はじめに
名もなきキャリアコンサルタントこと敬天愛人です。
今回は前回の記事、
「2級キャリコンを取るための条件、
試験対策講座ならキャリコン義塾、以上。」
の口頭試問&まとめ編です。ご覧ください。
口頭試問
ここから口頭試問のロールプレイです。
試験官(以下SIKと表記)
キャリアコンサルタント(以下CCと表記)
確認ポイント(以下KA)
SIK1
鈴木さんお疲れ様でした。
この相談者の相談したい問題点とは何でしたか。
CC1
はい、相談者さんの相談したい問題点は何でしたかということですけれども、
ナカジマさんは10年以上勤めてきたところを
1年前に転職して同じ営業職としてお仕事をされてきたんですが、
職場の環境とかを前職と比べて自分に合っているのかどうか
転職した方がいいのかも含めて相談に来られました。
「文章の一貫性と非言語的スキル」
KA
ここは主訴ですね、論述試験でいうと(1)に該当します。
私は冒頭でCLが言う主訴(初期設定)を要約して、
CLに必ず伝え返して下さいと教えます。
CLが何の相談に来たのか自己理解できるように要約して伝え返す意味と、
自分が覚えておいて最後の口頭試問できちんと言えるようにする意味があります。
※答え方はキャリコン義塾テキストⅠのp.2と16、Ⅱのp.6を参照
正確にそのまま繰り返しており、
CL視点での問題把握がしっかり出来ていますね。
一方で、細かいことを言うと、最後の語尾が
「~転職した方がいいのか悩んでいることが問題点です」と言った方が、
始めと終わりの文章の一貫性があって良いと思います。
どうして相談に来たのかと聞かれているわけではなですからね。
SIK2
では、キャリアコンサルタントとして考える相談者の問題点は何ですか。
CC2
キャリアコンサルタントとして考える相談者の問題点は、
ナカジマさんは1年前に転職したことがきっかけで、
今の働き方や職場の雰囲気が自分に合っていないんじゃないかと捕らわれて、
今後自分がどうしたらいいのかという方策が
明確になっていないのが問題点だと思います。
「CC視点の問題把握」
KA
ここは我々CCの見立て、問題把握力、論述試験(2)に該当します。
どうしてCLは相談に来たのか、何を一番不安に感じていて、
何を一番やりたいのか、いわゆる4S点検(リソース)が
整理出来ない状態にあり、行動を起こせないことが問題です。
※答え方はキャリコン義塾テキストⅠのp.3と16、Ⅱのp.6を参照
回答例
キャリアコンサルタントとして考える問題点ですね。
CLは1年前の転職がトランジションになり、
職場に活気がなく、雰囲気が暗いので自分には合っていないのでは
という思いにとらわれており、転職を考えているものの漠然としていて
具体的なアクションプランが起こせないことが問題です。
一方で、上司や同僚とのコミュニケーション不足もあり、
自己のリソースや長期的なキャリアプランが
整理出来ていないため主体的な意思決定が出来ていないことも問題です。
SIK3
では、相談者とのリレーション、関係構築はうまく出来たと思いますか。
CC3
はい、CLとのリレーション関係についてですね。
ナカジマさんとはほぼ関係構築できたと思います。
最初はとても話しづらそうにしていたんですけれども、
丁寧にお話を聴いていく中で徐々にナカジマさんの気持ちを
聞くことができたことです。
例えば、面接の中では今の職場で飲み会があったりとか営業、
仕事をしていく中でもっとコミュニケーションを取れていれば
いいんじゃないかなというナカジマさんの気持ちを聞けたことです。
「何を言わせたか」
KA
ここでは自分の関係構築力についての評価を客観的に分析します。
もちろん、出来たと言ってください、出来なくとも!(笑)
そして、自分との関係構築が出来ていく過程で、
CLがどのように変わったのか・・・変容させることができたかですね。
それを具体的な言葉を引用して答えます・・・何を言わせたかですね。
これを客観的に評価して、
「俯瞰的に観れてます!試験官」とアピールします。
※キャリコン義塾テキストⅠのp.12と17、テキストⅡのp.12を参照
SIK4
今のロールプレイで良かったところ、
悪かったところを言ってください。
CC4
はい、良かったところ、悪かったところですね。
ナカジマさんの思いを丁寧に傾聴した結果、
今の職場やコミュニケーションだったり、雰囲気が自分にとって
働き方が合っているのかどうかという不安や問題を語って頂いたことで、
それを改善するために職場の上司とか同じように思っている人が
いないかどうかと言った時にやってみようかという前向きな気持ちが
頂けたところが良かった点だと思います。
悪かったところは、ナカジマさんの気持ちに寄り添い過ぎてしまったため、
カウンセラーとしての客観的な俯瞰的な気持ちで面接を
展開できなかったところが悪かったところだと思います。
「自己評価」
KA
システマティックアプローチをさかのぼって確認します。
方策のコミットメントが出来ていない→ 方策→
コミットメント→目標設立→問題評価という順に逆算して、
どこが出来ていなかったというのを構成的に振り返るといいでしょう。
具体的な方策まで詰められなかったということは、
目標合意や問題把握がコミットメントされていないことが
原因かもしれないのです。
※キャリコン義塾テキストⅠのp.17、Ⅱのp.7を参照
そして、「寄り添い過ぎてしまった」のは、
ロジャーズ氏のクライエントファーストの3つの要素のどれかが
出来ていなかった可能性があるわけですから次の質問に反映させると、
より客観的な評価が明確化されて試験官の評価も良くなると思います。
SIK5
では、悪かったところについて今後はどんな勉強をしていきたいですか。
CC5
悪かったところについて今後勉強していくことについては、
自分の悪かった点を踏まえて、改善して行きたいと思いますので、
キャリアコンサルタント技能会が実施するロープレ面接とか、
そういう講習会などがあったら積極的に参加して自身の傾向とか
クセを改善してもっといい面接が出来る対応をしていきたいと思います。
「正確な団体名を覚える」
KA
キャリアコンサルティング技能士会なのか、協議会なのか、
1級技能士の会なのか、研修内容なども違ってきますので
ホームページで確認しておきましょう。
キャリアコンサルティング技能士会は支部会などで、
意見交換・交流会や啓発セミナーが盛んですし、
協議会はスキルアップ研修など生涯学習のお知らせがよく来ます。
1級技能士の会は試験対策講座やテキスト販売などが
メインと考えていいでしょう。
SIK6
では最後になりますけども、
次回の相談機会があればどんな支援を行いたいですか。
CC6
はい、もし面接の機会があればどんな支援をしたいかですね。
面接の最後にナカジマさんが今の会社で仕事を続けていくために、
考えられる不安要素はコミュニケーション不足と
職場の雰囲気っていうことだったので、ナカジマさんの職場の詳細だったり、
理想的な職場環境を明確にしていきたいと思います。
あとはナカジマさんが今後考えるキャリアビジョンについても
聞いて行きたいと思います。
「試験官の質問の意図を汲む」
KA
ロールプレイの流れに沿った良い方策だと思います。
これから会社に残るか転職するかの選択をするにあたって、
重要な方策であるかどうかということを考えていきましょう。
その方策は実現可能か、アクションプランを起こしやすいか、
CLは受け入れやすいのかなど、
主体的な意思決定を導くことを考慮した答えがいいと思います。
たくさん思いつくなら、優先順位の高い方からドンドン言ってください。
※キャリコン義塾テキストⅠのp.17、Ⅱのp.7を参照
SIK7
では試験の方は以上です、お疲れ様でした。
CC7
ありがとうございました。
おわりに
さて、
「取りたい2級キャリコンを取れる力を強くする!
個別指導力のキャリコン義塾」
は如何でしたか。
実際のロールプレイを基に、
キャリアカウンセリングのスキルをご紹介しました。
今回のロールプレイでは少し遠回りはしたものの、
構成的なアプローチが出来つつあると感じました。
システマティックアプローチが徐々に身に付いてきて、
面談をコントロールしようとする意図が見え始めています。
その一方で、まとまった要約と思考の拡大を図りながらの
問題評価・把握から目標合意形成後の流れをもっとスムーズにし、
方策のコミットメントへ繋げられればだいぶ形が出来上がるはずです。
口頭試問の応答も要約して簡潔に出来るともっと良いですね。
問題の本質に迫るスキル
- 「他には?」と思考の拡大を図る質問
- 「重要なのは?」と思考の収斂(引き締め)を図る質問
- 「具体的には?」と塊をほぐす(チャンクダウン)質問
今回の傾向で言えば1を一度は使うこと、
2の思考の収斂を図る質問を要所で出来ると
問題が絞れて把握しやすかったのではと思います。
キャリアコンサルティング・カウンセリング方法は無限にあるので、
正しいか正しくないかではありませんが、
少なくとも私はこういった点に注意しながら、
カウンセリングステップを進めて合格しました。
文章に起こして逐語録としてまとめると気付きが多いですね。
どこがどのように出来ていないのか、
物凄く分かりやすくて私自身も勉強になります。
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もちろん、自分が本当はどうしたいのか分からない方、客観的に知りたい方、
キャリアコンサルティングの相談もこちらまで!
お忙しいところ、お読みいただきありがとうございました。
試験対策講座関連の過去記事はこちらです、
合わせてお読み頂けると大変嬉しいです。