お陰様で8年目!キャリコン試験対策講座▶1級技能士の個別レッスン

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【第19回キャリコン2級検定】 仮想ロールプレイケース2&口頭試問まとめ

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はじめに

名もなきキャリアコンサルタントこと敬天愛人です。

 

現在開講中の第20回キャリアコンサルティング技能検定2級試験対策講座。  

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この講座の中で、実技面接試験出題の仮想ロールプレイを実施し、

逐語録を分析してカウンセリング技法などの確認を行っています。   

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キャリコン2級を受験される方は、

こういったロールプレイを徹底的に練習されると思います。

 

でも、皆さんは自分のロールプレイを録音して聞いたり、

試験対策講座の先生に指導を受けたりはしていても、

文章に起こして添削されたことはあまりないのではありませんか?

 

案外、同じことを何回も言っていたり、

マイクロ技法などの細かいカウンセリングスキルのチェック

システマティックアプローチのカウンセリングプロセス

きちんと踏んでいるかなどは、その場の相談支援や指導の会話だけで

確認しきれていないのではないかと思っています。

 

そんな皆様に、キャリア理論と実際のリアルなロールプレイをご覧頂き、

試験やコミュニケーションに役立ててもらえたら幸いです。

 

添削をしながらロールプレイが見れる指導編となっております。

 

※ロープレ内容につきましては、試験と全く同条件の表示はできませんので、

基本情報等は変更しておりますが、キャリアコンサルティングスキルの

確認という視点であれば、それほど違和感はないかと思います。 

 

CL役はニシワキさん、

CC役はスズキさん(仮名)

指導・添削は私でお送りします。  

 

試験を受けない方でも相談を受けた時や

コミュニケーションなどに役立つスキルですから参考にして下さい。

では、行ってみましょ~う!!

 

相談事例

◆ケース2 ニシワキさん 40歳

相談者(以下CLと表記)

キャリアコンサルタント(以下CCと表記)

確認ポイント(以下KAと表記

 

CL1 

こんにちは。 

CC1

こんにちは、キャリアコンサルタントのスズキと申します。

よろしくお願いいたします。

 

CL2 

よろしくお願いします。 

CC2

今日は20分という時間をニシワキさんご用意させて頂いております。

ニシワキさんその間、一生懸命、ニシワキさんお話聞かせて頂きますので

よろしくお願いします。

ここでお話されたこと決して外には漏れませんのでその点ご安心ください。

 

ラポール形成(心の架け橋)は「冒頭」から

KA 

このCC役の方は声の質・量が安定していて、

落ち着いた雰囲気で良いスタートが出来たと思います。

一方で名前を呼ぶこと自体は相手への親近感も高まりますのでいいのですが、

連呼しすぎる点は注意ですね、クセかもしれません。 

 

コーヒーカップモデルのリレーションも同様に大切です。

【リレーション(関係構築)の基本「言語的スキル」】

  1. 受容
  2. 繰り返し
  3. 明確化(感情・意味の意識化)
  4. 支持
  5. 質問(閉ざされた質問・開かれた質問)

以上の5点をチェック!

※意味の分からない方は自分で調べた方が身に付きますし、

 咀嚼できるようになるまで練習すると自分への素晴らしいGIFTになります。

 

CL3 

はい、分かりました。 

CC3 

それではニシワキさん、今日のご相談内容をお聞かせください。

 

「非言語的スキル」座る前に確認すること

KA

言葉遣いも全般的に丁寧で、

非言語的スキルも問題なく良かったと思います。 

【非言語的スキル】

  1. 視線
  2. 表情
  3. ジェスチャー
  4. 声の質・量
  5. 席のとり方
  6. 言葉遣い
  7. 服装・身だしなみ

以上の7点をチェック!

 

CL4 

はい、大学院を私出まして、自動車部品を製造している繊維会社に勤めて16年になります。ただ実は去年12月に部署移動がありまして新しい仕事の馴染めてないんですよね。なんでかっていうとコミュニケーションが取りづらくて、仕事内容もすごく気を遣うんですよ。私自身が緊張しやすいのか緊張の連続でですね、ちょっと疲れを感じてまして、上司に相談しても親身になってもらえないですし、今後そうしたらいいのかなって今日は相談に伺ったんですけれども。

 

「はげまし、支持」

KA
「そうなんですね」は、マイクロ技法でいう最小限度のはげましです。

CLの応答に対するもっとも単純な応答は、

「ふんふん」「なるほど」「そうですか」などの相づちを伴う

うなずきであることを覚えておきましょう。

最小限度のはげましを「はい」「ええ」「そうですか」と、

きちんと相づちを入れていて良かったと思います。

「コミュニケーションが」「疲れを感じている」「親身になってもらえない」等、

キーワードに関して相づちを入れるのも相手の発言を促す際には効果的です。

多用しすぎるのはCLの話の流れを遮ってしまう為、要所要所で使いましょう。 

 

CC4

16年お仕事をされていて、最近部署が変わって慣れない仕事で緊張して・・・

お仕事で疲れを感じていてコミュニケーション、みんなともなんか馴染めず、

コミュニケーションも取りづらく、かといって上司に相談したんだけれども、

親身になってもらえずどうしたらいいかな~って思ってらっしゃる。

 

「主訴の要約」

KA
ここは冒頭の主訴の部分になります。

論述試験でもそうですが、悩み抜いて相談に来るわけですから、

普通は最初に表面的な大事な言葉を言ってくると思うのです。

そういうわけで、冒頭の主訴は出来る限り正確に、感情の反射も含めて

 

「繰り返し」技法を推奨していますが、これには3つのメリットがあります。

主訴要約の3つのメリット
  1. CLにそのまま伝え返すことにより、自分はどうして相談に来たのかという自己理解を促し、聴いてもらえるという安心感を深めてもらうため。
  2. CCが言葉に出すことにより、CLの主訴を共感的に理解していることを言語と非言語でも伝えてラポール形成、自分自身も覚えておくため。
  3. 口頭試問で相談者の問題点は?と聞かれる可能性が高いので、少しでも質問にスムーズに答えられるように口に出して覚えて慣れておくため。
  4. 言語追跡(マイクロ技法)を序盤から意識付けしておくことが出来るため。

この4つのメリットを使っていない伝え返しですと、

「このCCは自分の話をちゃんと聞いてくれているのだろうか」と、

思われるでしょうし、不信感を持たれる可能性もあります。

なんか都合よく聞かれている印象を持たれる方もいるのではないでしょうか。

それと、繰り返し≠オウム返しです。 

※キャリコン義塾テキスト第2版9ページCC4の要約文を覚えると楽です。

 

CL5 

はい。  

CC5

もう少し詳しくお話頂けますか。

 

チャンクダウン

KA

「もう少し詳しく」で思考をほぐす良い質問の仕方です。

CLは悩み抜いて自己資源(リソースを)整理出来ていませんから、

初めは悩みというこんがらがってしまった大きな塊をほぐすような質問、

「開かれた質問」がCLにとっても大切ですし、

我々CCが問題把握するためにも有効な技法です。

 

CL6 

今までは研究開発の仕事をしていて、仕事なんかは特に問題なくやっていたんです。

部署異動してからは検査の最終工程の方の仕事をやっているんですけど、

プレッシャーていうかミスが許されない仕事なんで、結構神経使うんですよね。

今までそういう仕事の経験も無かったので、そういうところで責任というか、

主任としてやらせてもらってるので、ちょっとプレッシャーに感じて

疲れちゃっているのかなって思いますね。 

CC6 

そうなんですね、今、最終工程の検査のところにいらっしゃって、

ミスが許されなくプレッシャーに感じているということですね。 

 

CL7

はい。 

CC7 

今、お仕事のどういうところにプレッシャーを感じてらっしゃるんですかね。

 

「感情への応答」

KA

感情への応答をして頂くのはとても良いのですが・・・、

プレッシャーを感じた理由はすでに言ってませんでしょうか?

ここでは「プレッシャーを感じる仕事についてどう思うか」、

又は、「神経を使って疲れる仕事についてどう思うか」、

などの問いかけを工夫した方が良いと思います。

何故かというと、

緊張の連続で疲れている原因や問題が、仕事内容にあるのか、

コミュニケーション不足にあるのか、違う側面にあるのかを、

問題把握するための「問いかけ」が大切だからです。

感情を深掘りする質問がループしない方が、

早く「問題の本質」に近づけるのではと思います。

CLに「さっき言ったじゃん!聞いてるのかな?」と、

疑われたり、思われることも無いはずです。

私はCL役をして少し困ってしまいましたので、それが次のCL8に出ています。

 

CL8 

やっぱりミスが・・・

最終工程で私を抜けてしまうとお客さんのところに行ってしまうので、

そうすると私の責任になりますんで、

そこできちんと仕上げなければいけないっていうのがありますから

そこは結構プレッシャーを感じますよね。

みんなに迷惑をかけてしまうし、今までそういう経験はあまりなかったので。

CC8 

そうですか、ニシワキさんは今まで最終工程の仕事で

お客様に渡す商品の確認ということでミスが許されないということで、

今まで経験がないので疲れやすいということですか。 

 

CL9 

ちょっとプレッシャーがあって疲れてますかね。 

CC9 

その最終工程の中、

ミスが許されないっていうのは相当なプレッシャーですよね。 

 

「伝え返し」でCLの思いを傾聴する

KA

そのままCLに要約して繰り返すことが「聴く」姿勢で、

CLをその姿勢に導き励ますことになります。

感情に寄り添っていて良いと思います。

 

CL10 

はい、今までは研究開発で何か生み出す方だったので、

失敗することによって何か責任を負うってことも無かったんですけれども、

実際に開発の方で成績ややりがいを見つけてきたので今はそう感じます。 

CC10 

そうですか、今、研究開発でやりがいを感じてらっしゃったってことなんですが、

研究開発のやりがいなどを少し教えて頂きたいんですけれど。 

 

グッドポイント「トランジションの前後」

KA

ここをグッドポイントにしたのは、トランジションの前後、

いわゆる、この相談者が悩む前の状況を思いさせることで、

この転機をどのように乗り越えるかという前向きさを引出す必要があります。 www.careerlife.jp

シュロスバーグ氏も提唱していますが、キャリアの転換とは、

社会的・組織的要因によってもたらされるものですから、

自らこれを上手にキャリアマネジメントする工夫が大切です。

そのためにも上手くいっていた頃のことを気付かせるという、

自己変容を支援するような関わり方が大切だと私は思っています。 

 

CL11 

炭素繊維の強化プラスチックを作っているんですけど、

素材の出来が良かったりとか、より軽くて強い素材なんかができると

商品価値も高まりますし、評価ももらえますので・・・

自分の研究した成果で評価がもらえるというのはやりがいがありますよね。

CC11 

そうですか、研究開発ではニシワキさんが目に見える評価が分かるってことについてやりがいを感じてらっしゃるということですね。 

 

「いいかえ」(展開力に応用)

KA

内容を整理するための「いいかえ」ですが、両者で確認しながら展開に繋げる為、

ここでは「目に見える評価が分かる」という

概念化(既存の概念や枠組みに当てはめて意味付けし明確化)を

しながら展開を引出して気付きを促している技法と言えるでしょう。

CC12も含めて、とても良いアプローチが出来ていると思います。

 

CL12  

そうですね、それによって上司からも褒められますし、

自分もみんなと和気あいあいというよりは

集中して一生懸命やっていても見てくれていたので。 

CC12 

黙々と仕事に向き合ってらっしゃたということでしょうかね。 

 

CL13 

それでも評価してくれてたんで。 

CC13 

評価されてきたんですね。

 

CL14 

はい、頑張ってきたんですけどね。

CC14 

その一方で今はその今までとは全く真逆の出荷における

最終工程の検査ということでミスが許されない・・・。

 

「傾聴で終わらせないために」

KA

ここでは感情の応答をしてくれていて寄り添いながら傾聴しています。

しかし、傾聴だけでCLの主体的な意思決定を

導くのは難しいのはご存知だと思います。

CLの自己効力感が落ちている場合や、落ち込んでいる、

元気がない場合など様々な要因があります・・・そんな時どうするか。

例えば・・・、

【今の仕事内容で「目に見える評価」や

「集中して黙々と頑張ってきたこと」はありませんか?】

などと強みや承認されてきたことを問いかけて、

相手の前向きさを思い出せて気付きを促すといいのではないでしょうか。

ここまで7分くらいですので、観察技法を駆使して

自己理解を促すためのタイミングを合わせていくのも大事だと思います。

 

CL15 

はい、プレッシャーを感じているところです。

CC15  

そのことについて上司に相談されたんだけれども、

親身になってもらえないということだったんですけど、

そのことについてはどう思われますか。

 

CL16  

ん~、なかなか仕事の持ち場を離れられないので、

仕事中合間を見て最終工程のプレッシャーについて

精神的に疲れているんだけどという風に話をしたんですけれども、

最終工程はそれが仕事だからみたいな感じで言ってましたんで・・・。 

それは分かってるんですけどね、

そこでちゃんと話を聴いてもらえなかった印象だったので

それからは相談してないんですよね。

CC16 

そうなんですか、それ以降は相談されていない。

で、今後そうしたらいいかということなんですけれども、

今の部署で上司以外に相談とかはされていらっしゃいますか。

 

「共感的理解と問題把握」

KA

ここではもう少し感情に寄り添ってあげたいところですかね・・・、

ニシワキさんが相談出来なくなってしまった原因が見え隠れしています。

相談出来ていないというCLの言葉に反応して

他に心理的支援が得られないのか考えることも大切なのですが、

例えば、

「コミュニケーションが取りづらい中、ニシワキさんなりに真剣に相談されたのですね・・・にも関わらず話を聴いてもらえなかった・・・どうしたら耳を傾けてくれたと思われますか?」

もしくは、

「コミュニケーションが取りづらい状況で、ニシワキさんなりに工夫して相談されたのですか・・・他の同僚の方などは、困ったときにどうのように上司にご相談されているのでしょうか」

などで気付きを促してもいいですね。

支援を得るためにどうすればいいのか、問題はニシワキさんの話し方なのか、

性格傾向なのか、環境の問題なのか、本人自身で解決するための術を授けます。

 

CL17 

う~ん、結構機械がうるさくて、一人一人が機械について

一生懸命やっているんであんまり話すような感じでもないですし、

自分の持ち場からあんまり離れられないんですよ、

だからあんまり相談も出来てなくて無理やり言いに行ったような感じですね。 

CC17 

そうなんですか、上司以外の方とはお仕事をする持ち場から

離れられなかったりすることもあって相談されていらっしゃらない。

親身になってもらえていないと感じるとどうでしょうかね、

不安に感じますか。 

  

CL18 

そうですね~・・・、自分の納得したっていうところですかね・・・。 

CC18 

他に何かそれ以外でご心配なこととか、これはちょっと引っかかっているなと

思うようなところはありますか。 

 

CL19 

ええ・・・、前の職場の時は結構その都度相談というか聞けてたんですよね。

なんかあれば報告したりとか、話やすい感じだったんですけどね。

今はどっちかというとなかなか話せないんで、

そういうところは出来ていないのかなって。

 

CC19 

前の仕事では報告や連絡など大変しやすい環境だったけれども

今はなかなか上司や周りの人とも相談しづらい・・・。

 

「10分経過・・・問題把握はどうか」

KA

10分、ロールプレイの半分が経過しました。

ここまで傾聴してきた中でCLの問題を定義・評価していくわけですが、

CC視点でCLの気付いていない問題を見立てることはできているでしょうか。

2級試験では熟練CCとして、安定的に面談を進めながら問題把握します。

単純ですが、

「相談しやすい雰囲気で報告や連絡など出来ていたら、

今の仕事についてどう思いますか」

「今の職場が話せる環境で相談出来たら、

精神的な疲れは軽減されそうですか」

などと、

コミュニケーション不足がCLの問題の核心なのか、

それとも仕事内容に不安を感じているから疲れを感じるのかを

見立てていくと一貫性を持って問題把握しながら展開していけると思います。 

 

CL20 

仕事中はそういう話はできないですよね。 

CC20 

そうですよね、あの~、今までのお話をまとめさせて頂くと、

以前は研究開発のお仕事で目に見えて成果が出たり評価もされるということで

大変やりがいを感じてらっしゃった。

で、仕事に対して上司にその都度相談出来る環境だったんだけれども、

一方で今の部署は最終工程ということでミスが許されない責任のあるお仕事、

なおかつ、上司への相談もままならないということで

親身になってもらえないということですよね。 

 

「要約」

KA 

11分の時点で要約してくれましたね、タイミング的には良いと思います。

一方で、要約して整理したら、「他に何かありませんか」と、

思考の拡大を図る質問をしておくと第3の選択肢を

見つけられる可能性が広がり、もしあればこの時点での問題を天秤にかけて

比較出来るようになるわけですね。

そうしましたら、

「これまでのお話からミスが許されないプレッシャーのかかる仕事内容」

「上司への相談もままならず親身になってもらえない」

この2つの問題と比較して頂き、ニシワキさんにとって、

より重要な問題は3つの内どれですか?などと指で数えながら、思考の収斂、

問題把握のまとめに入っていけば展開がスムーズになっていくと思います。

試験官の視点からも「問題把握をして絞り込んでいるんだな」

という印象を持ってもらえますし、

評価区分的にもメリハリがついて良いのではないでしょうか。

 

CL21 

そうですね。 

CC21 

そうなってくると、さきほどなかなか現場では話しづらい

ということだったんですけど、他に何か相談するのに

いい方法ってあるんでしょうかね。 

研究開発の時は相談出来ているとおっしゃっていたのですが、

その時はどのような相談の仕方をされていたのですか。

 

CL22 

そうですね、話が出来ていた時ですよね。

常にみんな何かやってはいますけど、18年くらいいましたから、

どのタイミングで話しかけるとかっていうのは身に付いてました。

上司の様子を見ながらというか、やるようにしていました。

CC22 

そうなんですね、18年の間、仕事の合間っていうのは色々察知しながら、

合間合間タイミングを見てご相談されていた。

 

CL23 

そうですね、手が空いてそうかなとか、なんとなくですけど。 

そうすると話も聞いてくれてたんで。

逆に今の職場だと分かんないですよね、あんまり仲良くないですし、

どこにいるかも分からないし・・・部署異動したばかりで

仕事の段取りもつかめていないので。

CC23 

部署異動してどれくらい経ってらっしゃるんですかね。  

 

CL24 

え~と今、半年くらいですかね。

まだ自分の業務でいっぱいいっぱいです。

CC24 

半年くらいだと全体を把握するのは難しいですよね。  

 

CL25 

はい、この前相談した時もたまたま見つけた時に相談したんですよね。

ライン長はいつも違うところに行ったりしているので。

CC25 

あ~、そうなんですね・・・ああ。 

 

CL26

そっか、その辺の聞き方が悪かったですかね。

CC26

聞き方が悪かった・・・。そうなると今までは充分な把握があったので

聞くことはできたけれども、まだ半年しか経っておられない。

そうなると何か仕事以外で何かお話しできることってあるんでしょうかね。

 

CL27

ああ~、そうですね。 う~・・・ん、仕事以外でか。

CC27

例えば仕事以外でもいいんですが。 1日の間で少し時間がありそうな時とか、

相談の仕方も色々あるのかなと思うんですけど。

 

CL28

まあ休憩中に話す人はいるので、

そういう同僚とかに聞いてみたりするのは良いかもしれないですよね。 

何処に居るんだとか、時間帯とか、機嫌とかもあるんですかね。

人間だし、そうすると僕もイライラしている時に話しかけるのも嫌だし、

忙しい時に話しても親身になってもらえないっすよね。

そういうのも考えた方がいいですかね・・・苦手なんすよね、そういうの。

研究ばっかりやってきて、

人との関わる仕事とかあんまりやったこと無かったので。

CC28

今までは人と関わる機会が無かったから、

なかなかそういう相談に行くとか機会が無かったということですかね。

 

CL29

気が知れてればね・・・、

そういう工夫というのはあんまり考えたことなかったですね。

今までは当たり前のようにコミュニケーション取れてたんで。

CC29

そしたら、今の部署でコミュニケーションをどうやって

相談して行けばいいのかっていうことを、

一緒に考えさせて頂きたいのですが宜しいでしょうか。

 

「意思決定支援と目標共有」

KA

時間的にはこの時点で17分、目標のコミットメントですが・・・、

CLの口から直接コミュニケーションの問題に向かって、

一緒にやっていくという言葉を引出したいところですね。

人間自分が口に出した言葉に責任を持つものですし、

そうやって行かないといけないと気付き、自己変容を導くことで、

キャリアコンサルタント倫理綱領第9条

「自己決定権を尊重する」ことです。

主体的な意思決定をサポートするという方が分かりやすいですかね。

意思決定支援から目標設立はどのような流れで行うものなのか、

テキストのマジックワードを使うタイミングなども考えてほしいところです。

 

CL30

今話をしていて、 仕事内容には確かに慣れてないなと思うので、

話すタイミングとか私の方で少し考慮しないと、なかなか馴染めないかなと。

まずはコミュニケーションを上手く取る方法を・・・

解消できれば少し楽になるのかなと思います。

CC30

そしたらニシワキさんの気持ちが楽になるために、

どのようなコミュニケーションの取り方をすればいいのか

一緒に考えさせて頂きたいのですが宜しいでしょうか。

 

「ロールプレイを演じ切る」

KA

目標設立に向けての合意形成が上手く言葉に出来なかったため、

この時のCC役の方は頬を叩いて苦笑いするという表現をしてしまいました。

国家検定の実技面接という場面で素の自分を出してしまったことになります。

これが実際の相談支援場面だとしたら客観的にどうでしょうか?

相談者役や試験官の方はどのような評価をされるでしょうか?

試験ですが相談支援場面を想定して演じ切ることが大切です。

もちろん、実際のキャリアコンサルティングをする気持ちで

相談者に向き合い、寄り添い、ロールプレイを行いましょう。

 

CL31

そうですね、それを一緒に考えて頂いて分かるんであれば助かりますね。

CC31

いつ頃までに相談してみたいっていうのはありますか。

 

ピピピピピ・・・。

 

ここで時間切れとなりました。

 

ここから、口頭試問です。

 

口頭試問

ここから口頭試問のロールプレイです。 

 

試験官(以下SIKと表記)

キャリアコンサルタント(以下CCと表記)

確認ポイント(以下KA)

 

SIK1 

この相談者の相談したい問題点とは何でしたか。 

CC1 

相談者は研究開発から最終検査部門に異動したことによって、

慣れない仕事で・・・緊張感のある仕事から疲れを感じ、

そのことについて上司に相談したものの親身になってもらえず、

どうしたらいいのか分からないのが問題点です。

 

「一貫性と非言語的スキル」 

KA

ここは主訴ですね、論述試験でいうと(1)に該当します。

私は冒頭でCLが言う主訴(初期設定)を要約して、

CLに必ず伝え返して下さいと教えます。

CLが何の相談に来たのか自己理解できるように要約して伝え返す意味と、

自分が覚えておいて最後の口頭試問できちんと言えるようにする意味があります。

※答え方はキャリコン義塾テキストⅠのp.2と16、Ⅱの第2版p.7を参照

ここでは、正確に要約出来て、CL視点での問題把握がしっかり出来ています。

 

SIK2

では、キャリアコンサルタントとして考える相談者の問題点は何ですか。 

CC2

相談者はコミュニケーション不足があると思われます。

なぜならば、上司に相談した時に親身になってもらえずと

おっしゃっていたのですが、相談の仕方などタイミングや

相談内容について上手く話せないことが問題です。

あと、今までの仕事と内容が変わったために、

気持ちの切り替えが出来ないまま仕事をしているように見受けられます。

 

「CC視点の問題把握」

KA

ここは我々CCの見立て、問題把握力、論述試験(2)に該当します。

どうしてCLは相談に来たのか、何を一番不安に感じていて、

何を一番やりたいのか、いわゆる4S点検(リソース)

整理出来ない状態にあり、行動を起こせないことが問題です。

※答え方はキャリコン義塾テキストⅠのp.3と16、Ⅱのp.7を参照

 

それと、口頭試問では、自分を客観的に評価できるかどうかが試されます。

 

優先順位をつけて問題評価することは1級試験の論述試験でも必要とされますね。

※キャリコン義塾テキストⅠのp.17を参照 

 

SIK3

今のロールプレイで良かったところ、

悪かったところを言ってください。 

CC3

はい、良かった点はニシワキさんのコミュニケーションが取れず、親身になってもらえないという気持ちに寄り添ってお話を進めさせて頂いたことで、ニシワキさんの口からコミュニケーションの取り方が苦手という言葉をお話し頂いたのが良かった点です。

悪かった点は、相談者に気付きを与える質問が明確でなかったり曖昧だったりすることでシステマティックに相談が進められていなかったという点です。

 

「自己評価」

KA 

システマティックアプローチをさかのぼって確認します。

方策のコミットメントが出来ていない→ 方策→

コミットメント→目標設立→問題評価という順に逆算して、

どこが出来ていなかったというのを構成的に振り返るといいでしょう。

例えば、具体的な方策まで詰められなかったということは、

目標合意や問題把握がコミットメントされていないことや、

開かれた質問を有効に使えず問題定義が出来なかったことに

真の原因があるのかもしれないのです。

※キャリコン義塾テキストⅠのp.17、Ⅱのp.7を参照

 

苦手な方は、もっとシンプルに言ってもいいかもしれませんね、

「主体的な意思決定を導くような問いかけが出来なかった」

「相談者のこの気持ちについてもう少し聞ければ良かった」

「ご家族とのコミュニケーションについても聞ければ良かった」とか。

こういった客観的な評価が明確化されることで、

試験官の評価も良くなると思います。    

 

SIK4

はい、では試験の方は以上です、お疲れ様でした。 

CC4

ありがとうございました。  

 

おわりに

さて、

【第19回キャリコン2級検定】

仮想ロールプレイケース2&口頭試問まとめ

は如何でしたか。

 

実際のロールプレイを基に、

キャリアカウンセリングのスキルをご紹介しました。

 

このCC役の方の問題点というか傾向としては、

CC視点が弱く、CLの表面的な応答に終始している点でしょうか。

これにより、更に具体的に言いますと、

システマティックアプローチやマイクロ技法の面談の5段階などの

構造的なアプローチを実践出来ていないことが問題と考えられます。

 

キャリアコンサルティングプロセスを終了させる過程を理解してもらい、

CC視点(CLが気付いてない問題)の重要性を認識する必要性もありそうです。

 

実はCC31の後もケース終了まで通しでやって頂いて

成功体験をしてもらいましたが、方策のバリエーション不足や、

この相談者の問題点を20分でどこまで解決すればよいのかという

筋道を立てる視点も不足しているように感じました。

 

ロールプレイをコントロール出来ていないと言えるかもしれません。

 

この方法だと相談者のパーソナリティや、CCのコンディション如何で、

出来が良かったり悪かったりすることになり、安定した面接が出来ませんし、

一見安定しているように見えても、実は表面的であることから、

問題把握力や具体的展開力の点数が伸び悩む原因ではないかと感じます。  

 

知識があっても技法を上手く応用出来ていない可能性がありますね。

 

自分では出来ているつもりの方も多いので

俯瞰的かつ客観的に分析して頂きながら指導しているところです。

 

見えないものを見るスキル

それと、大切なことがもう一点・・・、

このCLの意思決定にコミットメントしていないと思いませんか?

 

これはなぜかというとCLの一番の気持ち、やりたいこと、

いわゆる「真意」が絞り切れていないからです。

 

人は生まれながらに「制約」や「限界」を「思いこむ」ことで、

環境や阻害要因のせいにするのです、意識・無意識に関わらず・・・。

 

今回のCLには「母親の反対」「日本の働き方が合わない」

という環境要因や本人の理想を邪魔する阻害要因というものが存在します。

 

それを取り除いてあげなければCLが本当は何をしたいのか、

どうしたいのか・・・それを把握することは出来ないと考えます。

 

例えば逐語録中にある、

「相談しやすい雰囲気で報告や連絡など出来ていたら、

今の仕事についてどう思いますか」

「今の職場が話せる環境で相談出来たら、

精神的な疲れは軽減されそうですか」

この2つの質問で阻害要因を消すことで、CLが本心に気付き、

目標設立と、コミットメントにかなり近づくのではないでしょうか。

 

言語的に聴いて考えさせてから確認して、

自分の口で主体的に言わせてあげることですね。

 

本人が悩んでいる「阻害要因」、「環境要因」という

見ているものを見えないように取り除くことで、

本人にすら見えないものが見えてきます。

 

多くの人はこのような目の前の環境要因に捕らわれ

本当にやりたいことの意思決定が出来ていないのですから。

 

今回のロールプレイでは正直、これが足りないですね。

 

これが、CLがどうしたいのかが見えない曖昧さだと私は感じます。

 

口頭試問は端的で問題把握などは適切に答えられているので、

あとは目標設立からの方策、それらのコミットメント、

合意形成、いわゆる詰めの段階まで来ているCC役の方だと思います。

 

そのためにも、ロジャーズ氏の共感的理解や自己一致の概念をもって、

関係構築と問題の深堀をしていくことを忘れないでほしいです。

 

これが出来ないとCLは元気になってくれませんし、

モヤモヤしたままになってしまいます。

 

これらも含めて逐語録だからこそ分析できますので、

ロールプレイ練習で録音した際は逐語録にして

自己分析してみるのもアリですね。

 

だから試験では録音しているのでしょう。

一見、良さそうなキャリアコンサルティングでも

実践的な理論や体系は出来ているのか見極める必要がある・・・と。

 

キャリアコンサルティング・カウンセリング方法は無限にあるので、

正しいか正しくないかではありませんが、

少なくとも私はこういった点に注意しながら、

カウンセリングステップを進めて合格しました。

 

今回もちょっと細かい専門的な話が多くなりましたが、

試験やコミュニケーションに必要なノウハウと

アドバイスを簡単にご説明しました。

 

たぶんキャリアコンサルティングを知らない方も、ああ~なるほど、

確かにそうかも!と感じた方もいるかもしれません。

 

マネージメントされている方々も一つでもスキルを覚えておくと、

部下の相談、人事面談や目標管理等で役立つと思います。

本当にやりたいことが出来れば仕事の成果やモチベーションは上がり、

中長期的なキャリアパスが描けますから、段階的な目標も設定しやすいです。

 

相手の真意を引き出して心をスッキリさせることが出来れば、

非指示的に導くという高度なコミュニケーションが可能となります。

 

「そんなの難しいよ!」

「うちの会社ではそんなの無理!」

これも思い込みや環境要因の一つかもしれません、気を付けましょう。

 

こういうスキルを身に着けたい人事・採用担当者管理者の方からの

応募や研修依頼もお待ちしています。

 

お金を取る企業研修にするにはもう少し工夫が必要ですけどね。

 

単純に聞き上手になりたい方には役立つので、

良いかもしれません(`・ω・´)ゞ

 

それにしても文章に起こして逐語録としてまとめると面白いですね。

どこがどのように出来ていないのか、

物凄く分かりやすくて私自身も勉強になりました。

 

こういう知識やスキルを世の中に役立てるチャンスが欲しいものです。

よーし!まずはそういった未来に向けて頑張ります!!

 

こういったきめ細かい指導を受けてみたい方は下記の応募フォームへ!

お問い合わせお待ちしております!

もちろん、自分が本当はどうしたいのか分からない方、客観的に知りたい方、

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本日もお忙しいところ、

お読みいただきありがとうございましたm(_ _)m

 

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