はじめに
名もなきキャリアコンサルティング技能士こと敬天愛人です。
我が家の子供たちが恐れる鬼たちの饗宴、
節分も終わりまして、1級検定の実技試験はいよいよ本番ですね!
保育園へ向かう朝の車から降りる時に「保育園に行きたくない・・・」
というほっこりする発言・・・
一番下の子供の気持ちも分かる今日この頃ですが、
我々は1級検定に向けて、
怖れを抱きながらも「勇気」を持って一歩一歩、
粛々と試験対策を進めて行きたいと思います!
さて、私自身はといいますと、
1月27日まで2級の試験対策講座に全力を尽くしていたこともあり、
電車の移動時間やスキマ時間を活用するなど、
自分のペースで少しずつ1級試験対策を進めてまいりました。
受講生ファーストですから、まずは自分のことよりも
2級に挑む受講生の講座が終わってから本格始動ですね。
そんなわけでして、2月になりまして約1か月半ぶりに
練習パートナーと調整が付きましたから、早速、1級ケース3の
オリジナルケース記録を作成して、ロールプレイの練習をしてきました。
今回はそのHOTな練習内容を逐語録で起こしましたので、
これから1級検定に臨まれる方や、勉強されている方に
是非、役立てて頂こうと思います!
1級検定を受験される方だけでなく、2級の勉強をされている方、
国家資格キャリアコンサルタントを初めて受験される方まで幅広く、
1級ってどんなロープレか知りたい方の参考になれば幸いです。
台本などはもちろんありませんし、即興で生のロールプレイなので
お見苦しい言語表現等もあるかと思いますが、私も皆さんと一緒で
一生懸命に勉強して1級合格を目指していますので、
温かい目で見守って頂けるとありがたいと思います。
今後もしっかり逐語録を起こして自分へのフィードバックを行い、
1級検定に向けて自分自身の課題点を振り返りスキルアップしながら、
ここをご覧の皆様に役立つ情報提供をしていきたいと考えております。
多少、お見苦しい点もあるかもしれませんが、ご了承くださいm(_ _)m
1級キャリコン試験対策ロープレ カテゴリーの記事一覧 - 勇気が出る!『キャリア・ライフ』の自己研鑽カレッジ
1級キャリアコンサルティング技能検定体験記 カテゴリーの記事一覧 - キャリア・ライフ「キャリアコンサルティング技能検定2級 試験対策講座」
1級検定は試験対策講座など少なく、情報も多くないですし、
1級ロープレの逐語録はネット上でも拝見したことがありませんので
少しは皆様の参考になるのではないかなと思います。
今回の逐語録は私の実力を計測する意味でも2/2現在のロープレです。
CL役は田中さん、CC役は私(敬天愛人)でお送りします。
試験を受けない方でも相談を受けた時や
コミュニケーションなどに役立つスキルですから参考にして下さい。
では、行ってみましょ~う!!
相談事例
◆ケース3
事例相談者:キャリアコンサルタント(相談歴 1 年)
相談者 :Cさん、男性(22 歳) 大学4年生
事例相談者(以下CLと表記)
事例指導者(以下CCと表記)
CL1
こんにちは田中と言います。
CC 1
こんにちは、田中さん、よろしくお願いします。
本日事例指導を担当させていただく敬天愛人と申します。
CL 2
よろしくお願いします。
CC 2
本日はお忙しいところ、来談いただきましてありがとうございます。
ここまでは迷わず来れましたか?
CL 3
大丈夫でした。
CC 3
どうですか、椅子の位置なんかは?
話しやすい位置にしておきましたが。
CL 4
大丈夫です。
CC4
では私はこのままでやらせていただきます。
最初にご存知だと思うんですけども、我々キャリアコンサルタントには
法律に課せられた守秘義務がありますので、ここでお話しした内容は
外に漏れることはありませんのでご安心してお話ください。
CL 5
はい、わかりました。
CC5
ただ、田中さんですとか第三者に生命の危険ですとか危害が及ぶ場合ですね、
そういった場合はその限りではありませんので
ご存知かと思うんですけどご了承ください。
CL 6
はい。
CC 6
では初めてお会いしましたので、安心して話してもらうためにも
簡単に私の自己紹介のさせていただいてもよろしいですか。(はい)
では私の方なんですが端的に言いますと
キャリアコンサルティングの実践を10年ほどやってまして
こういった事例指導と言うんですかね、
担当を担わせてもらって3年ほどになります。
理論と言うとちょっと堅苦しいんですけども普段使っている立場というか
態度に関しましては来談者中心療法をご存知ですかね(はい)、
そういった立場でやってまして、面談の技法なんかは
システマティックアプローチって覚えてます?(なんとなく)
その実践をしておりまして、それ以外に勉強会の主催ですとか
講演会ですとか、そのように仰々しいものでもないんですけど
主催をしたりなんかして普及ですとか教育活動に従事しております。
今日は田中さんから面談の悩みというか
ケースをお持ちいただいたということでしたので
そういった今回の面談の中での課題ですとか、
それについての不安というか解消ができたりですとか、
後は事例指導ということですので、育成的な視点でも
お話の方を伺いながらやっていきたいと思いますのでよろしくお願いします。
CL 7
よろしくお願いします。
CC 7
それと本日は大事なお話ですのでメモを取らせて頂きながら
進めていきたいと思いますので、終わりましたら廃棄しますので
責任をもってこちらで処理いたしますのでご了承いただければと思います。
CL 8
はいお願いします。
CC 8
ではよろしければ田中さんのプロフィールなんかも
簡単に教えていただいてもよろしいですか?
CL 9
私は大学のキャリアセンターに勤め始めて約1年というところで、
国家の資格も取りまして、こちらの大学のキャリアセンターの方に
うまく転職できまして勤め始めたんですけども
初めての一年なのでまだまだ卒業生としては最初の子達で
優秀な子達が多いんですけども一人どうしても
相談に来なくなってきてしまった方がいまして。
CC 9
相談に来なかったんですね。
CL 10
そうなんですよ、そのケースが気になっているので
時期的にもその子の相談が続くようであれば、今後どうすればいいのか
その辺りも含めて相談に対してご指導いただけたらなと思いまして伺いました。
CC10
田中さんにとってはちょっと大変なケースと言うか、ことだったんですね。
CL 11
初めてのケースでしたね。
CC 11
1年ぐらいですとどうですか業務の方は慣れましたか?
CL 12
自分自身がようやく業務としては一通りしたというところですね。
CC 12
まだ1年ですもんね。
~約5分経過~
CL 13
はいそうなんですよね。
CC 13
そうしましたら早速相談記録を拝見させていただいてもよろしいですか?
CL 14
はい、こちらになりますよろしくお願いします。
CC14
お預かりします。相談記録は今回どのように作られたんですか?
CL 15
今回は以前資格を取った際に学んだ資料を引っ張り出しまして
久しぶりにちょっと形式ばった形で作成してみました。
CC 15
素晴らしいですね、書き方なんかはその時に勉強したことを
活かしながらという感じですか?
CL 16
そうですね、学んだことを思い出しながらまとめさせていただきました。
CC 16
では内容を拝見させていただくと、
来談経緯・面談経緯・所感の三つにまとめていただいたということで・・・
面談経緯かなんかもすごく丁寧に書いていただいてますね。
あとはどのように関わったかというところも書いてあるんですね。
うんうん、支援の様子なんかも書いてあって、
すごく分かりやすいと思いますので、まずは 大変だったと思います。
ご丁寧にありがとうございました。
CL 17
あ、いえいえ。
CC 17
あとはもし・・・そうだな、相談者に抱いた感情なんかも書いていただくと
より参考になるかと思いますので、こういった振り返りの際には
意識してみたりとか、してみてもいいのかなと思いましたけども。
CL 18
はいわかりました。
CC 18
どうですかね、振り返ってみて頂いて、書き直して見ていただくと
また振り返りというかできますので。
気づいたこととか整理されたことなんかもあったんじゃないですかね。
CL 19
そうですね鮮明に思い出しますね、こういうものがあるとね。
CC 19
何か気づいた点何かありました?
CL 20
そうですね、この形式で相談記録を書いていて、
逆にもっとアドバイスをした方が良かったのかなーとか・・・。
CC 20
所感のところに書かれていますね。
CL 21
はい、そういう気持ちになってきましたね。
CC 21
うんうん、それはアドバイスをした方が良かったな
という気持ちになったのは、どういったところから感じたんですか?
CL22
今回はすごく気持ちを大切にしたつもりだったんですけども。
CC 22
相談者の気持ちに寄り添いながらというか、大切に?
CL23
結構いろんなことを話してくださったので、
自分の中で関係も構築できたと思ったんですけども、
ただ2回目に来ないとなると・・・何て言うんですかね
アドバイス的なことをしなければいけなかったのかなと
ちょっと思ったりしまして。
CC23
なるほど、来てくれなかったことによって何か足りなかったんじゃないかと
そういう感じを受けたんですね。
CL 24
う~ん。
CC 24
そこがアドバイスなのか、ご自身としてしっかり気持ちを受け止めたのに
どうしてきてくれないのか、そういったところですよね。
CL 25
そうなんです。
CC 25
わかりました、はい。今振り返っていただくと、
今2点、出ましたけども気づきもあったと?
CL 26
う~ん・・・。
CC 26
悩みと言うんですかね、解決する問題点について
少し気づかれたのかなと思いましたので、
せっかくご丁寧に作って頂いて恐縮なんですけども改めて思い出しながら
来談経緯からですね、またニュアンスなんかも作って頂いてるものとは
違うと思いますので、田中様の方からお聞きしながら
私も聞いていきたいと思うんですけどもよろしいですかね。
CL 27
はい。
CC 27
そうしましたらまず来談経緯から振り返っていただくといかがですか?
CL 28
そうですね、場所が大学の中のキャリアセンターというところで、
当然、就職活動をする学生さんたちが来るんですね。
今、売り手市場なので私が勤務しているところは
国立大というところなのであんまり大きく就職活動につまずくこというのは
多くなくて最後のアドバイスをもらいにとか
情報収集のために利用する子が多いんですけども。
CC 28
皆さん結構決まってる方が多いんですね。
CL 29
優秀な大学というところで、比較的スムーズにいく中で
今回の相談に来た方はちょっと就職活動がうまくいかないというところで
比較的キャリコンに相談に来たというスタンスだったんですよね。
CC 29
あ、うまくいかないと?
結構悩んで来られたような感じだったんでしょうかね。
~約10分経過~
CL 30
もう自分の中ではどちらかと言うと一流大なのに就職先が中堅、
一流ではないところで、どうしても納得がいかないので極端なんですよね。
いっそ来年もう一度チャレンジしようかという
あまりにも極端な考え方の方だったので、
まずはどうしてそういう考えに至ってしまったのか
背景を聞いたり実際にそう考えているのを
どういう経緯で考えが浮かんだのかというところで、
気持ちなんかを丁寧に聞いたんですよね。
CC 30
ここに書かれている通り、やっぱり再チャレンジした方が
いいんではないかという感じでこられたということですかね?
CL 31
そうなんですよ、なかなかそれも突飛な考えだなと思って・・・
CC 31
そうですよね。
CL 32
就職活動のために留年て 、我々の世代では考えられないですもんね。
CC 32
う~ん、なるほど、そうしますと面談経過の方はどうですかね。
就活で突飛な理由みたいなところを面談で聞かれたわけですか?
CL 33
聞いたところ自分の中では惜しいところまでは行ったから
来年チャレンジすれば受かるんではないかという思い、
思い込みというか半分希望みたいなものは
抱えているというのはわかりました。
CC 33
うんうん、就活についてはやはり大手を希望されていたんですかね。
CL 34
そうですね、基本的には大手であればという印象でした。
CC 34
大手であれば、ただ最終面接まではいくものの
内定がもらえなかったということなんですね。
CL 35
はいこの方はそうでしたね。
CC 35
それについてはどうですか、
話の中で、原因というか感じたことはあります?
CL 36
あ~、原因ですか。気持ちばかり先行して聞いていたのでそこまでは・・・
実は次回に聞こうと思っていて。
CC 36
あ、なるほどなるほど。
CL37
なぜもう一歩でというところがまだ聞き出せてなかったのですね。
CC37
なぜかというところが聞き出せていなかったなと。
CL 38
具体的な就職活動というよりは、想いを・・・
今どういう感情なのかとか 、気持ちの部分ですね。
CC 38
最初に言っていましたもんね、気持ちを大切にと。
CL 39
その辺りを中心に聞いていましたね。
CC 39
はい、それを聞く一方で中堅食品メーカーの内定には
こぎつけたということなんですね。
CL 40
はいそうなんです。ちゃっかり受けてたみたいで・・・
CC 40
はい(笑)、これについては何かお話をされていましたか?
CL 41
そういえば、なぜ中堅食品メーカーを受けていたというのは
聞き出せなかったというかその時には聞かなかったんですけど、
でもそうは言っても自分の中では大手ばかりうまくいかないので
受験もどさくさ紛れで受けた中の一社が内定取れたという感じかなと
思い込みというか気持ちばかり聞いていて
その辺り整理していけてなかったですね。
CC 41
なるほど、それでご家族に報告したところ、
「聞いたことのない会社だね」と。
CL 42
そうなんですよ、やっぱりその辺りの気持ちがクライアントは
相当な思いがあるみたいで、そのあたりの気持ちばかり中心に
家族からのプレッシャーと本人は自分はもっとできるんじゃないか
という思いの辺りがすごく多く語られていたので・・・。
CC 42
なるほど・・・ご自身としては、Cさんとしては少し家族への思いもあり、
チャレンジしたいと言うかそんな思いを持ちだったんでしょうかね。
CL 43
そうですね、成績も優秀な子なのでなぜ自分がという思いもあって・・・
CC43
どうしてできないんだろうかと
そういう思いが強かったということなんでしょうかね。
CL 44
そうですね。
CC 44
うんうん、分かりました。
田中さんとしては相談者さんの思いというか
就職へのこだわりと言うんでしょうかね、
後はご家族のプレッシャーというのかな、
そういったお気持ちを大事にしながら聞いたということなんですね。
CL 45
そうです、だからかなり関係構築はできたはずなんですけど・・・
CC 45
うん、関係構築はできたんじゃないかと。
CL 46
足りないとすれば、じゃあアドバイスが少なかったからなのか、
もっとアドバイスをくれるところの人に言っちゃったのかなとか、
それくらいしか思い当たらないんですよね。
CC 46
うんうん、まあでも相談者の気持ちに寄り添いながらお話をして、
しっかり関係構築を築こうとしたことは、
キャリアコンサルタントとして基本的な態度として素晴らしいことだと、
まずはそこは良かったんではないでしょうか。
~約15分経過~
CL 47
ありがとうございます。
CC 47
ただその一方で、できたものの、ご自身としては寄り添って
聞けたんだけども次回には来なかったということなんですね。
その辺については今どうお考えですかね?
CL 48
やはり傾聴だけではだめなのか・・・。
CC48
傾聴だけではちょっと駄目なのかと?
CL 49
当然、キャリアセンターなので色んな情報が集まってくるので、
そういったところからアドバイスを
もっとガンガンした方が良かったのか・・・。
CC 49
キャリコンとして具体的なアドバイスみたいなところを
もっとしたほうがよかったのかなと。
CL 50
そこが分からず、どうしても基本は傾聴じゃないですか、
傾聴をしっかり出来ていて、次回はこうしようというところも
提案して初回面談を終了しているので、
その辺りは2回目でやって行けばいいと思っていたんですよね。
CC50
2回目以降にこちらに書かれている(ケース記録を指しながら)
課題点を整理したりとか、
相談内容について一緒に考えていこうかとそういう提案だったんですね。
CL 51
はい。
CC 51
ただ一方で傾聴だけだとちょっと駄目なのかなあとか、
具体的なアドバイスをその時にもう少しした方がよかったのかなと、
という所について気になっているということなんですね。
CL 52
はい。
CC 52(約17分)
わかりましたここまでちょっと簡単にまとめさせていただいて
要約させて頂いていいですか?(はい)
相談者の方は大学4年で就活をしていると、
ただ8月ということでもうギリギリですよね。
CL53
はい。
CC53
その一方で、ご本人としてはなかなか大手に決まらないものの、
中堅食品メーカーで内定がもらえて、それを言ったところ
家族の反応がよろしくなく、ご本人としては突飛だけども
再チャレンジしたいとということで、その辺は田中さんしっかり傾聴されて
出来る限り思いに寄り添いながらお話を聞いたわけですよね。
CL 54
はい。
CC 54
ただ、次回の面談に約束に来なかったというところで、
もうちょっとアドバイスした方が良かったのか、
それとも傾聴が関係構築ができたと思っていたけどもどうだったのか、
この辺がご自身として振り返ると気になると言うか、
その辺が改善の必要があるのかなみたいなというイメージなんでしょうかね。
そんな感じで合ってますかね、ここまで。
CL 55
はい、その通りです。
CC 55
分かりました、そうしましたらですね、今、傾聴のお話で
普段から意識されてしっかりやっているということなんで、
どうですか、普段の面談の中で意識されていることは傾聴なんでしょうかね?
CL 56
そうですね・・・。
CC56
傾聴のどんな点に普段は意識を置かれていますか?
CL 57
やはり寄り添っているというのを伝わるように
技法としては繰り返しだったり、オウム返しだったり・・・
CC 57
繰り返し、オウム返しですね。
CL 58
はい・・・。
CC 58
後はどうですか他にあります?意識されていること。
CL 59
う~ん、傾聴で意識していることですか。
後は気持ちを話しやすいような質問を少しして、
とにかく少しでも感情をだしてもらえるように
気持ちを正直に話してもらえるようにしてはいますね。
CC59
正直に話していただけるようにですね。
うんうん、後は具体的なアドバイスもちょっとできないということでしたけど、
その辺についてはどうですか?
普段はアドバイスされることとか、
普段、意識的にこういうアドバイスしようかなとかありますか?
~約20分経過~
CL 60
う~ん、どっちの会社を受けたらいいみたいな
そういうアドバイスはもちろん自分で決めてもらいますけど、
例えばその何て言うんでしょうね・・・提出する書類、
いわゆる履歴書とかそういったものに対するアドバイスとか・・・
後は本人がどういう志望動機を持っているのかとか、
そういうことに関しては具体的にアドバイスは
就職活動にこれから望むということは皆にしたりとか
アドバイスを個別にしたりとかしてますけど・・・
それ以外でのアドバイス・・・後はこういう関係の企業で
求人が出ていないかという情報収集に来る子には
こんな所あるよーとか情報提供に近いような
アドバイスとかっていうのはしてますけど。
今回の相談者の場合はそもそも留年することへのリスクとか
そういうことをアドバイスするべきだったんじゃないのかなーとか。
CC60
留年のリスクね、そうですね。
確かにそれがわかるとその方の未来の行動、
状況が見えてくるかもしれないですね。
CL 61
そうですね、もしかすると留年する覚悟があるんであれば
逆に就職活動を伸ばしたいんであれば院の方に進んでもらって、とか。
そういう方法もあるよとか・・・そういう風に重きを置いて
初回面談をするべきだったのか・・・
ちょっとその辺が分からないんですよね。
CC 61
うんうん、その辺についての情報提供ですとか、
具体的な行動に移せるようなアドバイスとかね、
そういったものを移せるようなアドバイスとかを
振り返るとありだったのかなと、
どうだったんだろうなと思うわけですね。
CL 62
はい。
CC62
そうしますと今日ね、せっかくこういった形で足を運んで来てもらったので、
今二つ問題点というかご自身の中で感じている改善点というのかな、
気になっている点が二つありましたので傾聴の部分ですよね、
しっかり寄り添えたかどうかというところ・・・
寄り添ってらっしゃると思うんですけど。
例えばそこの部分か、はたまた具体的なアドバイスというのかな、
そういった点、また他に別にこうした方がいいというか
気になっている点があるのか、その点を含めまして、まず、
今日の面談の中で何をやっていきたいとかっていうのはあります?
今後どうしていきたいとか、こういったところをやっていきたいというか、
足りないところというのかな、最初に言ってましたけども
何が不足しているのかというところのレクチャーについて
どこからまずやっていきましょうか。
CL 63
そうですね・・・まあ正直、
初回面談のアドバイスってどのくらいの割合で入れてもいいものか、
関係構築しないと次回来てくれないような、
なんとなくそういう気がしちゃっているので、
とにかく1回目はまず安心してもらうために
洗いざらい気持ちを話してもらうようなイメージだったんですけど、
それでは多分今回物足りなさが出てしまったのかなと思いまして。
CC 63
あ、Cさんがですね?
CL 64
そうですねクライアントが、その辺りのさじ加減的なものを
少しアドバイスいただければ、いただけたらなぁと。
CC 64
具体的な初回面談のアドバイスのさじ加減ということですかね。
CL 65
はい。
CC65
それについて今日の面談でやっていきましょうか。
CL 66
はいお願いします。
CC 66
それの解消に向けて、目標としてじゃあやって行くということで、
残り時間7分ぐらいなんでやってきましょうか。
CL 67
はい。
CC 67
ではちょっと今振り返ってみていただいて
初回の面談のさじ加減っておっしゃったんですけども、
今回の面談のケースでしたら田中さん的には
どの位までアドバイスをした方が良かったな~とか、
こういうアドバイスが考えられたなーみたいな、
選択肢とかって思い浮かびますか。
CL 68
そうですねそれが多分できてませんでしたね。
今この相談記録を書いてみてやっぱり少なくとも
留年に対するリスクくらいは初回で伝えておくべきだったかなーとか。
CC 68
なるほど、はい。
CL69
ただ初回の時点で言ってしまうことによって、
二者択一で、要は決まった所に行くのか留年かみたいな方に対して
それは時期尚早のような気がしてしまってためらいがあったんですけど・・・
CC 69
あ~はいはい、そうですよね、
情報提供するにはちょっと早いかなみたいな?
CL 70
否定的なこととかそういったことを言うと逆に信頼関係が、
前半 構築してきたものが、そこでプツっと途切れてしまうんじゃないか
という恐怖心みたいなものが自分にありまして・・・
CC70
なるほど、そうしますと
留年のリスクについては提供した方がいいかもしれないけど
少しご本人としてショックじゃないけど、
閉ざしてしまうんではないかと?意思決定ですね?
~約25分経過~
CL 71
ええ、ええ、そうですね。
CC 71
そうですね、こちらにも書いてありますけども、
意思決定の支援と言うかプロセスって言うんですかね。
尊重したいというお気持ちはキャリアコンサルタントとして学んだというのかな、
それを尊重したいと意思決定できるように話を聞いたということなんですけど、
意思決定というと意思決定支援にはどんなものがあったか覚えてますか。
CL 72
意思決定支援・・・ ちょっと技法とかの名称は忘れちゃったんですけど、
でも考えられるメリットデメリットなどを書き出した状態で
冷静に見て比較しながら、私の場合はちょっと視覚化してあげて
意思決定しやすいように引き出したりとかはしてますけど。
それ以外にどんなことがありましたっけ?
CC 72
普段されているわけですね。
そうしますと先ほどすごくいいこと言われたと思うんですよ。
その方の未来に向けて意思決定する上で、選択肢に対して
メリットデメリットを吟味してね、
それに対する意思決定についての分析をする、検討をすること、
非常に大事なことだと思いますので。
例えば今、留年に対するリスクっておっしゃったじゃないですか、
逆に言えば留年の利点、メリットについて今回提示したら
リスクってちょっと緩和されません?
CL73
あ~・・・なるほど。
CC73
良い面と悪い面、
先ほど言ったメリットデメリットと一緒じゃないですか?
CL 74
はい。
CC 74
そうするとその方の関係構築ってどうですかね?ラポールというか。
CL 75
留年のメリットですか・・・、留年にもメリットを探せば・・・
そうですね、すぐにそれもポンと、
浮かぶようにならないと駄目ですね自分も。
CC 75
うん、気づかれたんですね。
CL 76
留年にはデメリットしかないと思ってたんで・・・。
CC 76
うん、そうですよね、すごくいいところに気付かれたと思うんですよね。
その方にとって留年ってリスクだけではないとは思いますし、
必ず物事にはメリットとデメリットがありますので、
そういった方への意思決定支援の一つとして、
先ほどおっしゃいましたよねメリットデメリットって。
CL 77
そうか・・・。
CC 77
プロセスとして先ほどいったリスクがあれば、利点ですよね。
CL 78
留年はデメリットでしかないっていう自分の思い込みが働いてしまって、
だからこそ余計にそういったことが切り出せなかったんですかね。
CC78
そうですね、そうすると留年のリスクだけじゃなくて
利点というのを考えさせると
今回の面談のケースに当てはめるといかがでしょうかね?
CL 79
そうですね初回の面談の状態で、その話が本人から出てきたのであれば
じゃあ留年するとこういうメリットもあるけど
こういうデメリットもあるねなんていう感じの情報提供、
アドバイスは確かにできましたよね。
CC 79
はい、そうするとアドバイスは一つ、選択肢として増えますよね。
CL 80
そうですよね~、そうか、そういうことか。
CC80
一方で関係構築が、と言ってましたけども、選択肢、
方策の実行って言うんですかね、選択肢の提示は
キャリアコンサルタントとして習われたと思うんですけど。
CL 81
そうだ~、学生はまだ社会に出たことのない若い子達じゃないですか。
ちょっとしたことで傷ついたりしやすいと思って
こっちがちょっと遠慮しちゃってたかもしれないですね
CC 81
そうですね普段から遠慮とか、思い込んでしまったりとか、
分かったつもりと言うんですかね、
そういったこともあるのかもしれませんね。
CL 82
なるほどそうでしたか、そうかもしれません。
CC 82
それがまず一つ、今後やっていけることかなと思いますので。
あとはどうですか、選択肢に関して意思決定と言いますと?
CL83
意思決定、そうですね、今なにか覚えてます?って言われて、
確かに勉強してた頃、一生懸命資格取る時には勉強していたのに
いざ実務に入ると、キャリアセンターの中の就職活動にばかり特化していたので
結構忘れてしまっていたので、少し理論とか整理してみたり
意思決定の方法なんかも探してみると、
こういったちょっと普段と違うケースが来た時に対応できるように
キャパを広げていくっていうのが必要だなって思いました。
CC 83
そうですね、すごくいろんなことに気づかれて、
選択肢の提示というのはその方の意思決定に関することなので。
また意思決定ができるとどうですか?
今回一緒にやっていこうといった時に目標の設定なんかはされたんですか ?
CL 84
今回してないんですよね~、
今回と言うか実は毎回できてなかったかもしれない。
次はこういうことをしましょうということはできていても
最終的なゴールというところが本人たちが希望する会社に
より近いところに受かるというのが共通認識でもっていると
思っちゃってたのかもしれないですね。
CC 84
そうすると一緒にゴールに向かって行こうと言うか、
そこの計画性プロセスというのも意思決定支援の一つだと思うんですけど、
いかがですかね?
CL 85
あ~、そうですね。
ゴールまでの道のりを事前に教えてあげるというのも。
CC 85
一緒にどこへ向かっていくのか、就職した後、
大手に就職したらどうなるのか。
そういった未来の状況についてしっかり聞けると
良かったのかもしれないですよね。
ピピピピピ・・・。
ここで時間切れとなりました。
口頭試問
ここから、口頭試問です。
試験官(以下SIKと表記)
キャリアコンサルタント(以下CCと表記)
SIK1
今回のロールプレイでうまくできたところと
いかなかったところはどこですか。
CC1
はい、うまくできたところは事例相談者の方の普段の面談で
お持ちの不安な気持ちですとか、後は不足点ですね、
そういったものに関して傾聴しまして、
関係性だとかラポールを意識して
うなづきですとか相槌ですね、そういったもののスキルを使って
気持ちを受け止めた上で、
後半は事例相談者にこれからの方向性というのかな
アドバイス、選択肢についての気づきを促す
アドバイスが出来たところが良かった点ですね。
うまくいかなかったのは、事例相談者がキャリアコンサルティングをする際に
相談者の方に対してわかったつもりになってしまったりとか、
傾聴に対してある程度自分がこだわりというのかな、
傾聴しなければいけないというところがあったので、
そこについての問題の本質というのかな、関係構築イコール傾聴、
傾聴は何なのかという本質まではたどり着けなかったのかなということで
方策のところのアドバイス気づきになってしまいましたけども、
そういった本質のところの問題点を掘り下げられると
もっと良かったのかなあと、そこがうまくいかなかった点です。
SIK 2
事例相談者が訴えた問題は何でしょうか、
また指導者の視点で捉えた問題は何ですか。
CC 2
事例相談者が訴えた問題は、事例相談者は自分では傾聴して
気持ちも受け止めて関係構築をした上で、まずは相談者の話を聞くことで
信頼関係が築けて次回の面談の約束もできたと思っていたんですが、
急にキャンセルになってしまったということで自分の傾聴が不足している、
また、アドバイスについてどこまでしたら良かったのか
そういった不足点について悩んで
来談されたというところが相談者の問題点ですね。
指導者の視点で捉えた問題は、事例相談者が・・・、
初回面談で傾聴をしっかりしなければいけないということで、
まずはお話を聞こうと言う形で傾聴に徹しすぎたというところで
例えば目標設定であったり、具体的な方策であるアクションプランだとか、
そういった相談者の問題を捉える
キャリアコンサルタントとしての視点ですとか、実際に実行するまでの支援、
というところについてのスキル不足であったり、
後はキャリアコンサルタントとしての問題の把握について
深く切り込めていないというのが事例指導者として捉えた問題です。
SIK3
では、解決するための目標設定をどこに置きましたか。
CC 3
はい、そうですね。
ご本人が傾聴を重視しているというところの問題について、
後はアドバイスについて不足しているのではないかと いうところ、
後は初回面談のアドバイスについてのさじ加減と、
どこまでしていいのかと言うところにご本人に考えていただきまして、
意思決定の選択肢の提示というのかな、初回面談のアドバイスについて
どこまでアドバイスしたらいいのかという所について、
一緒に考えていくという点について理解してもらう点に目標設定に起きました。
SIK4
目標設定についてどのように共有しましたか。
CC 4
はい、そうですね・・・次回、初回面談の中でのアドバイス、
方策の実行について、そういった問題を把握していく、
そういった具体的なアドバイスについて意思決定支援を用いまして・・・、
面談の中で気づいた問題点について、ご本人が傾聴について重要視しているが
それがどうなのかというところと、後はアドバイスについて
もう少しした方が良かったのではないかというところ、
初回面談でのアドバイスのさじ加減についてと言う点ですね、
それぞれについて 説明した後に、どれから進めていくことによって
事例相談者の方が不安を解消できる方向に向かっていけるのかを
共有してから目標を設定しました。
SIK5
どのような指導方策を立てましたか、
また実施できなかった指導方策は何ですか。
CC 5
実施した指導方策については、
初回面談のアドバイスのさじ加減ということだったので、
実際の具体的な選択肢の提示について方策の実行、
システマティックアプローチの順番を逆からたどりまして、
方策の実行に至る選択肢の提示をするために、
意思決定支援プロセスを用いて、メリットデメリットの必要性や
リスクや利点ですね、それぞれについて考えていただくことができると
選択肢として相談者の支援、意思決定に役立つというところについて
理解してもらいました。
実施できなかった指導方策については、終わり際でしたけども
例えば意思決定支援について他に何かありますか、というところで
目標共有をいつもしていないということだったので、
目標共有をするためには計画性、プランニングが伴うところに
気づいていただいて、ご本人が大手に就職したらどうなるのかとか、
留年したらどうなるのか、そういった状況や思いについて未来のことについて
考えてもらうような指導方策、目標設定に向けての意思決定支援が
できるような指導方策を考えていました。
SIK6
今回のロールプレイに対して自分の何に気がつきましたか。
CC 6
はい、そうですね、面談の目標を設定する際に
事例指導者として捉えた問題については、
ご本人が意識されている傾聴部分だったので、
そこの部分は気付かせるのが難しいレベルの方なのかなと判断しまして、
今回の面談のケースですね、相談ケースを用いて、
まずはやりたいこと、解消していくことについての共有をすることを
意識してやったんですが、目標設定については共有して頂いた一方で、
より事例相談者の問題の本質と言うんでしょうか、
そこについてはご自身の傾向やクセを一般化する中で
気づいていただくように指導というのがちょっと足りなかったので
その辺についても十分に説明を行った上で、事例指導者として
面談を進められれば良かったなと、
改めてそう言ったスキルが必要だなと感じました。
SIK7
では自分に足りなかった指導におけるスキルについて
今後どのように研鑽しますか。
CC 7
はい、そうですね。
私自身のキャリアコンサルティングスキルもそうですが、
事例指導者として事例相談者の方のご自身が気づいていないような
問題の本質に近づけるような問題共有ですとか、
それに向けて問題のケースだけではなくて、
普段やっている面談の良いところや改善点、
そういったものを修正していくというか改善していけるような指導、
また、それによって、そういった向上に貢献できるような
指導がしていきたいと思いますので、私自身も事例指導ですとか
スーパービジョンですとか、そういった自己研鑽の機会を設けながら
こういった事例指導を重ねて成長していきたいと思います。
SIK8
では今日はお疲れ様でした。
CC8
ありがとうございました。
~約40分30秒で終了~
おわりに
さて、
「第8回1級キャリアコンサルティング技能検定
ロープレケース➂パート1まとめ」はいかがでしたか。
音源をたどりながら、逐語録に起こしたのですが
自分では結構出来ていると感じました。
事例指導における全体の構成や事例相談者に関わる問題の見立て、
指導者としての言葉のチョイスや態度、落ち着いた声のトーンを意識して
ゆったりとしたペーシングで進めて行くことも出来ましたし、
論述試験を経て一回り成長したのではないでしょうか!
検定で高得点をたたき出した1級技能士の先生から
「論述試験の用語をきちんと使うべし!」と、
アドバイスを受けていた通り、なんとか実践できるようになってきました。
いや~、素直に受け止めて実践して結果ですね!
※私が1級対応のキャリア理論を培った論述試験の解答例はこちらから購入できます
この後にもう一回ロールプレイをしていますが、
今回の練習では結構手応えを感じましたし、
時間も気にせず、更に事例指導が楽しくなってきました!
この調子で自然に、何も意識せずに、
合格レベルの極みに達したいものですね。
あ、口頭試問はまだまだなので試験日までに改善して、
もっともっと1級に相応しい応答ができるようにしたいと思います!
本日もお忙しいところ、
お読みいただきありがとうございましたm(_ _)m
こういったきめ細かい指導を受けてみたい方は下記の応募フォームから!
お問い合わせお待ちしております!
もちろん、自分が本当はどうしたいのか分からない方、
転職相談や就職相談、客観的に自己分析を知りたい方など、
キャリア相談もこちらまで!
テキスト販売中
試験対策講座関連の過去記事はこちらです、
合わせてお読み頂けると大変嬉しいです。