はじめに
名もなきキャリアコンサルタントこと敬天愛人です。
今回は前回の記事の中編になります、どうぞご覧ください。
CC10
そうですね、社長が亡くなった時はショックでしたけど。
ある意味そうなると廃業っていうのもあり得るのかなっていうのもちょっとね、想像してたというか思ってましたんで。廃業になっちゃったかという感じです。
CC10
廃業になっちゃったかという感じですか、それはなんでそんな風に思いますか。
CL11
う~ん、30年やってくる中でずっとこの仕事を定年までやっていくのかな~とか、和菓子製造の仕事に誇りもありましたし。(誇りもね、そうですよね)
社長もまだ70ちょっとくらいだったんで、まだ元気にやってくれていると思ってたんですけど、そんな矢先でしたから。
分かってはいたものの、色々と周りも変わってくるし。
CC11
分かっていたもののというのはどんな風に分かっていたんですか?
CL12
社長が亡くなったら事業の継続は難しいなと。
私も経営を一緒にやってましたから、社長の偉大さというか仕事ぶり、周りとの連携もそうですし、こういう和菓子製造は取引先との関係性も大事なんで。
そういう意味では柱でしたから、息子さんとかには荷が重いというか無理かなと思うんで、急遽亡くなってしまったんで事業の引き継ぎなんかもしてませんし、息子さんもショックでしょうし。
息子さんなんかは違う会社に行くみたいなんで・・・役員レベルの話なんで詳細は知りませんけど。
CC12
そうだったんですね、急に亡くなられてしまった。
社長さんが経営のことも、会社内のことも外部のことも顔となってやって来られていた。経営に携わっていたマツダさんも社長の為と思ってやってこられてきたけども、経営的なところを見ると亡くなったらどうなのかなと感じていた(そうですね・・・)
現状では廃業になったのは致し方ないのかなという考えですかね。
CL13
まあそうですね、長くやることも大事なんですけど、機械もそうですし工場というのはシステムも含めて維持が大変ですから。
CC13
そういう機械なんかはメンテナンスのことなどよく言われますけども。(ええ)
CL14
お金が掛かりますし投資するだけの資本もないので、そういう意味でも致し方ないなと。
CC14
そうなんですね・・・、マツダさんは経営的な面も携わってこられたから凄く詳しいですよね。
CL15
ああ、数字的なことも一緒にやってましたから。
CC15
先のことなんかも考えて見通せていたなんてのも凄いところですよね。
CL16
う~ん、その辺は見えていたと思うんですけど。
CC16
では、色々な会社的なことを考えると廃業というのはマツダさん自身はある程度整理はついてますか。
CL17
そうですね、気持ち的に前向きになれない思いはありますけどね・・・しょうがないなと。
CC17
前向きになれないというのは突然廃業になったからですか。
CL18
社長が居なくなって、会社も無くなってという寂しさというか・・・そういうのは少し引きずってるかもしれないですけど。
CC18
社長さんが亡くなって寂しさを引きずっている・・、そうですよね、社長さんのために頑張ってこられたマツダさんですもんね。
そういうお気持ち、寂しいお気持ちになりますよね。
今、社長さんがマツダさんを見たらなんて声を掛けられますかね。
「環境要因への配慮」
KA
社長への思いを少し引きずっているCLに向けて、ここには存在しない社長からの立場でCLを励まし、気付きを促そうとしていますね。
この言葉を言った時のCCの表情がとても印象的で、声のトーンも変わって優しく見えたので、相談者に寄り添う気持ちが表に出ていた場面でした。
ずっと信頼していた親代わりでもある社長の言葉は、会社の誰よりも重い言葉ですから、CLが置かれた状況を乗り越えるための資源でもありますし、客観的な社長の視点から自己を見つめることが出来るはずです。
「10分経過」
CL19
ああ~、励ましてくれるでしょうね。
俺が居なくなったからって落ち込んでないで頑張れよって、言ってくれるんじゃないですかね。そういう気持ちでいてくれるんじゃないでしょうか。
CC19
もし、そういう声を掛けられたマツダさんはどう思いますか。
CL20
う~ん、社長のために頑張ってきたというのもありますけど、家族もいますからね。
会社も無くなるわけですから前を向いて行かなければいけないと思います。
CC20
そうですね、今マツダさんが仰ってましたけど、社長のために頑張ってきたけど家族のために頑張らなくてはと仰っていましたね。
家族のためにと思って、頑張れることって何ですか?
CL21
やっぱ再就職なのかなって、仕事をして収入を得なければいけないというのがありますからね。
CC21
再就職に向けて副社長さんからお話し頂いているようですけど、どういうお話ですか。
「キャリアコンサルタント自身の勘違いと思い込みに注意」
KA
副社長から話を頂いている?マツダさんはそんなことは言っていないのですが、実は前のロールプレイで練習した内容をそのまま言ってしまっているんです。
本試験でも、練習の設定やCCの勘違いと思い込みには注意したいところですし、ついつい、言ってしまう方は気を付けましょう。
CL22
はい、スーパーなんですけど昔からある取引先なんです。そちらの方で主任という形で、まだ部署は決まってないんですけど。役割的にはそんな形で、下積みしながらマネジメントやって、認められれば上に行くイメージだと思うんですけど。
CC22
そうすると再就職の話をそのスーパーの方でやってみないかとい話を頂いていると・・・、 それを一歩踏み出すにはマツダさんはどうしたら良いと思いますか。
CL23
そうですね、自信がちょっと無いので・・・自信が付くっていうのは変ですけど、そういう要素があれば。
CC23
自信が無い、自信があれば一歩踏み出せるんじゃないかなと感じてらっしゃるんですね。
CL24
そうですね、気持ちも切り替えて、まだ特に何もしてないので、やっていけるかなというのは漠然としているところはあります。(うんうん)
CC24
そしたらですね、再就職への一歩を踏むためにどうしたらいいのかというのを一緒に考えて行きたいなと思うんですね。
「意思決定支援プロセス」
KA
今回のようにロールプレイの流れの中で問題把握と目標共有を行う以外にも、意思決定支援プロセスでは「意思決定する段階」の選択肢について、
- 目標を選択したことによる利点
- 選択肢それぞれの行動に取り組んだ場合のメリットデメリットを比較
- 選択した行動の準備、リスクマネジメントを一緒に検討し用意する
こういった問いかけをして気付きを促してから、意思決定を導くという手法もありますし、相談者は客観的に物事を捉えられますので、冷静に判断できる状態になります。
CC役の方は、ここで「再就職への一歩を踏み出す」という目標に関して、問題評価してきた点を踏まえて考えさせてから、CLとコミットメントして主体的な意思決定をして頂くような支援をしていますね。
CL25
うんうん。
CC25
今までのお話をちょっとまとめさせて頂くと、アルバイトの時から和菓子会社さんに30年勤めてきて、総務部長まで勤め上げられてきた。
昨年慕っていた社長さんが亡くなられていて、今年3月に会社も廃業となる。
ということで従業員の方の就職も決まって後はマツダさん自身の再就職先についてどうしたらいいかとご相談に来られたと思います。
今までの社長さんへの思いだったり、会社への思いなんかもお伺いしたんですけど、添いう寂しい思いもあるけど、家族のために一歩踏み出さなきゃいけない、と思われて今日ご相談に来られたと思うので、一歩踏み出すためには自分に自信が付いたら、良いのかなっていうお話を伺ったんですけれども、そういう内容で宜しいですか。
「まとまった要約をする意味」
KA
ここで13分位ですが、まとまった要約をして整理してくれていますね。
では、なぜまとまった要約をするのでしょうか?
- 相談者のここまでの訴えを整理する為?
- 問題を整理して共有し、目標に向かう為?
- 他にも相談者が抱えている問題がないか改めて確認する為?
色々な考え方があるとは思いますが、自分がカウンセリングで行う要約の意味を振り返るのも良いことかもしれません。
まだ、15分前ですから他に不安な点や、これからの展開で理想的なビジョンはありますか?などの問いかけを行い、問題把握と目標共有を更に掘り下げて、より具体的で明確化な目標を共有するアプローチもアリだと思いますね。
CL26
まずはそうですね、一歩踏み出せれば思いますけど。
CC26
一歩踏み出すために、今まで30年やってこられたお仕事内容を聞きたいと思うんですけど、その前に再就職先へのお返事っていつぐらいに?
CL27
え~と、大体1か月くらいですかね、答えださなきゃいけないのは。
CC27
1か月くらいを目途に再就職先へのお返事をしなくてはいけないということですね。
CL28
はい。
CC28
はい、ありがとうございます。そしたらまた、今までマツダさんがやってきたお仕事内容を少し教えて頂けますか。
おわりに
次回は、
【19回キャリコン2級検定/仮想ロールプレイケース4】ver.3後編
へ続きます。
本日もお忙しいところ、
お読みいただきありがとうございましたm(_ _)m
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