はじめに
名もなきキャリアコンサルタントこと敬天愛人です。
さて、今回は前回の記事、
システマティックアプローチと環境要因への配慮/キャリアコンサルティング
の口頭試問まとめ編です、ご覧ください。
口頭試問
ここから口頭試問のロールプレイです。
試験官(以下SIKと表記)
キャリアコンサルタント(以下CCと表記)
確認ポイント(以下KA)
SIK1
この相談者の相談したい問題点とは何でしたか。
CC1
マツダさんの抱えている問題点は、
今の和菓子会社の社長さんが、急にお亡くなりになって
3月末で会社を畳むという訴えで、ご本人は総務部長として
従業員の就職ももちろんお世話されたんですけど、
ご本人自体も紹介された新しい会社が決まっているんだけども、
そこでの向かって行く不安というのが大きいことに関して、
会社の清算処理というのも色々と軋轢があって悩んでいるということが、
ご本人の考えている問題点だと思いました。
「一貫性と非言語的スキル」
KA
ここは主訴ですね、論述試験でいうと(1)に該当します。
私は冒頭でCLが言う主訴(初期設定)を要約して、
CLに必ず伝え返して下さいと教えます。
CLが何の相談に来たのか自己理解できるように要約して伝え返す意味と、
自分が覚えておいて最後の口頭試問できちんと言えるようにする意味があります。
概ね要約出来て、CL視点での問題把握が出来ています。
SIK2
では、キャリアコンサルタントとして考える相談者の問題点は何ですか。
CC2
はい、わたくしの考えているマツダさんの問題点は、
まず和菓子会社一筋に頑張ってこられて、
そこの会社しか知らないということで、
ご自分の今まで頑張って来られた強みだとかスキル、
それから価値観というのを今、
急なことで新しいところへ向かって行くということで、
不安材料が多く自己効力感が下がっていて、
自己理解、自分の強みを見失っているとお見受けした点です。
それと職業理解についても、
新しいスーパーについて会社の取引先ではあるけども、
新しいことにスキル的に不安だとか、大きな組織に不安だとか、
自己効力感が下がっているので、そこの業界・会社のことを
知ろうという前向きな意思に欠けていて、
そこの部分の職業理解不足も若干お見受けできます。
「CC視点の問題把握」
KA
ここは我々CCの見立て、問題把握力、論述試験(2)に該当します。
どうしてCLは相談に来たのか、何を一番不安に感じていて、
何を一番やりたいのか、いわゆる4S点検(リソース)が
整理出来ない状態にあり、どうして行動を起こせないのかが答えになります。
※答え方はキャリコン義塾テキストⅠとⅡを参照
SIK3
今のロールプレイで良かったところ、
悪かったところを言ってください。
CC3
はい、まず、社長さんが逝去されたという不幸な事態に遭われて
今まで一筋に頑張って来られた会社がなくなってしまうということで、
全く新しい新天地に向かわないといけない、
それも人生初めての経験であるということで、
それに対する大きな不安と心配な気持ちがお聞き出来て
寄り添えた点が出来た点だと思います。
出来なかった点としては、不安な点は色々お伺いできたんですが、
ご本人がそれをどうしたらという風に、
気付きに繋がるような前向きなところに向かって行くような
入り口までご本人が行けなかった、そこに一緒に行けなかったという点が
至らなかったというふうに思っています。
「自己評価」
KA
システマティックアプローチをさかのぼって確認します。
方策のコミットメントが出来ていない→ 方策→
コミットメント→目標設立→問題評価という順に逆算して、
どこが出来ていなかったというのを構成的に振り返るといいでしょう。
例えば、具体的な方策まで詰められなかったということは、
目標合意や問題把握がコミットメントされていないことや、
カウンセリング技法や理論を有効に使えず問題定義が出来なかったことに
真の原因があるのかもしれません。
※キャリコン義塾テキストⅠ・Ⅱを参照
まとめるのが苦手な方は、シンプルに言ってもいいかもしれませんね、
「主体的な意思決定を導くような問いかけの工夫が出来なかった」
「相談者のこの気持ちについてもう少し聞ければ良かった」
「ご家族とのコミュニケーションについても聞ければ良かった」とか。
こういった客観的な評価が明確化されることで、
試験官の評価も良くなると思います。
今回であれば出来なかった点については、
「気付きに繋がるような前向きなところに向かって行くような」
支援が出来なかったのは何故なのか、客観的に評価するということです。
これが分からないと、自分に何が足りないのか、
改善すれば良いのかが分かりません。
SIK4
はい、では悪かったところについて今後はどんな勉強をしていきたいです。
CC4
まずお悩みの点は3つ言って頂いたので、それを具体的にということで、
新しい業界への不安だったら、それを今後どう調べて行くかだとか、
あるいは不安な部分を向こうにいらっしゃる上司の方とか社長さんとかに、
事前にお話し頂く機会を持って頂くだとか。
そういう風なことで、向こうの会社の方とコミュニケーションの場を取って
その会社を知る、その業界を知る、自分の仕事の中身を具体的に知る、
それからそれについてどういうサポートをしてくれるか、
研修がどういう段取りであるかを知っていくことで
不安材料を解決していくというようなことを一緒に、
コミュニケーションの場をいつ設定するかという風なことを決めて
そこで何を聞くかということを一つ一つ一緒に考えて
支援していくというようなことをやっていきたいと思っています。
「言語追跡」
KA
改善点について聞かれているのですが、
次回の相談支援で支援したい内容になってますかね。
ここでは、CCとして出来なかった、今後の改善すべき点を
どのように自己研鑽するのかを問われている問題になります。
ロールプレイは本当に疲れるのですが、もう一息ですから、
しっかり言語追跡して質問内容に合った応答をしましょう。
SIK5
では、相談者との関係構築はうまく出来たと思いますか。
CC5
はい、全く和菓子会社しか知らない方が、
その年齢になって急な事態から新天地に向かわざるを得なくなったという
物凄い強力な漠とした不安な事態に立たれて、
そういうことをお話し頂いて寄り添えたかなということで
60点くらい出来たかなと思っております。
「自己変容」
KA
我々キャリアコンサルタントは相談者の自己変容を導く関わり方、
すなわち関係構築が出来ないといけません。
自己変容とは自らが変わろうとすることですから、
相談に来た時と帰る時では、何がどのように変わったのか、
具体的な感情表現やフレーズなど事例に即した内容で答えると良いです。
例えば、
「最初は口数も少なくうつむき加減でしたが、マツダさんの口から、
頑張らなきゃいけない、スーパーの社長の期待に応えたいなど、
少しずつ気持ちや感情を表現してくれるようになりました」
という感じで答えると良いと思います。
SIK6
以上で質問を終わります。
CC6
どうもありがとうございました。
おわりに
さて、
「自己評価とは?
自己変容を導き行動変容を促すのがキャリアコンサルティング」
は如何でしたか。
実際のロールプレイを基に、
キャリアカウンセリングのスキルをご紹介しました。
キャリアコンサルティング・カウンセリング方法は無限にあるので、
正しいか正しくないかではありませんが、
試験やコミュニケーションに必要なノウハウと
アドバイスを簡単にご説明しました。
たぶんキャリアコンサルティングを知らない方も、ああ~なるほど、
確かにそうかも!と感じた方もいるかもしれません。
実際にマネジメントされている方々も一つでもスキルを覚えておくと、
部下の相談、人事面談や目標管理等で役立つと思います。
本当にやりたいことが出来れば仕事の成果やモチベーションは上がり、
中長期的なキャリアパスが描けますから、
段階的な目標も設定しやすいです。
私が以前に指導させて頂いた人材派遣会社の取締役の方も、
キャリアコンサルティングはビジネスでも役立つので
これから取得、奨励したいんだと真面目に仰っていました。
相手の真意を引き出して心をスッキリさせることが出来れば、
非指示的に導くという高度なコミュニケーションが可能となります。
「そんなの難しいよ!」
「うちの会社ではそんなの無理!」
これも思い込みや環境要因の一つかもしれません、気を付けましょう。
こういうスキルを身に着けたい人事・採用担当者、管理者の方からの
応募や、資格取得に向けた研修依頼もお待ちしています。
※依頼がございましたら御見積作ります。
きちんとしたテキストがありますので、
パワーポイントなど無くてもすぐに出来ますよ
単純に聞き上手になりたい方には役立つので、
良いかもしれません(`・ω・´)ゞ
それにしても文章に起こして逐語録としてまとめると面白いですね。
どこがどのように出来ていないのか、
物凄く分かりやすくて私自身も勉強になりました。
こういう知識やスキルを世の中に役立てるチャンスが欲しいものです。
よーし!まずはそういった未来に向けて頑張ります!!
こういったきめ細かい添削指導を受けてみたい方は
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お問い合わせもお待ちしております!
もちろん、自分が本当はどうしたいのかよく分からない方、
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本日もお忙しいところ、
お読みいただきありがとうございましたm(_ _)m
試験対策講座関連の過去記事はこちらです、
合わせてお読み頂けると大変嬉しいです。