定で「心理的環境」と「物理的環境」を整え、相談者が安心・安全に話せる環境を構築しましょう。
CL 9
会社でのことなんですけど、入社以来、営業一筋で12年半ほどやっていたんですが、3ヶ月前に管理職に昇進したんですよ。
それで商品と同時に人事部に異動になりまして課長になったんですよね。
CC 9
はい。
CL 10
それで張り切っていたんですけど、仕事内容が変わったこともあるし、
CC10
ええ、ええ。
CL 11
部署異動で変わったばっかりだったので管理職というものにちょっと戸惑いというものを感じていて、これからうまくやっていけるのかちょっと車内のことなんですけど自信がなくなってきたんですね。
今後どうすればいいのかなということで考えていたんですけど、ちょっと私だけだとなかなかまとまらなかったもので今日は相談に来たんです。
CC 11
は~・・・そうなんですか。
板垣さん考えがまとまらないと思ってらっしゃって、考える方向性みたいなものが見えればという風なことで。
CL 12
まとまらなかったのでちょっと整理したいなという気持ちでしょうか。
CC 12
なるほど、ちょっと整理に向けて一緒に考えていただきたいと思うんですが。
CL 13
よろしくお願いします。
CC 13
こちらの方からもお話を伺いする中で質問をさせていただくようなこともあるかと思うんですが、もし言いにくいことがあればおっしゃっていただければと思います。
KA「良い点」
「質問をします」と先に相談者に了解を得ることで、相手へ配慮する気持ちを伝え、心理的に介入しやすくする良い働きかけだと思います。
「言いにくいことも何なりとお申し付けください」と、受け容れる姿勢や心理的なハードルを下げるアピールをしておけば相談者も身を任せやすいはずです。
CL 14
ありがとうございます。
CC14
まず3ヶ月前の部署異動になられたと同時に課長に昇進されたと、それで部署異動に伴う戸惑いみたいなものを感じられていると、
CL 15
そうですね。
CC 15
部署異動の変更に伴って自信もなくされたと。
CL 16
自信がなくなってきましたね。
CC 16
当初は昇進されたということで張り切っていられたということなんですが 、戸惑いとか自信をなくされたという風なことにということなんですよね。
CL 17
そうですね・・・ 。
CC 17
それで、その戸惑いとか自信をなくされたというようなお気持ちの方を詳しくお伺いできますか。
KA「間」
CL17で少し落ち込んで考え込んでいる様子を演じているのですが、畳み込むようにCC17の「問いかけ」に流れています。
例えば、CLから何か言葉を発するの待つ「間」、受容・共感して作る「間」、それぞれ色々な対応が可能ですので、少し「間」を活用して、相談者が主導のロールプレイにしていくイメージでメリハリをつけても良いかなと思います。
CCが少し「間」を置いて、心の距離はそのままに、引いて待つわけです。
CL16の発言が事実確認だけですから、受容・共感も弱いですし、CC17のように被せるように質問をしてしまうと、CLを尊重せずCC主導で面談を進めているかのような印象になってしまいます。
せっかく相談者が発言している場面、発言を被せることが相手にどういう影響を与えるか考えてみても良いと思います。
CL 18
あ~・・はい、営業が長かったものですから人事部に来て、今は採用とか社員教育といった仕事をやっているんですが、その仕事が変わったこともありますし、後は今まで係長だったんですけど課長になって管理職になりましたので、まあちょっとその辺で戸惑いも感じるんですよね。
CC 18
そうなんですね、今まで営業でなさっていて、今人事部の方で採用とか、という風なことで業務が全く変わったっていうことなんですよね?
KA「先読み」
「業務が全く変わった?」のでしょうか。そう思ったのはCCの主観で、何を意図してこの言葉を投げかけたのか、そして相談者は何に戸惑っているのでしょうか。
これではCLが全く変わった要素(否定的な資質)に着目して、考えてしまうのではないでしょうか。
例えば自己理解は何に気付きを促すのか、職業理解は何を理解できていないからなのか、これらを結び付ける要素は何か、内省を深めるためにも改めて考えましょう。
~約5分経過~
おわりに
次回は、「第21回キャリコン2級検定 仮想ロープレケース② パート4 中編」へ続きます。
本日もお忙しいところ、お読みいただきありがとうございましたm(_ _)m
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