心を静める。
言葉で言うほど簡単に出来ることではありません。
心が妙にざわついてしまう時、少し心が浮ついている時、
私利私欲や我が強く出てしまう時は、深呼吸をして瞑想してみましょう。
何も考えない状態というのは、ある程度訓練をしないと保てません。
人間の脳は常に考えているからです。
それも大概はネガティブな思考であり、人はもがき足掻くのです。
だから、成り行きに任せて、無理なく自然に生きられる人は、
心静かな人が多いのだと思います。
無理なく自然な流れに身を任せることは、
自然に力を発揮できることでもあります。
心が静まり自然と同化すれば、感情という洪水で心が溢れても、
この水をよく治め、自然と人望と名声が備わることでしょう。
こんな例え話があります。
ある森の動物(鹿)を保護する為に、
人間が天敵(狼)を駆除したそうです。
さて、その森はどうなったと思います?
鹿は人間に守られ、平和が訪れたのでしょうか?
答えは・・・急激な自然破壊です。
天敵の居なくなった鹿は大繁殖し、森の植物や木々を荒らしました。
森が荒れると生態系が崩れ、動物や昆虫が激減し荒廃します。
生態系の崩れた森は制御不能となり、木の根っこが支えていた川岸が崩れ、
川の流れまでも変わり、近隣の洪水被害が深刻となりました。
人間の不自然な行為が、自然を破壊したのです。
でも人間には、自然に逆らうだけでなく、
受け容れて共生する知性も備わっています。
ですから、この森に野生の狼を10頭・・・放したそうです。
さて、自然はどうなったと思いますか?
答えは、
狼によって鹿の数が適度に減少し、狼が大繁殖することもなく、
荒れ果てた植物や森が徐々に再生し、動物や昆虫が戻ってきました。
更に、森が再生したおかげで、川岸の形状まで変化し、
川は緩やかな流れを保つように変化して洪水も減ったそうです。
少しの無理もない、自然なやり方が起こした奇跡。
心静かに、自然に、自然と共に在りたいものです。